アマゾンと物流大戦争  角井亮一  2018.9.14.


2018.9.14. アマゾンと物流大戦争 

著者 角井亮一(かくいりょういち) 1968年生まれ。イー・ロジットCEO兼チーフコンサルタント。上智大経済学部を3年で単位修了、米ゴールデンゲート大でMBA取得。船井総研、光輝物流などを経て現職。『オムニチャネル戦略』などの著書

発行日           2016.9.10. 第1刷発行
発行所           NHK出版(新書495)


アマゾンが仕掛ける物流革命から、今、経済の地殻変動が起こり始めている。ウォルマート、楽天、ヨドバシカメラ――アマゾンに立ち向かうための戦略はあるのか? あらゆるビジネスを飲み込む巨人アマゾンの正体とは? 流通先進国アメリカで取材を重ねる気鋭の物流コンサルタントが、日米ビジネスの最前線からレポートする!


序章 アマゾンが変える世界――経済の地殻変動が始まった
アマゾンが世界のルールを変えつつある
本書執筆の狙いは、多くのビジネスパーソンにとって関係のない存在だと看過されてしまいがちなアマゾンが、実は強力な磁力をもってあらゆるビジネスを変え、また誰にとっても無視できない存在にありつつあることを明らかにすること
ロジスティックこそ彼等の最大の強み ⇒ 物流合理化手段を牛耳る
なぜ
アマゾンのロジスティックスが多くのビジネスにとって見過ごせないものになり得るのか ⇒ ①ロジスティックスは非常に参入障壁が高く、一夜にして作れるものではないこと、②ロジスティックスがそもそも合理化、低コスト化の手段であるがゆえに、アマゾンにとっての磨き上げ続けられる武器になっている。ネット通販ではロジで先ず利便性と低コスト化を実現し、価格を下げれば下げるほど対客数は増え、売上高が膨らむ
アマゾンの登場で物流を取り巻く環境が大きく変わり、あらゆるビジネスに影響を与える可能性が見えてきている ⇒ 「ロジを制するものがビジネスを制する」時代の到来

第1章        物流のターニングポイント――ネット通販と宅配便の異変
アマゾンが最初に本を扱った理由 ⇒ 本は差別化と縁のない商品であると同時に、ネット通販であれば大量の商品を無制限に提供できる
アマゾンの扱う商品数は1,220万点
2015年の国内の電子商取引市場は約13.8兆円(前年比+7.6) ⇔ 20107.8兆円
小売りサービス業に占める電子商取引の割合(EC化率)4.75(前年比+0.38)、英国では12.4%、米国7
楽天市場やヤフーショッピングのようなモール型のECサイトの急成長 ⇒ 集客から注文までを楽天やヤフーが行い、その後のピッキングから梱包、配送といった物流作業を各店舗が行う方式で、中小ネット通販会社の集合体として、充実した品ぞろえを実現したが、弱点としては物流品質のばらつき、規模のメリットが生じない、客にとっての利便性が悪い(商品ごとに配送料がかかる)等が考えられる
カクヤスは、1店舗当たり半径1.2㎞を商圏とするロジスティックスを実現し、首都圏や大阪などに地域を絞ることで効率化し、1999年当初は100店舗中57店で赤字だったが、配送料を無料化することで注文が増え知名度も上がって、05年には黒字化。商材を酒などの飲料品と一部食品に限定したため、各店舗が在庫を持つストックポイントとして使えたことが成功の秘訣
ストックポイントとなる物流センターから顧客まで商品を運ぶ「配送」の最後の区間を
”last mile”と呼び、”last 1 mile”の差別化こそがネット通販にとって勝負の分かれ目
アスクルも、中小事業者向けのカタログ通販から始め、物流を重視したビジネスモデルを構築、物流のスピードを常に磨き自前の配送網を築き上げてきたのが成功をもたらしたが、特にlast 1 mileを重視したB2B戦略が奏功
日本の宅配サービスのレベルは非常に高い ⇒ EC化率上昇を支えてきたのが宅配便
2013年の取り扱いは36億個。最大の顧客はアマゾン

第2章        巨人アマゾンの正体――ウォルマート vs アマゾンの仁義なき戦い
ウォルマートは世界最大の小売企業、28か国に11,534店舗を展開
0910月にアマゾンを本気で意識し始めた ⇒ 発端は価格競争、値下げ競争で、書籍以外の玩具などの商品にも波及、圧倒的な低価格で世界一となったウォルマートにとっては見逃せない事態だったが、15年にはアマゾンが時価総額で小売りトップに(売上高ではウォルマート4,856億に対し、アマゾンは700億ドルと12)
ウォルマートの1つの物流センターがカバーするエリアは半径200マイル圏内で、そこに90100の店舗を出店
最先端の情報システム導入により需要予測をすることが重要 ⇒ 自動発注システムや、自動値付けボットの開発
マーケットプレイス戦略 ⇒ アマゾンが2000年に導入、別名third party seller といい、第3者がアマゾンに出品し、アマゾンと並んで販売できる仕組み
FBA: Fulfillment by Amazon ⇒ 第3者のために受注や決済のみならず物流ソリューションまでを肩代わりするサービス
15年にはアマゾンがシアトルにリアル書店を開店 ⇒ アマゾンのユーザーが高く評価した本を中心に並べる。狙いは不詳だが、オフラインの世界でも革命を起こす可能性も
ウォルマートは、ウォルマート・ドットコムという通販サイトを立ち上げて、アマゾンに対抗したが、今回のリアル書店登場で、いよいよ本格的な全面戦争開始
“Site to store” ⇒ ウォルマート・ドットコムで注文した商品を最寄りの店舗で受け取れる仕組み。専用ロッカーの活用により24時間受け取り可能だし、ドライブスルーも可
アマゾンは、13年に開始したアマゾン・フレッシュで生鮮食品を扱い、生鮮食品を中心としたスーパーマーケットのチェーンであるウォルマートと正面から激突 ⇒ 地域専門店との連携で成り立っている
グーグルも、グーグル・エキスプレスという即日配送サービスを開始 ⇒ 地元の提携小売店を回って注文商品をピックアップし、注文先に届ける
アマゾン vsグーグルでは、14年にアマゾンが始めたアマゾン・エコーと呼ばれる音声認識を用いた御用聞きの機器発売が注目。グーグルもグーグル・ホームを出して対抗
ウォルマートは、16年完全会員制のネット通販の新興企業ジェット・ドットコムを33億ドルで買収 ⇒ アマゾンに買収されたダイアパーズ・ドットコムの共同創業者が起業

第3章        物流大戦争の幕開け――アマゾンと競い合うための3つの戦略
日本のネットスーパー事業は始まったばかり ⇒ 住商の始めたサミットネットスーパーは5年で撤退
顧客満足度1位のヨドバシカメラは、アマゾンと真っ向勝負で善戦 ⇒ 家電100万点に加え生活用品中心に330万点を扱い、品ぞろえも豊富。物流品質が高いのが特徴
オムニチャネルを前面に打ち出しているのがセブン&アイ・ホールディングス ⇒ 15年に「オムニセブン」を立ち上げ、全国18,000の店舗を結ぶ
物流戦争を生き抜くためのヒント:
1.    Last 1 mile の工夫 ⇒ 好きな時に好きな場所で受け取れるような仕組み
2.    オリジナル商品の充実による差別化
3.    ネットx店舗のような顧客との接点が重要
ユニークな企業
ゾゾタウン ⇒ スタートトゥデイが運営するファッションに特化したネット通販サイト。ファッションブランドが集まるモール型ネット通販
ロコンド ⇒ 10年創業の靴のネット通販。返品無料の仕組みが驚愕。元は米国のZappos
眼鏡のWarby ParkerやアパレッルブランドのBonobosは、店舗で商品をチェックしてネットで購入する仕組み




アマゾンと物流大戦争 角井亮一著 ネット時代の流通戦略分析
2016/10/2 3:30日本経済新聞 朝刊
 インターネットによる通信販売が消費市場で大きな存在を占めるようになった。中でも米国生まれのアマゾン・ドット・コムは日本でもお馴染(なじ)みだ。本書は物流業の専門家がネット販売の成功の秘訣を物流面から解説した。
http://www.nikkei.com/content/pic/20161002/96959999889DE2E5EAEAE1E2EAE2E2E3E3E2E0E2E3E49F8BE4E2E2E2-DSKKZO0788309001102016MY6000-PN1-1.jpg
画像の拡大
 アマゾンの成功は一般には「ロングテール」と呼ばれる膨大な商品メニューを用意したことにあるとされる。だが著者は、そうした商品を安く、早く提供できる物流を構築したことが同社を成功に導いた最大の要因だと指摘する。
 創業者のジェフ・ベゾス氏がそのヒントを得たのは、米国最大の小売りチェーン、ウォルマート・ストアーズからだという。単なる値引きとは異なり、流通コストを下げることでいつでも商品を安く提供できる「エブリデー・ロープライス(EDLP)」をネット販売にも導入した。
 アマゾンはさらに自らの物流システムを他の小売店にも開放することで支配力を高めている。その点では物流を出店者任せにしている楽天とは一線を画すという。
 アマゾンの成功の背景には日本の優れた宅配システムの存在も見逃せないが、ほかにも文具のアスクルや酒のカクヤスなど物流を武器に成功した様々な事例を紹介している。ネット事業者にはもちろん、一般の小売業を営む人にも一見の価値がある本だ。(NHK出版新書・740円)


Wikipedia


アマゾン・ドット・コム
Amazon.com, Inc.

Amazonのロゴ


市場情報

略称
Amazon、アマゾン

本社所在地
アメリカ合衆国の旗アメリカ合衆国
ワシントン州シアトル
テリー・アベニュー・ノース410

設立
199475
Cadabra.com


事業内容
WWW上仮想店舗の運営

代表者

資本金
8,192 Million US$
20121231日時点)[1]

発行済株式総数
47800万株
20121231日現在)[2]

売上高
連結:61,093 Million US$
201212月期)[3]

営業利益
連結:676 Million US$
201212月期)[4]

純利益
連結:39 Million US$
201212月期)[5]

総資産
連結:32,555 Million US$
20121231日時点)[6]

従業員数
連結:88,400
20121231日時点)[7]

決算期

主要株主
ジェフ・ベゾス 19.1%
キャピタル・ワールド・インベスターズ 6.2%
2013222日現在)[2]

主要子会社
NYサービシズ・インク 100%
アマゾン・サービシズLLC 100%
アマゾン・サービシズ・インターナショナル・インク 100%
アマゾン・イーユー・エス・エイ・アール・エル 100%
アマゾン・コーポレートLCC 100%
アマゾン・テクノロジーズ・インク 100%
アマゾン・デジタル・サービシズ・インク 100%
アマゾン・フルフィルメント・サービシズ・インク 100%
アマゾン・ヨーロッパ・ホールディング・テクノロジーズ・エスシーエス 100%
アマゾン・ウェブ・サービシズ・インク 100%
アマゾン・ドット・コム・インターナショナル・セールス・インク 100%
アマゾン・ドット・コムLLC 100%
アマゾン・ドット・コムNVインベストメント・ホールディングスLLC 100%
アマゾン・ドット・コムディーイーディーシーLLC 100%
ラブフィルムUKリミテッド 100%
20121231日現在)[2]

外部リンク
www.amazon.com(英語)

特記事項:19947月にワシントン州法人として設立。19966月にデラウェア州法人として再設立[8]2010年上期に本社移転。

Amazon.com, Inc.(アマゾン・ドット・コム)は、アメリカ合衆国ワシントン州シアトルに本拠を構えるECサイトWebサービス会社である。アレクサ・インターネット、A9.comInternet Movie Database (IMDb) などを保有している。
2014年現在、Amazon.comがアメリカ国外でサイトを運営している国はイギリス[9]フランス[10]ドイツ[11]カナダ[12]日本[13]中国[14]イタリア[15]スペイン[16]ブラジル[17]インド[18]メキシコ[19]オーストラリア[20]オランダ[21]13国である。
目次
歴史[編集]
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/33/Jeff_Bezos_2016.jpg/170px-Jeff_Bezos_2016.jpg
Amazon.comの創業者ジェフ・ベゾス
Amazonの設立は、創業者ジェフ・ベゾスが「後悔の最小化フレームワーク」と呼ぶ、ベゾス自身の考え方の結果としてもたらされた。つまり、ベゾスが起業を決意したのは、当時のインターネット・バブルにすぐに加わらないことで未来に生じる後悔を避けるためだった[22] 1994年、ベゾスはウォール街のヘッジファンド「D. E. Shaw & Co.英語版)」のシニア・バイス・プレジデントを退職し、ワシントン州シアトルに転居した。シアトルでベゾスは、のちにAmazon.comとなる企業のための事業計画に取り組んだ[23]
199475日、ベゾスは「Cadabra, Inc.」という名の会社をワシントン州の法人として登記した[24]。数ヶ月後、ある弁護士が「Cadabra」を「cadaver(死体)」と聞き間違えた出来事を受けて、ベゾスは社名を「Amazon.com, Inc.」に変更した[25]。ベゾスは19949月に「relentless.com」というURLを購入しており、自身のオンラインストアを「Relentless」と名付けることも一時考えたが、友人から「Relentless(情け容赦ない)」という言葉の響きは少々不穏であると指摘されたこともあり思いとどまった。現在もrelentless.comのドメインはベゾスによって所有されており、アクセスした際にはamazon.comへリダイレクトされる[26][27]
ベゾスは、社名を「Cadabra, Inc.」から変更するにあたって、辞書を引いて言葉を探した。ベゾスが「アマゾン」という単語を選び出したのは、それが「エキゾチックで変わった」場所であり、自身のインターネット事業のイメージに合致していたためだった。加えて、アルファベット順に並べられた場合に一番上に現れる、「A」から始まる名称が好ましいという事情もあった[28]。さらに、アマゾン川は世界最大の河川であり、ベゾスの計画もまた、自らのオンラインストアを世界最大の商店にすることだった[28]
電子商取引の年間成長率を2300%と予測する、あるインターネットの将来についてのレポートを読んだ後、ベゾスはオンラインで販売できる20種類の商品のリストをつくった。次にベゾスは、このリストから最も有望と思われる5種類の商品を絞り込んだ。それらの商品は、コンパクトディスク、コンピュータハードウェア、コンピュータソフトウェア、ビデオ、そして書籍だった。最終的に、文学への大きな世界的需要、書籍は低価格であること、膨大なタイトルが出版されていることなどを考慮し、ベゾスは自身の事業をオンライン書店とすることを決めた[29]Amazon創業の地は、ベゾスが借りていたワシントン州ベルビューの自宅ガレージとされている[28][30][31]
19957月、Amazon.comはオンライン書店としてのサービスを開始した[32]Amazon.comで最初に売れた本はダグラス・ホフスタッターの著作『Fluid Concepts and Creative Analogies: Computer Models of the Fundamental Mechanisms of Thought英語版)』だった[33]。サービス開始後の最初の2ヶ月で、Amazonはアメリカの50の州すべてと、世界の45カ国以上で書籍を売り上げた。最初の2ヶ月におけるAmazonの週間売上は、最高で2万米ドルだった[34]。ベゾスによれば、ブリック・アンド・モルタルの書店は最大規模のものでも15万種類の本しか販売できないが、オンラインの書店では既刊の書籍すべてを取り扱うことも可能だった[35]
199510月、Amazonは一般に向けた自社の告知を行なった[36]19966月、Amazonデラウェア州の法人として再登記された[8]1997515日、Amazon.comNASDAQに上場(ティッカーシンボルAMZN)し、1株あたりの価格18.00米ドルで新規株式公開した。(1990年代末に行われた3回の株式分割の結果、11.50米ドルとなった)[要出典]
Amazonは他社に先駆けてブランドを構築することを重要視していた。ベゾスは1997年、ある取材に対して次のように述べた。「我々のビジネスモデルに他社がコピーできないような特色はない。だが、考えてみれば、マクドナルドのビジネスモデルも他社にコピーされたが、それでもマクドナルドは数十億ドル規模の企業になることができた。その大きな要因はブランドネームだ。そして、インターネット上ではブランドネームが現実世界よりも大きな意味を持つんだ[37]。」
1997512日、米国の大手書店バーンズ・アンド・ノーブルAmazonを提訴した。バーンズ・アンド・ノーブルの訴えは、Amazonは自社を「世界最大の書店」であると主張するが、Amazonは「実際には書店などではなく、書籍のブローカーである」ため、そのような主張は虚偽であるという内容だった。この訴訟は示談で解決し、Amazonは引き続き「世界最大の書店」と主張することとなった[38]19981016日、ウォルマートAmazonを相手に訴訟を起こし、Amazonが複数の元ウォルマート重役を雇い入れることで、ウォルマートの企業秘密を盗んだと主張した。この訴訟も示談という形で解決したが、Amazonは元ウォルマート社員に対する人事異動および業務制限の実施を強いられた[38]
Amazonが創業時に掲げたビジネスモデルは独創的なものだった。ベゾスは、開業当初の45年間では利益を挙げることはできないと予測していた。Amazonの株主は「ゆっくり」な成長速度に対して、もっと速く採算性を確保しなければ、株主の投資を正当化することはできないし、長期的には生き残ることすらできないだろうと不満を漏らした。21世紀初頭のITバブル崩壊は多くのIT企業を倒産に追い込んだが、Amazonは生き残り、IT不況を乗り越えて電子商取引における大手企業となった。2001年第4四半期、Amazonは開業以来初めて利益を計上した。10億米ドル以上の収益に対し、利益は500万米ドルとささやかなものだった(一株利益1セント)が、黒字への転換はベゾスの型破りなビジネスモデルが成功できることを示した[39]
2011年、Amazonはアメリカでフルタイム従業員を3万人雇用していた。2016年末の時点で、アメリカにおける従業員は18万人、全世界のフルタイムおよびパートタイム従業員は306800人となっていた[40]
本社のあるシアトルボーイング企業城下町として知られていたが、2010年代には市内のオフィスの20%を占有し経済効果の累計が4兆円を超えるなど、アマゾンの企業城下町となりつつある[41]
沿革[編集]
1994平成6年)7月、Amazon.com, Incの前身となる法人「Cadabra.com」を登記。
時期不明、Cadabra.comからAmazon.comに改名される。
1995(平成7年)春、アマゾンのウェブサイトが完成し、βテストを開始。
1995716日、アマゾンの正式サービスを開始。
19966月、デラウェア州法人として再設立[8]
1997(平成9年)514日、NASDAQに上場を果たし、初値は118ドルをつける。
1998(平成10年)5月、株価が一時105ドルに。
19986月、ミュージックストアを開設し音楽配信事業に参入。英国とドイツにてアマゾンのサービス開始。
1999(平成11年)6月、ユーザーが累計1000万人に。
19999月、米特許商標庁でワンクリック(1-Click)特許が認められる。
199912月、バーンズ&ノーブルズの精算システム「エキスプレスレーン」をワンクリック特許の侵害で訴える。
199912月、ジェフ・ベゾス、タイム誌の「今年の人」になる。様々な企業に出資したり、買収したりして機能を追加。
2000(平成12年)1月、1500人をレイオフ(解雇)。99年末から00年末にかけてアマゾンの株価は90%下落。最安値が一時15ドルとなる。
20009月、航空宇宙企業「ブルーオリジン」を設立、有人宇宙飛行を目的とした事業を開始。
2001(平成13年)10月、アマゾンに立ち読み機能が追加される。
2002(平成14年)7月、クラウドサービス「Amazon Web Services(AWS)を開始。
2002年、ウェビー賞を受賞[42]
2006(平成18年)5月、米特許商標庁がワンクリック特許の再審査を命じる。
2007(平成19年)1119日、電子書籍リーダーAmazon Kindle」を発表。電子書籍販売サービス「Kindleストア」(Kindle Store)を開設。
2009(平成21年)11月、靴のネット販売大手「ザッポス」(Zappos.com)を買収。
2010(平成22年)3月、米特許商標庁が、ワンクリック特許を認める最終手段を示す。
201010月、Kindleストアで著者が直接電子書籍を販売すれば、70%と条件の良い印税を支払う仕組みを提案。
2011(平成23年)2月、ビデオサービスを開始。
20113月、個人向けのクラウドサービス「クラウドドライブ」(Cloud Drive)を開始。
20119月、電子書籍リーダー「Kindle Fire」を発表。
2012(平成24年)3月、ロボットメーカーのKiva Systemsを買収[43]
20129月、電子書籍リーダー「Kindle Fire HD」を発表。
20121025日、日本向けのKindleストアが開設。
2014(平成26年)6月、米国にてスマートフォンfire phone」を発売[44]
物流[編集]
旧本社ビルはワシントン州シアトルの小高い丘にある元病院(PacMed)で、2010にシアトル市内に新たな本社を設置した[45]
物流拠点[編集]
Amazonでは、独自の物流拠点(フルフィルメントセンター:FC)をアメリカ、ドイツ、イギリス、中国、日本等において整備している[46]
詳細は「Amazon.comの拠点一覧」を参照
航空便[編集]
増加する貨物量に対応するためAmazon Prime Air計画をスタートした。顧客までの配送をマルチコプターで行うドローン宅配便と、自社専用の貨物機『Amazon One』(767-300)による専用便(運行はアトラス航空へなどへ委託)が柱となる[47]
管理[編集]
商品の管理方法
物流拠点において書籍はジャンルや出版社といったカテゴリで分けずに配置する方法で管理し、分類する手間を省いている[48]。書籍を棚入するときには、書籍につけられたバーコードと棚のバーコードを読み取ってホストコンピュータに登録する。そして、書籍を取りにいくときにはホストコンピュータから携帯端末へと情報を送り、どこにあるかを把握する。
201412月に公開した第8世代の物流拠点の内部では、ロボットを活用し作業効率向上を図っている[49][50]
労働者の待遇
物流拠点での労働者の過酷な状況について、アメリカ[51]、イギリス[52][53]、ドイツ[54]、フランス[55]などで報じられている。
ビジネスモデル[編集]
ロングテール」も参照
経営上の特徴[編集]
Amazonの経営的特徴は、「顧客中心主義」「発明中心主義」「長期的視野」を掲げ事業を行っていることである[56][57]。ジェフ・ベゾスは、アメリカ国内で最大規模の書店は最大で20万点の書籍を扱っているが、インターネット書店であれば何倍もの種類の商品を扱うことが可能、と期待し、設立当初の45年の期間は利益が十分に上がらないことを戦略として予測した、ことが特徴的である。
一般の小売業と異なり「当社は、売上高や利益を最大化することではなく、フリーキャッシュフローを最大化することを目的にしている」と株主宛へのAnnualReportに記し、通期決算で赤字決算となることもある。1997年のナスダック上場以来、株主に対し配当を配ったことがなく、2014年時点で17年連続で無配を継続していることに対し株主が拍手喝采している株式会社的企業といえる[58]
日本企業は「Amazonは日本に対し法人税を納めておらず、またダンピング販売をしているために競争環境が違いすぎ、設備投資等ができない[59][60]」、日本の電子書籍販売事業者は「アマゾンの販売する電子書籍には消費税がかからず不公平[61]」と批判する。
20145月、国際労働組合総連合は、従業員をロボットのごとく扱う労働・業務環境や納税回避を理由に、アマゾン創業者のジェフ・ベゾスを世界最悪の経営者として選出した[62][63]
20158月、アマゾンは非情で悲惨な職場環境であるとニューヨーク・タイムズが報じた[64][65]が、ジェフ・ベゾスは反論している[66]。 
ロゴ[編集]
2000年に制定された Amazon ロゴは、"amazon.com"amazon 部はボールド体)の黒いサンセリフの文字に、a から z に向かって下向きの弧を描くオレンジ色の矢印が重ねられたもの。この矢印は、"from A to Z" AからZまで)、つまり Amazon で何でも揃うという意味と、顧客の満足を表す笑顔とを同時に表現したものである[67]
納税[編集]
問屋商法
20097月、「本社機能の一部が日本にある」として東京国税局から140億円前後の追徴課税処分をされたことが報じられた。アマゾン側は「米国に納税している」と主張し日本とアメリカとの2国間協議を申請。アマゾンジャパンも「課税は不適切」とし[68]、日本での納税義務は無いという立場である。
20109月、日米相互協議の結果、課税処分は大幅に減額され、国税庁は銀行供託金の大部分を解放した[69]。しかし、Amazonの法人税については、依然としてフランス、ドイツ、日本(2006年から2009年)、ルクセンブルク、イギリスなどによって査察が進行中、または行われる可能性が指摘されている[69]
アマゾン税
アメリカには、連邦として消費税はないが、州によっては売上税が設定されている。このことに関連しAmazon taxの議論がある[70]
2013122日、合衆国最高裁判所は、ECサイト通販の売上税に関するニューヨーク州法が、アメリカ合衆国憲法に反し無効であるという、アマゾンらによる訴えを却下した[71]
Amazonの特徴[編集]
レコメンデーション機能[編集]
Amazonの最大の特徴は強力なレコメンデーション機能にある。現在のところAmazonはレコメンデーションの実用レベルの最先端を走っているという見方が支配的であり、技術の向上にも余念が無い。実際、近い将来には顧客の宗教や思想まで含めて営業活動に反映させることが可能となるといわれる。技術的には既に開発済みで、米国で特許を申請している[72]。また、パーソナライゼーション技術の解説記事においても、Amazon.comは一つの成功例として語られることが多い。一方、レコメンデーション自体は個人の趣味嗜好、場合によっては思想信条、性的な関心といったきわめてクローズドな情報を収集する過程を含む。このためプライバシーの観点からの問題提起が出されることも多い。
Amazon.comのレコメンデーション機能は、A9といわれるエンジンによって行われている。この場合のレコメンデーション機能とは、過去の購入履歴等から顧客一人一人の趣味や読書傾向を探り出し、それに合致すると思われる商品をメール、ホームページ上で重点的に顧客一人一人に推奨する機能のことである。例えばAmazon.co.jpの「トップページ」や「おすすめ商品」では、そのユーザーが過去に購入したり閲覧した商品と似た属性を持つ商品のリストが自動的に提示されるが、それはレコメンデーション機能の一部である。シリーズ物の漫画等の購入をレコメンドする場合にはちょうど新刊が出たころに推奨し、似たような傾向の作品をも推薦する。以上の意味で、Amazonのレコメンデーション機能は協調フィルタリングに分類されると考えてよいだろう。
Amazon.co.jpの機能はAmazon.comにおいても装備されている。Amazon.co.jpAmazon.comのポータルサイトのユーザーインターフェースは、言語を除きほとんど同じであるため、以降は動作の説明を要する場合には、Amazon.co.jpのポータルサイトの操作方法に準拠して説明する。
ASIN[編集]
Amazon Standard Item Number の略。Wikipediaの一部の記事にも使われているASINコードは、10桁のアルファベットと数字により構成されるAmazon.comの商品識別番号である[73][74] 。原則として一つの商品に対して1つのカタログ(商品詳細ページ)・ASINが登録される。Amazon.comAmazon.co.jpで同じ商品を扱っている場合は、同一のASINコードになる。200612月まで、書籍のASINコードはISBNのコードと同一であった。20071月以降、ISBN規格の変更に伴い、以前10桁であったISBNの桁数が13桁へ変更された。しかし、現在のところASINコードの桁数は10桁で変更はないため、両者の間で齟齬が生じている。
ウィキペディア
ASINコードから本へのリンクを貼るためのテンプレートに付いてはTemplate:ASINを参照
カスタマーレビュー[編集]
ユーザーは商品に対して星5つを満点として評価をすることが出来る(これを「レビュー」と呼ぶ)。また、レビューの読者は投稿されたレビューが参考になったかどうか、「はい」か「いいえ」の票を入れることで評価できる。 Amazon.comでは、Amazon Vineの対象商品などを除き、発売前の商品に購入者レビューを書き込む事はできない。かつてAmazon.co.jpでは発売以前にレビューを書き込み評価点数まで付けることができた[75]。このため発売前に思い込みや期待値を書いた購入者レビューが多数含まれてしまい、購入後に実物を触って評価した適切な購入者レビューを埋没させていた。
Amazon.co.jpでは最低一回はそのアカウントを使用してAmazon.co.jpにて商品購入をしていないと、購入者レビューを書き込むことが出来ない。しかし、一度でもAmazon.co.jpで買い物したアカウントを使用すれば、レビューを書き込む商品をAmazon.co.jpから購入していなくとも購入者レビューを書き込めてしまう。米法人のAmazon.comではアカウントを作成すれば誰でも情報の投稿が出来るシステムを採用している。
アフィリエイトサービス[編集]
Amazonアフィリエイトサービスと呼ばれる、店子を開設するサービスを提供している。そのサービスは、SOAPプロトコルによる高度なサービスをはじめとし、単なるXSLTテンプレートファイルを置くだけで店子を開設する事のできるXSLTエンジンも提供している。店子は売り上げによって報酬を受けとる事ができる。このサービスは様々なサイトで利用されている。
プライバシーの問題[編集]
Amazonは、趣味や嗜好に関する情報を集めすぎであり、仕様上、個人情報が簡単に公開できてしまう傾向があることを指摘し、注意を喚起する議論があった[76] 米国Amazonは、子供の個人情報を親の許諾なく収集している事で消費者団体から苦情を寄せられた経緯がある[77]。また、「ほしい物リスト」(Wish List)が「子どもと性犯罪者の接触機会を高める」という指摘が従来からあった[78]。なお、Amazonは「ウィッシュリストは、ユーザーが欲しいものを公開するシステムであり、欲しい物が一致した場合物々交換が行われる事があるが、アマゾン上では無い取引の為アマゾンは関与しない」としている。 2008年、Amazon.co.jpでも「ほしい物リスト」の仕様による情報の漏洩が話題となった[79]。詳細は「Amazon.co.jpの項の「ほしい物リストとプライバシーの問題」の節」を参照。
Amazonはサインイン(ログイン)しなくとも、ブラウザに保存されているクッキーを元にアクセスした者を特定して、過去の購買履歴や評価した内容を元に「お薦め」の商品をトップページに提示するため、サインアウト(ログアウト)しなければ、アクセスに使用したブラウザ・ソフトを立ち上げた人間はだれでもサインアウトしなかった人の読書傾向や購買傾向を知ることが出来る。とりわけ書籍の購入リストはその者の思想・良心の自由を侵害する恐れが大きいため問題となる。
マーケットプレイスで購入した場合、出品者に住所、氏名などが開示される仕様である。
電子書籍[編集]
Amazonでは、電子書籍端末および電子書籍関連サービス「Kindle」を展開している。
詳細は「Amazon Kindle」を参照
アマゾン・アップグレードサービス[編集]
買った本を自宅に置いたまま、職場や旅行先でも読める新たなサービス。インターネットを利用可能な場所ならばどこでも、Amazonに接続して閲覧することができる[80]
電子インク端末[編集]
Amazon.com2004年に設立した社内研究施設のLab126において電子ブックリーダーの研究・開発を始めた。端末と電子書籍サービスのブランド名はグラフィックデザイナーMichael Patrick Cronanによって「灯をともす」を意味する「Kindle」と名付けられた。
20071119日にアメリカ国内限定でKindle First Generationが発売された。この端末は4階調グレースケール表示に対応した6インチ電子インクディスプレイキーボードを有し、250MBの内部メモリとSDカードスロットを備えていた。発売後数時間で完売し、翌年4月まで在庫なしのままだった。2009223日には読み上げ機能を加え内部メモリを増強したKindle 2が発売された。これ以降のKindle端末ではSDカードスロットは省かれている。同年1019日には国際版が発売され日本でも販売された。現行の電子インク端末は2012101日に発売が開始されたKindle Paperwhiteである。
LCD端末[編集]
詳細は「Kindle Fire」および「Kindle Fire HD」を参照
電子インク端末のラインとは別にタッチパネルに対応する7インチ・カラーLCDディスプレイを有するKindle Fireはアメリカで20111115日に発売された。OSAndroidを元に独自に開発したものを搭載し、ネットブラウジングなどタブレット端末としての機能も備えている。2012096日に第二世代Kindle Fireが、2012914日には7インチHDディスプレイディスプレイを持つKindle Fire HDが、20121116日にはさらに8.9インチ版Kindle Fire HDが発売された。
アマゾン・ウェブサービス[編集]
Amazonアマゾン ウェブサービス (AWS) として、Amazon S3などの、いわゆるクラウドコンピューティングサービスを提供しており、年々サービス規模を拡大している。 本サービスを提供するためのデータセンターは米国(US EastおよびUS West1, US West2)、欧州(アイルランド)、アジア・パシフィック(シンガポール及び、東京[81])、南米(ブラジル)に置かれている。また米国の政府エージェント専用のGov Cloudも提供している。
Amazon Appstore for Android[編集]
2011322日、Android向けのアプリケーションを提供する Amazon Appstore がオープンした。アプリには有料と無料のものがあるが、「free app of the day」という形で、通常は有料のアプリを日替わりで無料提供するサービスも行っている。ただし、無料アプリを入手する場合でもAmazon.comの顧客アカウントが必要である[82]
購入は Android 搭載の携帯機器に Amazon Appstore アプリをインストールしてから行う[83]。あらかじめパソコンからアクセスしてアプリを購入しておいてから、携帯機器で再アクセスしてダウンロードすることも可能である。
パソコンで Amazon.com にログインして Amazon Appstore でアプリを閲覧すると、すでに別のアプリをダウンロードしたことがある顧客なら、同じ携帯機器で使用可能かどうかが表示される。また、パソコン上での Test Drive(お試しプレイ)が可能なアプリもある[84]。一方、(3G4Gではなく)Wi-Fi接続しなければダウンロードできないアプリもある。
Amazon ビデオ[編集]
Amazon ビデオはインターネットのビデオ・オン・デマンドサービスである。ドラマや映画などのライブラリーのレンタルおよび購入に加え、プライム会員は指定されたライブラリー作品を無料無制限で視聴できる。プライム会員だけが視聴できる作品もある。作品の自社制作や独占配信も行っており、それらの作品群には「Amazon ORIGINAL」のブランドが冠される。2015年、自社制作作品の"Transparent(トランスペアレント)"ゴールデングローブ賞の最優秀シリーズ賞を受賞し、ストリーミングサービス作品としては初めての受賞となった。
備考[編集]
JK・ローリングの手作り本『The Tales of Beedle the Bard(吟遊詩人ビードルの物語)』を、ロンドンで開かれたサザビーズオークション195万ポンド(約45000万円)で落札し、これを連想させる限定版をAmazonのみで販売した[85]


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