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三省堂の国語辞典から消えたことば辞典  見坊行徳編  2023.8.21.

  2023.8.21.  三省堂の国語辞典から消えたことば辞典   編著者 見坊行徳 ( けんぼうゆきのり )  辞書マニア、校閲者。 1985 年神奈川県生まれ。早大国際教養学部卒。在学中に「早稲田大学辞書研究会」を結成し、副幹として『早稲田大辞書』を編纂。 YouTube 「辞書部屋チャンネル」で辞書の面白さを発信する。イベント「国語辞典ナイト」のレギュラーメンバー。辞書マニアが共同で辞書を保管して集まる「辞書部屋」主宰。『三省堂国語辞典』の初代編集主幹、見坊豪紀 ( ひでとし ) の孫。共著『辞典語辞典』   発行日            2023.4.15.  第 1 刷発行 発行所            三省堂   序文 過ぎ去りし「今」を削除語から見渡す 2021 年秋、発売前の『三省堂国語辞典』第 8 版で削除予定の項目が「辞書から消える言葉」として情報番組でクローズアップされ、言葉の死語化という切り口から報じられたが、削除を惜しむ声も上がり、辞書から消える言葉だけを集めた本となった 歴代の『三省堂国語辞典=三国』『明解国語辞典=明国』から削除された項目を集めた 現代語を対象とする小型国語辞典には、今の社会に広まり、定着したと判断されることばや語義が採録され、その「今」から外れれば改定時に削除される運命にある。とりわけ『明国』『三国』は現代に追随する性格が強く、改訂では 1000 語以上の削除も珍しくない 辞書から「消えた」ことばの事情は様々――①そもそも存在が確認し難い語=幽霊語 ( 使われている証拠がない ) 、②時の流れで忘れ去られた語=死語、③制度の変更などにより消滅した用語=廃語 ( 営林署 ) 、④モノとして下火になったり需要が減ったりして存在感の薄れていった語 (MD) 、⑤編集方針上相応しくないと判断され削られた語 ( ボイン ) 、⑥微妙に変形した語形 ( チェッコ ) 、⑦複合語として立項されていたが構成要素の注付き用例に収まった語 ( 用例の中で、言葉の直後に ( =〇〇 ) のような括弧書きで説明を補ったもの ) そのような中から、特に時代性のある語や、語釈の興味深い語など、ちょうど 1000 項目をピックアップし、旧版の紙面を掲載 うち 15 項目は大項目として取り上げ