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指揮者・朝比奈隆  宇野功芳  2022.2.22.

2022.2.22.  指揮者・朝比奈隆   著者 宇野功芳 ( こうほう )   1930 年東京生まれ。国立音大声楽科卒。音楽評論家、指揮者   発行日            2002.12.20.  初版印刷         12.30.  初版発行 発行所            河出書房新社     本書は、僕が 1968 ~ 2002 年に書いた朝比奈に関する文章の集大成   1.     総論 l   朝比奈隆               『レコード芸術』 '77 年 11 月 今年 4 月の新日フィルの定期での《エロイカ》は、聴衆を凄まじい感動の渦に巻き込んだ。レコードでいえば、フルトヴェングラーやワルターに次ぐ出来栄えであり、世界に冠たる演奏   l   朝比奈讃 大器晩成の芸術家  音楽生活 50 年記念、大フィル特別演奏会  ‘83 1933 年、 25 歳で阪急を退社、伊達三郎とともに大阪室内楽協会を設立、プロの活動を始めた。合唱指揮者になったのが 36 年、オーケストラのデビューが 39 年 遅いスタートで、棒の振り方一つを見ても、不器用なタイプだが、持ち前の誠実さと人間的な温かさ、幅の広さ、誰にも負けない情熱の力によって牛歩の前進を続け、大器晩成を身をもって示した。 36 年に及ぶ大フィルの常任指揮者としての活動は彼だからこそ可能 '73 年頃を境に急速に実力が認められ、人気も伴って、ブーム到来 '78 年に日本ブルックナー協会が設立されたのも朝比奈隆の力が寄与しているし、大阪にウィーンのムジークフェラインザールに匹敵するザ・シンフォニーホールが誕生したのも朝比奈あればこそ 人気の秘密は、重厚かつ情熱的な指揮ぶりであり、特にドイツ音楽は、ドイツの指揮者以上にドイツ的   l   新たなる理想を求めて 「朝比奈隆の軌跡 V 」                   『シンフォニア』 ’87.7. 大フィルの新しい練習会場いずみホール完成。良いリハーサル室はオケを育てる 古楽器での演奏には批判的 19 世紀後半~ 20 世紀前半にかけて先人たちが創造してきた現代のコンサート・スタイルを継承する数少ない指揮者 ベートーヴェン、