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絶望の林業  田中淳夫  2020.3.27.

2020.3.27.絶望の林業 
著者 田中淳夫 1959年大阪(生駒)生まれ。静岡大農学部林学科卒。出版社、新聞社を経て、フリーの森林ジャーナリストに。森と人との関係をテーマに執筆活動を続けている。著書に『森林異変』『樹木葬という選択』
発行日2019.8.17. 第1版第1刷発行 発行所新泉社
はじめに――騙されるメディアとい思い 最近林業に関する取材が増えた 戦後植林された人工林は50年以上を経て太ってきたので伐り時を迎えている。国産材の生産量も増えた。木材自給率は急上昇し、一時期18%程度まで落ちたものが今や40%近くになり、目標の50%も見えてきた。使い道のなかった間伐材などが合板材料として活用されたり、バイオマス発電の燃料用にもと引っ張りだこ。海外輸出も急増して輸出産業になりつつある。CLT(直交集成板)やセルロースナノファイバーのような新しい木材の使い道も登場して、木材は引く手あまたの素材である。日本の山は宝の山になった。田舎暮らしのライフスタイルが見直されて、山村の仕事として林業に参入する若者も増えた。女性でも林業を目指す人が増え、「林業女子」と呼ばれている。高性能林業機械が導入されて体力がなくてもできるようになったから、ということだが、現状を話すと驚かれる 日本の林業の抱える問題を確認していくと、前途洋々どころか絶望してしまう 日本の林業には多くの障碍がある。問題解決を探ってきたが、知れば知るほど様々な要因でがんじがらめになっており、最近は「何をやってもダメ」という気持ちが膨らみつつある 近年の林業界の動きは、改善方向どころか真逆の道を選んでいると感じ、その方向は林業界だけでなく、日本の森林や山村地域に致命的打撃を与えるのではないかという恐れを抱くし、それが絶望へとつながる 目標となる「希望」を提示することで、道筋を考える契機にしたい。到達したい目標から遡り、今すべき行動を考える「バックキャスト」の手法を考える 第1部では、日本の林業界を取り巻く錯誤を総論的に描く。メディアや一般人の勘違いの指標 第2部では、林業現場の実態、林業の当事者たち、木材の用途、林政の問題点を指摘