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エドゥアール・マネ  三浦篤  2019.1.29.

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2019.1.29.   エドゥアール・マネ 西洋絵画史の革命 著者 三浦篤  1957 年島根県生まれ。東大大学院総合文化研究科教授。専門はフランス近代美術史、日仏美術交流史。東大大学院人文科学研究科博士課程満期退学。パリ第 4 大学で文学博士号 ( 美術史 ) 。『近代芸術家の表象 マネ、ファンタン=ラトゥールと 1860 年代のフランス絵画』でサントリー学芸賞。 2015 年フランス共和国芸術文化勲章シュヴァリエ受勲 発行日            2018.10.19.  初版発行 発行所            KADOKAWA( 角川選書 607) 印象派が産声を上げる直前の 19 世紀パリ。画家マネのスキャンダラスな作品は官展 ( サロン ) 落選の常連であったが、伝統絵画のイメージを自由に再構成するその手法こそ、デュシャン、ピカソ、ウォーホルら現代アートにも引き継がれてゆく絵画史の革命だった。模倣と借用によって創造し、古典と前衛の対立を超えてしまう過激な画家は、芸術のルールをいかにして変えたのか。謎めいた絵画作品の魅力と、 21 世紀へと続くその影響力に迫る はじめに――マネの特異性について 19 世紀フランス絵画は印象派とのイメージが強く、マネの知名度は低いが、西洋絵画史の中でマネが占める位置は想像以上に大きい ロマン主義代表のドラクロワ (1798 ~ 1863) やレアリスム ( 卑俗な現実を描くことを目指す写実的な絵画動向 ) を標榜するクールベ (1819 ~ 77) より後の世代に属するが、印象派のモネ (1840 から 1926) やルノワール (1841 から 1919) よりも少し前の世代に当たる 印象派にもレアリスムのどちらとも言えないある革新性を有する画家。モダニズムと呼ばれることも多い 本書の目的は、マネの画業を理解することが西洋絵画史を理解するに等しいことを論じること ⇒ マネの作品は、西洋絵画の多用な伝統を吸収し、これらを素材として組み替えて、それまでにない新しいタイプの絵画を作り出し、後世に多大なる影響、インパクトを与えた 7 月王政幕開けに生まれ、第 2 帝政期 (1852 ~ 70) に本格的に画業を開始、第 3 共和政初期にも活動を続け、 83 年に没