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評伝 フィリップ・ジョンソン  Mark Lamster  2021.6.12.

  2021.6.12.  評伝 フィリップ・ジョンソン  20 世紀建築の黒幕 The Man in the Glass House ~ Philip Johnson, Architect of the Modern Century   2018   著者  Mark Lamster   1969 年ニューヨーク生まれ。建築批評家。テキサス大アーリントン校建築学部教授の傍ら、『ダラス・モーニング・ニュース』紙所属。『アーキテクチュアル・レビュー』など複数誌の編集者でもあり、『ニューヨーク・タイムズ』、『ウォール・ストリート・ジャーナル』など全米の雑誌や新聞に寄稿多数。本書は評伝の第 3 弾で、 2018 年全米批評家協会賞評伝部門最終選考に残った   訳者 松井健太  1986 年生まれ。建築史研究。戦後イタリアにおける建築理論と建築教育。現在日本学術振興会特別研究員 (PD) 。東大大学院工学系研究科建築学専攻修了。博士 ( 工学 )   監修 横手義洋  1970 年生まれ。近代建築史、建築理論・思想。現在東京電機大建築学科教授。東大大学院工学系研究科建築学専攻修了。博士 ( 工学 ) 。『イタリア建築の中世主義 交錯する過去と未来』で 09 年建築史学会賞受賞   発行日            2020.10.30.  第 1 刷発行 発行所            左右社     日本語版への序文  2020.6. ジョンソンの建物は、ほぼすべてのアメリカの主要都市にあるが、もっとずっと大きな遺産の一部に過ぎず、ジョンソンという遺産こそ都市や建築に関する私たちの思考を形成しているものであり、機をとらえて私たちが住む空間や場所を作り出したもの ジョンソンの人生とキャリアは、私たちの文化における最も深い悪意の存在を非常に鮮やかに照らし出す。こうした悪意について誠実に検討することによってこそ、優れた建築のみならず、より強固な社会結束を構築することができる   プロローグ 1959 年、ジョンソンは建築の伝統について話している途中で、「歴史を知らないなんてダメだ」と言い放つ 彼の人生には、アメリカの歴史と同じく、闇と光が同じ分だけ詰まっている。不公平と偏狭、危ういシニシズム、人間の弱さ