スティーブ・ジョブズ全発言  桑原晃弥  2012.9.19.


2012.9.19. スティーブ・ジョブズ全発言 世界を動かした142の言葉


著者 桑原晃弥(てるや) 1956年広島県生まれ。経済・経営ジャーナリスト。慶應大卒。業界紙記者、不動産会社、採用コンサルタント会社を経て独立。人材採用で実績を積んだ後、トヨタ生産方式の実践と普及で有名なカルマン株式会社の顧問として、トヨタ本の制作を主導

発行日           2011.12.2. 第1版第1刷発行
発行所           PHP研究所

2011.10.惜しまれながら遂にその生涯を閉じたスティーブ・ジョブズ。しかし彼の残した様々な言葉は、これからも多くの人に勇気と感動を与え続けるだろう。
本書は、マックやiPhoneなど数々の革命的な製品を生み出し、「過去10年で最高のCEO」とまで称されたジョブズの「決定版」名言集。希代のカリスマのエッセンスが一冊に!
本稿脱稿直後に訃報

第1章     ジョブズ ヒットの秘密を語るーー3回もボタンを押させるな
1.        みんなのためにすぐれた製品でないと思ったら、それにはさわらない
没になった製品もたくさんある。その代表がPDA。他社がやっているという理由で始めたが、スマートフォンに注力
手掛けたことと同じくらい、手掛けなかったことを誇りにしている

2.        3回以上もボタンを押させるな
ヒット商品はどれも、美しいくらいにシンプル
iPodの開発でも、曲選択までに3回以上もボタンを押させるな、音質のシャープさが足りない、メニュー表示が遅すぎる、電源ボタンはいらない、等山ほどの修正が繰り返された

3.        インターネットは驚異的だが、感動を呼び起こすことはない。感動的なことをコンピュータで実現したいのだ
若い頃禅に深く傾倒したことから、「心」を非常に重視
インターネットは、データを選ぶだけでなく、音楽による感動をユーザーの心に運ぶ役割を担う

4.        最先端のハイテクを普通の人にも使い方がわかるように届ける
ジョブズのヒット商品は、いずれも直観的に操作できるという特徴がある
操作性の簡素化指向は、マッキントッシュの開発から一貫している

5.        小学校1年生が読めるようにすべきだ
マニュアルをわかりやすく、読みやすく、そして薄くするために努力
その究極の形が、マニュアルなしでも簡単に使いこなせること

6.        子供だけに愛される映画を作ることは大変ではない。だが、子供と親が同時に愛してくれる映画を作るのは大変なことだ
85年アップルを追放された間に、次世代OS「マックOSX(テン)」のプロトタイプを完成、それを以てアップルに復帰したが、プロも未経験者も虜にする美しさ、それを実現する難しさをこの言葉で表現

7.        60年後にはマックも過去の遺物だろう。だが、60年後にも人は『トイ・ストーリー』を楽しんでくれるのではないか
CG映画作品を、アメリカ文化の一部として定着させる
ジョブズは、パソコンこそ人類最高の発明品の1つであり、常にデジタル革命の中心にあるという信念を持っていたが、それが変わった。あらゆる工業製品に寿命があるように、やがて終わりの時を迎えると考えるようになっていく

8.        本当に魔法だったでしょう?
パソコンを家庭で使える道具として普及させ、人々のライフスタイルを一変させた
iPad発表の際、敢えて「iPadは魔法だ」という表現を使った

9.        蛇口をひねればいくらでもタダの水が出て来るけど、みんなお金を出してミネラルウォーターを買ってる
iTunesによって新しいビジネスモデルを提供。インターネットの普及によってただで手に入れることに慣れたユーザーでも、すぐれたサービスをつくればちゃんとお金を払う

10.    どの車も移動という意味ではやることは同じだ。でも多くの人がBMWに高いお金を払う
革新性で勝負すれば、価格競争に巻き込まれることはない

11.    「出来るわけがない」で大幅に改悪される。「つくれやしない」でまた大幅に改悪。こうしてわざわざ敗北を引き寄せる
多勢の意見を取り入れていくうちに革新性を失うという特徴がある
行ったり来たりを繰り返す中で、本当にいいものをつくり上げる

12.    それはケーキに振りかける粉砂糖で、ケーキそのものではなかった
市場に潜在する欲望に形を与える。ライフスタイルのイメージに合わせて製品やサービスをつくる

13.    どれだけ宣伝を打ったところで、失敗作をヒット作に変えることはできない
最高品質の製品を作るのだから最高の広告を求めただけで、その逆はない

14.    そういうことは競争メーカーがやることだ
ヒット製品には、ビジョンが含まれる
ノートパソコンを指向した時、パソコンで何をやるかというビジョンを持っていた ⇒ iBookに活かされている

15.    存在理由の結晶ともいえる製品だ
ジョブズは、ビジョンを最高の完成度で実現する天才 ⇒ iPodの原型はDEC社が開発、アップルの誇る驚異的なテクノロジーと、アップルの代名詞である使いやすさと、アップルの誇る素晴らしいデザイン、この3つの要素が1つになったアップルの存在理由の結晶ともいうべき製品

第2章     ジョブズ 自分の信じ方を語る――「好きだと心から思い込め」
16.    ユーザーは、どんな大革命が起きるかまでは教えてくれない
ユーザーの声は聞くが、自分のビジョンを信じて突き進む

17.    人は形に見せてもらうまで、自分は何が欲しいのかわからないものだ
世界にまだ存在しないものを実現することが莫大な得になることを知らなければならない

18.    ベルは、電話を発明する前に市場調査などしたか?
まだ世に出ていない製品について市場調査しても無意味。市場調査からは、今よりちょっといいものは生まれても、ものすごくいいものは生まれない

19.    過去ばかり振り向いていたのではダメだ。自分がこれまで何をして、これまで誰だったのかを受け止めた上で、それを捨てればいい
30歳の誕生日に、新たな創造に向けてさらなる意欲を示す

20.    数字なんてどこからでも持ってこれるし、どうにでも料理できる
マックの価格決定にあたっての言葉

21.    みずからものさしにならなければならない
自らの限界を突破して能力を高める

22.    好きだと心の底から思い込め
仕事を好きだと思わなければ、やり遂げる甲斐がない ⇒ ザッカーバーグもジョブズのこの言葉を覚えている

23.    宇宙に存在するものなら自分の手で生み出すことが出来る
幼少時の自らの体験から

24.    混乱して方向を変えれば多くの壁に衝突することになる
目指す方向を決めたら、安易に変えない

25.    僕は自分が何を求めているか知っている
自らの信じるものを優先
iMacにはフロッピーディスクドライブがついていなかったが、爆発的に売れた

26.    マッキントッシュは僕の内部にある
設計図がなくても、将来像まで見えていた

27.    僕にはライバルはいない
競合相手が何をしようが歯牙にかけないので、ライバルは存在しない。ライバルが追い付けないほどの革新を行う

28.    僕はナンバーワンになりたい
1977年株式会社設立の際に、社員番号1番を要求

29.    音楽業界の歴史的なターニングポイントになる
iPodiTunesの開発で、業界の歴史が変わる


第3章     ジョブズ イノベーションを語る――「安全は一番危険な落とし穴だ」
30.    美女にライバルがバラを10本贈ったら、君は15本贈るかい? そう思った時点で君の負けだ
改善ではなく、イノベーションを重視
大切なのは、ライバルより「ショットいいもの」をつくることではなく、世の中が思いもよらない「圧倒的にすごいもの」をつくること

31.    安全にやろうと思うのは一番危険な落とし穴なんだ
絶頂期にこそ、新製品を出す

32.    アップルが勝つためにマイクロソフトを負かさなければならないとしたら、アップルは負けることになる
闘う相手は、アップル自身だ。大切なのは、ライバルに勝つことではなく、ユーザーを喜ばせること

33.    リサは素晴らしいものを作ろうとしていたが、マックはめちゃくちゃ素晴らしいものを作ろうとしている
目指したものが同じでも、掲げる目標の高さの違いが、結果に大きな差を呼ぶ

34.    他社には絶対にまねできないレベルの革新を続ける

35.    イノベーションの出どころは、夜の10時半に新しいアイディアが浮かんだからと電話をし合ったりする社員たちだ
イノベーションは、人の頻繁な交流から生まれる

36.    研究開発費の多い少ないなど、イノベーションとは関係ない
37.    いくらかかるかなんで、どうでもいい
38.    必要な治療はコスト削減ではない。苦境から抜け出せる革新を行うことだ
39.    手始めにやったのは、ものづくりが出来る会社にもう一度戻すことだった



第4章     ジョブズ 独創の方法を語る――「いわば最初の電話を作りたい」
40.    我々は業界標準を作り出すことによって数字を達成する
41.    いわば最初の電話を作りたいのです
42.    すぐれた芸術家はまねる。偉大な芸術家は盗む
43.    アップルとは、既成概念の外で思考できる人々のことだ
44.    行く先はパックが来るポイントであって、パックがあった場所ではない
45.    実際に使ったら、元に戻れなくなる
iMacからフロッピーを取り去り、iPodからは電源のオン・オフボタンを取り去り、iPhoneからはボタンの代わりにタッチ式画面を採用。最初は違和感があっても数日で当たり前になる

46.    創造性とは、ものごとを結びつけることに過ぎない
創造は発明とは違う。発明はゼロから有を生み出すことで、それが出来る天才は滅多に出ないが、点を繋ぎ合わせる創造なら、できるだけ多くの点を持つかによって、創造性が増す

47.    いつも革新的な変化に魅了されてきた。理由は分からない。より困難だからかもしれない

48.    ハイテク製品は何年も見てきたが、ミーレほどそそられたものはない
ドイツ製のミーレという洗濯機に魅了
デザインとは、完璧な機能を窮めた美しさ

49.    マイクロソフトがどれほど儲けようと勝手だが、三流の製品しか作らない事実だけは我慢できない
50.    模倣する方が楽かもしれない。でもそんなことをしても世界はよくならない
51.    外側だけ見て「安物に色を塗りたくれば、同じものが作れる」と言うのは、全然ピントがズレてるのさ
52.    ぼんやりしていて真似されたほうがいけない
53.    2011年は「模倣品」ではなくiPad 2の年になる




第5章     ジョブズ 仕事のスキルを語る――「捨てないと前に進めない」
54.    重要事項はこれだけだ
仕事のシンプル化こそ成功の秘訣。絞り込んで核心をハッキリさせる

55.    4つで十分だ。1つひとつに三流ではなく一流のチームをあてがうことが出来る
選択と集中を極限まで推し進める

56.    フォーカスとは「ノー」と言うことである
57.    何かを捨てないと前に進めない
58.    求められているのは考え抜かれた商品だ
59.    完璧な製品を作ることにまさる完璧な戦略はない
60.    人間は創造的な存在だ。ツールを作る会社が考えもしなかったやり方でツールを使う
61.    最高の製品だから、最高の発表をしなければならない
62.    気が長くなるわけじゃない。どう質問したらいいのかが分かるようになるんだ
63.    何かを真に理解するためには、全身全霊で打ち込む必要がある
64.    オーケー、誰も助けてくれないなら自分たちでやるまでだ
65.    あっちはたくさんお金を持っている





第6章     ジョブズ プレゼンテーションを語る――「未来をつくるんだ」
66.    5%は手に入れた。あとは95%
iTunesを始める時、5%しか市場シェアがないことを逆手にとって、失敗してもダメージは限られているといって、5大レーベルを説得

67.    「これは無理だ」と38個の理由を並べた。そこで言った。「いや。これをつくるんだ」
iMacを作る時の話

68.    人生の残りの日々を、砂糖水を売って過ごすんですか。世界を変えるチャンスに賭けないんですか
69.    あなたと僕は未来をつくるんだ
70.    じっくり検討すれば、それ以上のものが欲しくなるはずです
71.    自分の会社が持てる一生に一度のチャンスだ
72.    10秒早く起動できるようにすれば、何十人もの命を救えるんだ
73.    2人を合わせるとデスクトップの100%を押さえている
74.    月曜日? 冗談だろ? 今夜中だ
75.    3か月なんて頭は持っていない。一晩で成果を上げて欲しい
76.    で、君のアイディアは?
77.    真の芸術家は出荷する
1983年 遅れているスケジュールを急がせるために掲げたスローガン

78.    言ったことが覚えられないようなら、今すぐやめろ
79.    君ができないなら誰か他の人間を探すさ
80.    やりたいのは本当にこんなことか



第7章     ジョブズ リーダーの条件を語る――「我慢することだ」
81.    多くの企業は優れた人材を抱えている。でも最終的には、それを束ねる重力のようなものが必要になる
82.    変革はトップから始めなければだめだ
83.    それがマッキントッシュの大きさだ。これ以上、大きくすることは許さない
84.    急いでできそこないを発表するより、期日を遅らせる方がましだ。しかし、予定を遅らせるつもりはない
85.    ただ数字を見るのではなく、覆いの下をのぞいて、アイディアと人間の質を評価する
86.    危うそうに見えるものがたくさんあるが、いい兆候だ
87.    また会社を賭けることにしよう
88.    100人以上の事業部を動かす気はない
89.    大木には同じくらい大きな根がある。その根を育ててきた
90.    我慢することだ
91.    乗る馬を慎重に選んできた



第8章     ジョブズ 希望の保ち方を語る――「値打ちは次回作で決まる」
92.    ものごとは、いつも望む通りに進むとは限らない
93.    とにかくベストを尽くす。できなくなるまでずっと
94.    ベストを尽くして失敗したら? ベストを尽くしたってことさ
95.    次々とことが起こる厄介な時は、自分にとって本当に大切なものは何かをよくよく考える必要がある
96.    昔を振り返るのはここでやめにしよう。大切なのは明日、何が起きるかだ
97.    問題は急激な成長ではなく、価値観の変化だ
98.    自分の居場所を自分でつくるんだ
99.    仕様に関するリストだけでなく、夢のリストの提出もお願いしたい
100. 信じなくてはいけません。信じるものを持たなければなりません
101. 我々の値打ちは次回作で決まる
102. もう、やめても何も失うものはない


第9章     ジョブズ 世界の変え方を語る――「誰のためでもない。自分のためにだ」
103. 情熱がたっぷりなければ生き残ることはできない
104. 前進し続けられたのは、自分がやることを愛していたからだ
105. 偉大な製品は、情熱的な人々からしか生まれない
106. 誰のためでもない、自分自身のためにつくったんだ
107. キャリアではない。私の人生なんだ
108. 永遠の何かをつくり出したのか?
109. お金の問題ではない。私がここにいるのはそんなことのためではない
110. 必要なのは、世界に自分のアイディアを広めたいという思いだ
111. 第一に考えるのは、世界で一番のパソコンを生み出すことだ。世界で一番大きな会社になることでも、一番の金持ちになることでもない
112. 僕たちはエンジニアじゃなくて芸術家なんだ
113. すぐれた大工はキャビネットの裏に使うからといって、質の悪い木を選んだりしない
114. ベンチャー企業にはできない規模の事業。その原動力はベンチャースピリットに他ならない
115. とてつもなく骨の折れる闘いだった。みんな、うまくいくと思ってなかった。不可能に近かったんだ
116. いつか金の壺が見つかると思っていたが、それが偽物じゃない保証はなかった
117. たいていの人ならあきらめそうな、つらい時期が何度も訪れる
118. アップルを越えて道は続く



第10章  ジョブズ チームプレーを語る――「うずうずしている人間を雇う」
119. すぐれた仕事をできないのは、たいていの場合、彼等がそう期待されていないからだ
120. 即戦力になるような人材なんて存在しない。だから育てるんだ
121. 手加減して人を扱うことではなく、人を育て上げることが私の仕事だ
122. 人材のクオリティ水準を高く保つこと、それが自分の仕事の一つだ
123. 本当に優秀な人材だけに仕事をしてほしい
124. 世界中から最も優秀な知性と、創造的な人々を集めた
125. 世界で一番いいものをつくりたくてうずうずしている人間を雇うのだ
126. アップルは他社からの難民で成り立っている。ものすごく頭がいいんだが、他社ではトラブルの種になるような連中ばかりなのさ
127. ピンチの時には身近にいる人員を総動員して、彼らを信じるんだ
128. あの技師なら、6ボルトの電池でニューヨーク市全体を明るくできる
129. 僕らは地球のあちこちに散らばって、それぞれびっくりするようなことをしているだろう


第11章  ジョブズ 生と死を語る――「旅の過程が大事だ」
130. 人は、生まれ、ほんの一瞬生き、そして死ぬんだ。ずっとそうだ
131. この地上で過ごせる時間には限りがある。本当に大事なことを本当に一所懸命できる機会は2つか3つくらいしかない
132. 旅の過程にこそ価値がある
133. 擦り傷のついたステンレスを美しいと思う。僕たちだって似たようなもんだ
134. 墓場で一番の大金持ちになっても意味はない
135. 死は生命の最も素晴らしい発明だ
136. 今日が人生最後の日だったら、今日やろうとしていることをやりたいか?
137. 大変な時期だけど、でも人生は続く。続けなきゃいけないんだ
138. 父が自分にしてくれたように、自分も子供にしてあげたい
139. 子供の頃に少し矯正してやるだけで、その後に大きな違いが出る
140. お金で買いたいものなんて、すぐに尽きてしまう
141. 25%は真実なのだ
142. 生まれというものに改めて重きを置いて考えるようになった








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