炎の中の図書館  Susan Orlean  2020.1.28.


2020.1.28.  炎の中の図書館 110万冊を焼いた大火
The Library Book          2018

著者 Susan Orlean 1955年オハイオ州クリーブランド生まれ。ジャーナリスト。ロサンゼルス在住。ミシガン大卒後、『ボストン・フェニックス』紙、『ボストン・グローブ』紙などのスタッフ・コラムニストを経て、92年より『ニューヨーカー』誌のスタッフ・ライターを務める。『蘭に魅せられた男』は《アダプテーション》として映画化

訳者 羽田詩津子 英米文学翻訳家

発行日             2019.11.20. 初版印刷             11.25. 初版発行
発行所             早川書房

アメリカ史上最悪の図書館火災の全貌とは?
本と図書館を愛する全ての人に贈るノンフィクション
出火の原因は? 放火犯として逮捕された青年は無実なのか? 傷ついた本は救えるのか? 果たして図書館は復活するのか? この火災の経過を軸に、ロサンゼルス市と図書館の歴史、巨大な「知の神殿」を取り巻く個性豊かな人々、多様化する図書館の役割と公共空間の未来までを描く
『ニューヨークタイムズ』年間ベスト・ブック選出の全米ベストセラー

1章   
59年生まれのハリー・オマー・ピークは、完璧なブロンドの長髪。87年ロサンゼルス中央図書館の火事の後、50万冊の本を燃やし、さらに70万冊以上を損傷したとして逮捕。ロサンゼルス史上最大の火事の1つであり、アメリカ史上図書館火災では最大
中央図書館は、建築家バートラム・グッドヒューによって設計、1926年にロサンゼルスのダウンタウンの中心部に開館。当時この辺りはノーマル・ヒルと呼ばれ、ハーフ・ティンバー工法のヴィクトリア朝様式の家々が肩を寄せ合うようにして斜面に立ち並んでいた
86年図書館火事のニュースは、ソ連がチェルノブイリ原発のメルトダウンを認めることによって霞んでしまう

2章   
同年1月にはスペースシャトル・チャレンジャーが爆発、7人の宇宙飛行士が死亡
火事の直前にはメキシコ中部の大地震があり、アメリカトリビアの緊迫が膠着状態に
429日 建築家のノーマン・ファイファーが老朽化した建物の改装と新たな大きな棟の増築を検討するために来館
図書館の防火対策は煙感知器と小型消火器のみで、スプリンクラーはなかった ⇒ アメリカ図書館協会ALAは水の被害の方が大きいとしてスプリンクラー設置に反対していたが、1986年からは設置勧告を始めており、火災の日も設置のために消防署と打ち合わせ中
いくつもの消防法違反を指摘されていた ⇒ 全部で20もの違反
中央図書館の主席司書エリザベス・テオマンは、司書養成学校でこの建物の問題について火災の危険と安全上の問題が随所にあると意見を述べ、そのレポートでAをもらった
始終中身が入れ替わるので、正確な在庫は不明だが、所蔵品の総額は69百万ドルと見積もられていた
11:00am少し前煙感知器が作動したが、日常茶飯事だったので、職員も利用者も整然と行動し、作業中の資料や私物はそのままにして8分で退避完了。いつも通り消防士が警報装置をリセットしようとしたができなかったため、再度館内を調べてみたら、地下から2階まで吹き抜けの保管庫の隅の発火を発見したが、既に室温は230度以上に上昇、煙が渦巻いて屋根の端から漏れ出していた
火は次々に本を巻き込み、100万冊のキャパに対し少なくとも200万冊はあると思われた本が所狭しと積まれていたこともあって次々に燃え上がっていく
館内の温度の上昇と熱気と煙で50人の消防士が病院に搬送、市の救急サービス局がそれまでに扱った出動のうちで1件で最大の負傷者
室温は1370度まで上昇、フラッシュオーバー(閉ざされた空間で何もかもが煙までもが自然発火するほど熱くなり、ありとあらゆる場所から一斉に炎が噴き出す状況)が懸念された
火勢が弱くなったのは5時間後。鎮火宣言は午後6時半で、7時間38分燃え続けた

3章   
5日たっても自然放熱で発火
水に濡れた本は48時間以内にカビが生えて修復できなくなるので、早急に70万冊を涼しいところに保管しなければならなかった。一部は食品倉庫で冷凍保存
焼け跡からの本の運び出しに2000人のボランティアが集まり、3日間作業
2日に渡る原因調査の結果は結論が出ないまま、放火という言葉が広まり始める
20代後半から30代のブロンドの髪の男」という犯人像が喧伝
チェルノブイリ後の恐怖の1週間が過ぎると、アメリカの新聞各社は図書館火災に紙面を割くようになる

4章   
ハリーの一家はミズーリからロスの東130㎞のサンジャシントに移住、父は航空宇宙産業で働くブルーカラーで、ハリーは悪餓鬼、スターを夢見てロスに出て独立するが、仕事は長続きせず、落ちこぼれの拠点になっていた宗教団体に潜り込む

5章   
著者自ら、本を燃やすことはどういうことなのか、実際に燃やしてみて、ハリーのその時の気持ちを推し量る

6章   
ハリーが図書館の利用者だったかどうかは、09年システム更新の際、貸出券所持者の情報を一部失ったため不明
中央図書館は、単なる本の保管場所に留まらず、回転するギアからできた複雑な機械ということを知る ⇒ 様々な人が様々な目的のために行き交う中央通路
ロスでは、図書館は市の管轄下にあり、図書館統括長は市の管理者で、市長によって雇われ解雇される。年間予算172百万ドルは、市の部門では中規模
ニューヨークに次いで多いホームレス(17年度6万人)対策が急務 ⇒ 1日中いることが許される数少ない場所が公共図書館で、世界中の図書館が直面する重大な問題

7章   
中央図書館の火事に対し、世界中からお見舞いの手紙が届くと同時に、原因についての情報提供を求めてくる
放火調査官によるスタッフの聴取が続行
司書の中には、劣悪な労働環境で、心身に異常をきたす者もいて、グループセラピーが実施されるが、何組もの結婚生活がその後の数か月の間に崩壊

8章   
毎月図書館には700冊以上の新しい本が届く ⇒ 頻繁に借り出される本は1年でバラバラになるのでその補充が必要だし、返却されない本も数えきれない。ホテルのスイートで本を売っていた女性を捕えると中古本販売で年に4万ドルを稼いでいたが、全て図書館から盗まれたもの
1994年からロサンゼルス公共図書館は、火事による予想外の恩恵として他の公共図書館に先立ってオンラインシステムを導入 ⇒ 新たな電子化分類を導入

9章   
本を燃やした最初の事件はBC213年 ⇒ 秦の始皇帝の焚書坑儒。自分と意見の違う歴史書を焼却し、400人以上の学者を生き埋めに
古代で最も有名な失われた図書館は、アレクサンドリア図書館だが、裏付けはなく図書館についてもほとんど何も分かっていない。BC48年シーザーの攻撃以降数回燃やされ、最後が640年で永遠に消滅
放火の誘因は金だが、図書館を燃やしても金儲けにはならず、誰かが問題だと見做す考えがそこに存在しているから ⇒ 異端審問所による焚書
ナチスドイツは破壊の標的に本を選んだ ⇒ 「ブレン・コマンド」という本を燃やす特殊部隊が派遣された
1954年、武力紛争の際の文化財の保護に関するハーグ条約締結 ⇒ 127カ国加盟
本は一種の文化的DNAで、その遺伝子コードはその社会において、私たちが何者なのか、何を知っているかを示す。ある文化における奇跡も失敗も、チャンピオンも悪漢も、伝説も思考も啓示も、すべては永遠に本の中で続いていく。そうした本を破壊することは、文化そのものがもはや存在しないと言っているようなもので、本が破壊されると、歴史は消え、過去と未来の連続性が断裂される。ある文化から本を奪うことで、そこで共有されていた記憶が奪われる。いわば夢を記憶する能力を奪うようなもの。ある文化の本を破壊することは、その文化に死よりもひどいことを宣告することに他ならない。その文化がこれまで存在しなかったと宣告するのも同然だから
平和な時代にも図書館は燃えている ⇒ アメリカでは毎年200件の図書館火災が発生。漏電、落雷など事故が原因。禁煙にしても火事は増えた。放火が最も多い
ロスに限って言えば、1982年ハリウッド分館も放火被害に遭い、犯人はいまだ不明。その後取り壊し。中央図書館も86年の大火災の後2度燃え、最初のは犯人不明

10章           
貸出期限を過ぎると超過金が課せられる
最初はホームレスが怖かったが、大半と顔なじみになり、今では彼らからエネルギーをもらえる ⇒ 自分が誰かを助ける仕事、重要な仕事をしていると感じられる

11章           
中央図書館の再開の目処は立たず。建物の損害は保険金で補償されたが、中身は対象外で、再開のための資金はない
図書館の隣に本社のあった石油会社ARCOの社長ロドリック・クックは、失われた図書館の本を買う資金集めのために設立された「本を救え」キャンペーンの共同責任者。自ら50万ドル出資、目標は1,000万ドル。資金と現物が続々と集まる。市民がばらばらで対立が起きがちなロスで、図書館への思いによって人々が1つにまとまるという珍しい現象が起きていた

12章           
ロスの最初の公共図書館は、1844年に「アミーゴ・デル・パイス」というソーシャルクラブがダンスホールに開いた読書室。当時南カリフォルニアには本があまりなく、比較的大きなコレクションはスペイン人伝道団が所有していて、一般の人々は利用できなかった
クラブが借金で潰れると読書室も閉鎖されたが、市内に図書館を所有するという関心は薄れず、1872年図書館を設立するための協会ができ、資金集めが始まる。最初に手にいれた本は『馬の飼育のヒント』『養羊業について』『金の儲け方』『蜜蜂』など
1873年、協会のメンバーから建物の提供を受け図書館オープン。男性のみの年会費制。別に婦人閲覧室が追加された
20世紀になるまで、一般大衆は公共図書館の価値をあまり評価せず、多くの公共図書館が会費をとった ⇒ 1890年カーネギーが子供時代貧困から図書館の会費2ドルが払えなかったときの失望が忘れられず、図書館建築プロジェクトに乗り出し、慈善活動の主な寄付先の1つとして図書館を選ぶ。最終的に1400のコミュニティに1700近い図書館を建て、ロスにも6つ資金提供している
カーネギーのプロジェクトもあって、全米に図書館が急増、司書の需要も増え、女性進出が目立つ。ロスは1880年から女性統括長を抜擢

13章           
ロスの新しい統括長が公共図書館を永遠に変えた。より変化に富んだ、以前よりもずっと洗練したものにする。蔵書を増やし、利用しやすくし、より高尚なものにした

14章           
2次大戦中、軍事地図室があって正式な軍事地図や図表を保管する場所となっていて現在は閉鎖されているが、図書館は国内の5大地図コレクションの1つに数えられている ⇒ 2012年、フェザーズ地図コレクションという個人の蒐集家が集めた膨大な資料の提供を受ける

15章           
市の放火調査は、3万ドルの報奨金がかけられたが、確たる情報は得られず
職員証を持っていない人が、スタッフ以外は入れないところで目撃され、中肉中背でブロンドの髪をオールバックにしたということだけだったが、モンタージュ写真が作られた
ハリーが友人に電話してきて、火事当日現場にいたことを興奮気味に喋った後、その晩酔っぱらって友人たちに自分が火を点けたとまで自慢げに話したというが、友人たちはいつものホラ話だとして相手にしなかった
放火調査官の1人にモンタージュ写真の男を見たとの情報が入り、その男がサンタ・モニカの消防署に応募して試験に落ちたというのを聞いて、ハリーを監視することを決定
消防士の放火犯というのは、毎年およそ100人逮捕されていて、消防業界では根深い厄介な問題になっていたので、ハリーの行動にピンとくるものがあった
調査官はハリーを尋問し、当日図書館にいたことは自白したが、話には矛盾が多過ぎた

16章           
1903年の石油の発見とともに南カリフォルニアでの石油産業が噴き出て国内の産業を牽引するようになると、ロサンゼルス市内は活気があり繁栄し急速に成長したが、まばゆく輝くハリウッドも一皮めくればドラッグやアルコールの依存症、セックススキャンダル、殺人が蔓延する
多くの人々が何も持たずにロスに来て、ありとあらゆることを期待し、必死になった。図書館はそうした新参者を惹きつけた。本の貸し出し数は2倍、3倍になり、21年には300万冊以上の本が貸し出される。平均的な日は図書館のドアを1万人が通り抜けた。砂漠から魔法のように出現したこの新しい土地では、自己改革と再発見が大流行となり、図書館はその流行の一部で、新たな自分を作るための道具を提供してくれると期待された
図書館の再建の設計を担当したのは、ニューヨークの建築家で、サンディエゴのパナマ=カリフォルニア博覧会でスペイン植民地復興様式の建物群をデザインし、その後南加とその周辺で流行させた人物としてカリフォルニアでも名を馳せていたグッドヒューだったが、24年心臓発作で急逝

17章           
図書館には識字センターが設置され、英語のノンネイティヴ・スピーカーを対象に識字クラスが大勢のボランティアの力を借りて開かれている

18章           
グッドヒューの逝去後、同僚のウィンスローが引き継いで、25年史としては最大規模のコンクリート工事により土台が設置され、26年完成し7月オープン
3年後の大恐慌の際は、図書館は慰め。悲惨な時代に人々が一緒にいられる場所を提供
2次大戦参戦で、図書館も対応策がとられる ⇒ 夜間の開館には窓に暗幕を下げ、応急処置講座を開き戦争債を売り、防衛情報デスクを新設して政府の情報パンフレットを配布。特に膨大な国際的な科学資料コレクションは、西海岸でも貴重なもので、陸海軍が同盟国側が何を武器庫に所有しているかを理解しようとして頻繁に利用
戦後のロスは、続々と帰還する兵士の受け入れで急激に発展拡大していく
図書館は、技術革新を活用、マイクロフィルムを使って貸し出される本の写真を撮影する「写真貸出」という貸出システムを導入
68年からはティーンエイジャー向けの部門も創設されたが、図書館の利用促進のためのイベントが企画されたが、ほどなくティーンの生活における最も深刻な問題に取って代わられ、ティーン部門はセクシュアリティ、自殺、薬物中毒、ギャング、家出といったプログラムを扱うようになった

19章           
2000年、「ティーン・スケープ」開設。担当司書は来訪者の非公式アドバイス係でもあり、親代わりでもあった

20章           
1966年、中央図書館では司書がワークルームで使っていたコーヒーメーカーが、配電に負荷がかかりすぎるとして禁止、脆弱な電気システムが原因で、保管庫でも薄暗いままで棚の本を見つけるのはほぼ不可能であり、懐中電灯や鉱山用ヘルメットが必需品
建物の劣化も進み、不具合や傷みが出る。基礎構造部分が不安定で溢れる蔵書を支えきれなくなりつつあった。エアコンのない室内は35度になったら閉館
白人人口がサンフランシスコとイースト・ヴァレーに流出し、アフリカ系アメリカ人が市の中心部の荒廃した地区に取り残され、白人居住区が存続するよう必死の努力が続けられる。64年には快適な白人ロサンゼルスと、悲観的で貧困に喘ぐ黒人ロサンゼルスに分割され、図書館までが人種的敵意のぶちまけられる場所になる
65年、ワッツ事件勃発もあって、66年には図書館の郊外への新築移転の勧告
利用者に忠誠を尽くすために必要不可欠なのは、優秀なカンファレンスデスクで、中央図書館のレファレンス部門の南カリフォルニア回答ネットワークは全国でも人気を博す

21章           
火災捜査がハリーに絞られるが、供述が都度変わり、宣誓も効果なく、6か月後に漸く承諾した嘘発見器の結果も胡麻化そうとしているというのみ
ハリーの運転免許証の写真を見て、スタッフ8人の目撃者が強い反応を示したので、放火調査チームは彼が放火したに違いないと確信。872月逮捕。捜査官は72時間の勾留期間中の自白を祈るが矛盾した話ばかり。保釈金25万ドルは払えるはずもない

22章           
レファレンス部門「インフォ・ナウ」の月曜の朝は、雑音をかき消す耳障りな電子音で電話が1日中鳴り続け、会話を聞いているだけで脳がぐったりと疲れる

23章           
図書館を改装するか建て直すかの綱引きは15年続いた
69年、ダウンタウンを歩いて通勤することが危険になってきたので、司書たちは駐車場施設を求めて運動
71年冬、マグニチュード6.7の地震で、図書館も激しく揺れ、損傷を修復するための緊急予算を要請

24章           
中央図書館のコンピュータ・センターには55台のデスクトップが並び、いつも満席
警備員の仕事も、巡回していると毎日何らかのトラブルがあちこちで起こっている

25章           
73年、中央図書館の仕事環境が危険という陳情書が管理局に送られ、消防署は建物内に26か所の消防法違反があると指摘
市内で最も成功した不動産開発業者が図書館に目をつけ、本当に市の中心部と感じられるようにダウンタウンを開発したいと願い、ARCOとともにグッドヒュー・ビルを保存し修復するという考えを支持。60年代初めにシカゴで先例のできた空中権の売却による資金調達を考え、8年かけて交渉をまとめ、86年には権利の委譲が認められ計画が前進
開発業者が空中権を2,820万ドルで購入し、図書館の向かいに2棟の高層ビルを建てる
図書館は建築家のノーマン・ファイファーが元の建物を修復し、現在の2倍以上ある新しい棟をデザイン。収蔵能力も倍増
地下の空間と空中権の売却で総コストの2/3を捻出。残りについてフィリップ・モリスが寄付を申し出たが、公共図書館が煙草によって支援されるのは外聞が悪いということになって頓挫

26章           
ハリーは、以前使い走りをしたことのある刑事事件弁護人に放火事件の代理人をしてほしいと連絡。弁護士は、図書館火災に関連してハリーの名前が出てきたので驚愕したが、市が彼だという確証を握っていないことを知っていたので弁護を引き受ける ⇒ 弁護料は取れないが世間の大きな注目を集める案件=フラン・ボノ(華々しいflamboyant上に、無料pro bono)
ハリーは3日間勾留され釈放。俳優志願だけにカメラを向けられると反射的に笑顔になっているところを報道され、罪を犯しながら逃げおおせたと言わんばかりに図々しくて恥知らずだというレッテルを貼られる
担当の地方検事補も、ハリーは証拠不十分で現時点での刑事告発は見送ると発表
釈放後も捜査は全く進まず
逆にハリーが新たな代理人を雇って、市から受けた不当な扱いに対し誤認逮捕による名誉棄損と損害賠償を訴え、賠償額は15百万ドル、放火調査官に5百万ドル
市側も法務官が民事訴訟でハリーを提訴、2,360万ドルを請求

27章           
2年間冷凍されてから本は解凍、乾燥させ燻蒸消毒、分類、修理、装丁し直される
ロス郊外に支社のあるマクドネル・ダグラスが20万冊の乾燥を申し出
88年、建物の修復開始

28章           
図書館には考えもつかないようなものがたくさんある ⇒ その1つがレストランのメニューのコレクション。194156年ロスで繁盛した大人向けの操り人形劇場ターンアバウト劇場で使われていた衣装、小道具、操り人形など、映画のポスターのコレクション、演奏用の楽譜、特に2000点以上のオーケストラの総譜は貴重で、高価なだけに小さな楽団にとっては借りられるのはありがたい。ただ、音楽コレクションを借りた何人かは、延滞金を12,000ドルも貯めたことがあり、返却期限を覚えておけない人種なので要注意

29章           
ハリーと市の裁判は両方の訴訟が合体審理となる
92年の火災の調査方法についての最初の科学的なレポートが出版され、放火という推定の多くが誤りであることを暴露 ⇒ 偶発的な火災原因がすべて消去されたら、放火だという証拠がなくても放火だと推測する(=「否定的死体」の法原理)
全国防火協会のレポートは、出火場所を誤解する危険性を強調 ⇒ 出火場所の特定はほぼ不可能

30章           
本と思想を共有できる公共の場を作りたい、それを人間はずっと願い続けてきた
最初の移動図書館の記録は1905年。メリーランド州で、馬が引く図書館馬車登場
「オーバードライブ」は、1986年に設立された図書館と学校のための世界最大のデジタル・コンテンツ・カタログで、電子メディアの巨大なコレクションを提供 ⇒ 03年に電子書籍を貸し出すという概念を発明。本の貸し出しの未来かもしれないが、図書館の未来とは異なる。図書館はコミュニティに所属する物理的なスペースで、私たちは情報をシェアするためにそこに集まる。町の広場のような存在になるかもしれない

31章           
91年、図書館復活の日が具体的に見えてきた
市とハリーとの訴訟は進展せず、混迷の度を深める ⇒ ハリーが頻繁に証言を変えるため関係者が振り回されたが、ハリーにエイズ感染の兆候が現れ、市側が和解に応じて35千円ドル払い、ハリーの有責性に決着がつく
ハリーは、晩年を新たに見つけた同性愛者と共に過ごし、93年エイズの合併症により死去

32章           
パサデナのローズボール・パレードにはロサンゼルス公共図書館も毎年山車を出す
93年、図書館は華々しく再開
放火事件の結末は明確にならないまま抹消





出版元紹介
図書館の過去・現在・未来を想うノンフィクション。『炎の中の図書館 110万冊を焼いた大火』
1986年にロサンゼルスで発生し、200万冊の蔵書のうち40万冊が焼け、70万冊が損傷した全米最大の図書館火災の顛末を軸に、放火犯として逮捕された男の半生、図書館の歴史、公共空間としての図書館の役割、そして図書館という存在の未来への展望までをつづった、『炎の中の図書館 110万冊を焼いた大火』。著者は、映画「アダプテーション」原案の『蘭に魅せられた男驚くべき蘭コレクターの世界』の著者でもある、スーザン・オーリアン。図書館に親しんで育った彼女ならではの、図書館と本へのラブレターのようなノンフィクションです。

翻訳者の羽田詩津子さんによるあとがきで、本作の魅力にぜひ触れてみてください。
訳者あとがき               羽田 詩津子
 薄曇りの五月、わたしはロサンゼルスのダウンタウンのホテルを出ると、中央図書館めざしてフィゲロア通りを歩きはじめた。人気(ひとけ)がない街のところどころに驚くほど超高層の近未来的なビルがそびえていて、しばし足を止めて仰ぎ見る。そのとき、右手に美しいモザイク造りの塔が忽然と現れた。異国情緒が漂う豊かな色彩をまとったその塔は息を呑むほど美しい。周囲に建ち並ぶ、無機質でどこか荒涼とした感じのする超高層ビルの谷間で、そこだけゆったりした暖かい空気が流れているようにすら感じられた。それがめざすロサンゼルス中央図書館だった。
 ロサンゼルス中央図書館は1926年、当時の人気建築家バートラム・グッドヒューの設計によって建てられた。しかし、1986429日の火事で焼け、修復と増築をほどこされて再び開館したのは199310月だった。本書『炎の中の図書館』は、その火事の謎と、容疑者として逮捕されたものの釈放され、結局、不起訴になったハリー・ピークという青年の人物像を軸に、ロサンゼルス公共図書館の歴史を遡り、そこに生きた人々の姿を描きだした。さらに現在の図書館のあり方を考察する本にもなっている。

画像1
(右が中央図書館。左はビルトモア・タワー)

 ロサンゼルスで初めて設立された公共図書館は、1844年、〈アミーゴ・デル・パイス〉というソーシャルクラブがダンスホールに開いた読書室だった。その後、1873年に個人所有のスペースを提供してもらって図書館が開館した。ただし当時は平均的労働者の数日分の賃金に相当する会費をとっていたので、裕福な人々しか図書館に登録できなかった。1889年に進歩的な女性テッサ・ケルソが図書館統括長に就任してから、会費は廃止され、登録者は2万人に激増し、もっと広いスペースのある市庁舎に移転した。
 1905年、女性図書館統括長のメアリ・ジョーンズが追いだされるような形で新しい図書館統括長の地位についたのは、ジャーナリストで詩人で編集者で歴史家で冒険家として有名だったチャールズ・ラミスだった。ラミスはしきたりに縛られず自由奔放に生きる型破りな男だったが、ロサンゼルス図書館統括長の仕事には熱心に取り組み、現代の図書館の枠組みを築いた。ラミスの奇人変人ぶり、数奇な人生について、作者のスーザン・オーリアンはかなりの紙数を割いて綿密に描写している。これまでのオーリアンの著書『蘭に魅せられた男』と『リンチンチン物語──映画スターになった犬』(ともに早川書房刊)に登場した主人公たちも、個性的で、破綻した人生を送った変わり者だった。本書に登場するラミスも、前二作の主人公と同じく、信念を曲げず、自分の情熱のために我が道を突き進んでいく。全員に共通するのは、とことん変わり者だが、抗えない魅力の持ち主であることだ。本書を訳しながら、誰が何と言おうとも信じる道を邁進していく強烈な個性の持ち主にオーリアンは惹かれるのだ、ということを改めて強く感じた。
そして、本書の本来の主人公であるハリー・ピークもまた、ラミスとはちがった意味で個性的な人間だ。小さな町で生まれ育ち、学校の人気者だったイケメンの若者。俳優になろうとしてあこがれのハリウッドに引っ越すものの、鳴かず飛ばず。得意なのはほら話や些細な嘘。それでもハリーはみんなに愛された。そんなハリーが当時、何を考え、何をめざし、いかに生きていたかを、オーリアンはハリーの足跡をたどりながら探っていく。そして、本当にハリーは図書館に火をつけたのか、つけたとしたら動機は何なのかを突き止めようとする。しかし、ハリーが犯人か否か、結論は出ていない。判断は読者に委ねられているのだ。
 前2作と同じく、本書も丹念な取材により、登場人物が生き生きと描かれ、火事の顛末はもちろん、ラミスをはじめその他の登場人物のエピソードが抜群におもしろい。図書館を舞台にした刺激的で知的な世界を存分に堪能していただきたい。
 オーリアンが本書を書こうと思い立ったのは、息子の学校の課題につきあい、近所の図書館に行ったことがきっかけだった。「わたしは図書館で大きくなった」と言うオーリアンは「図書館への訪問はうっとりするような心安らぐ幕間劇(まくあいげき)で、いつも到着したときよりも気持ちが豊かになって帰っていく気がした」と語っている。帰りの車内ではやはり本好きの母親とどの本から読むかについて相談し、わくわくするひとときを過ごした。何十年か後、息子といっしょに図書館を訪問したことによって、子供時代に母親といっしょに図書館を訪れた記憶が呼び起こされ、「幼い日に図書館がわたしにかけた魔法が甦った」そんなとき、たまたま図書館財団の人と知り合い、ロサンゼルス中央図書館を案内してもらった折に、1986年の火事のことを知り、興味を惹かれ、本を書こうという意欲がわいてきたのだった。
 いくつもの偶然が重なって、オーリアンはロサンゼルス図書館の火事と、図書館の歴史、図書館の人々の世界にのめりこんでいく。そこにはもうひとつプライベートな理由もあった。子供時代に図書館という魅力的な世界への扉を開いてくれた母親の存在だ。オーリアンの母親はこの頃、認知症によってすべての記憶を失いかけていた。「母を訪ねるたびに、母の記憶は少しずつ消えていった。そして周囲から孤立して自分の物思いにぼんやりと浸っているか、記憶が欠けた部分に広がるやわらかな暗闇で過ごすようになった。だから、わたしは二人分の思い出を抱えているのだった」そして母と過ごした「いくつもの午後を必死に保存しようとして」本書を書いたのだと言う。「ページに書きつければ記憶を時の腐食作用から守れる」と自分に信じこませようとオーリアンは必死にあがくのだ。
 書かれた文字、そして本には、その人の人生が保存され、それによって過去から未来へと続いていく歴史の一部になれるとオーリアンは言う。「わたしたちの精神と魂は、経験と感情によって刻まれた本を内包している」から、人の意識は「人生の個人的な図書館」なのだと。セネガルでは人が亡くなったときに「図書館が燃えた」と表現するというが、実にうまい言い回しだ。「図書館では時間がせき止められている。ただ止まっているのではなく、蓄えられている。図書館は物語と、それを探しに来る人々の貯蔵庫なのだ。そこでは永遠を垣間見られる。だから図書館では永遠に生きることができるのだ」というフレーズに、オーリアンの図書館についての考えが凝縮していると思う。
 永遠を垣間見られるという本書の図書館を自分の目で確かめ、歩いてみようと、翻訳にとりかかる前に、冒頭のようにわたしはロサンゼルスに行き、中央図書館を訪れた。火事で焼けたという壁画は見事に修復され、アメリカの歴史が描かれたその壁画に囲まれた美しい大広間では、まさに時が停止しているかのような感覚を味わえた。かたや増築された新しいトム・ブラッドリー棟は四階分の大胆な吹き抜けによって、のびやかな空間が広がっていた。天井からぶらさがる自然、科学、芸術を表現するポップな巨大シャンデリアには目を奪われた。また、たくさんのホームレスの人々とすれちがった。掲載した写真のうち一枚はホームレスの人々がひとつのテーブルにすわっている光景だ。何をするでもなく静かに過ごしていて、周囲に迷惑をかけているわけでもなかったが、そこだけ空気が重苦しくなっている気がするのは否めなかった。本書でたびたび記されているように、図書館はホームレス問題を避けては通れなくなっている。日本でも、いずれそうなるかもしれない。
 実は本書にとりかかるまで、本を書くのはもうたくさん、と感じ、執筆の気力を失っていたというオーリアンだが、こうして読者を魅了する本を世に送りだしてくれた。本書をきっかけに、またいいテーマに巡り会い、取材を重ね、今後もすばらしい本を書いてくれることを期待したい。




炎の中の図書館 110万冊を焼いた大火 [著]スーザン・オーリアン
2020.1.18. 朝日 書評
 1986429日、ロサンゼルスの中央図書館が大火災に見舞われた。40万冊が焼失、70万冊が煙や水で損傷し、マイクロフィルムや写真も失われた。放火犯と疑われたのは俳優志望の青年。虚言癖のある彼の供述は二転三転するが、証拠不十分で刑事告発は見送られた。本書はこの惨事を緒とする図書館の物語だ。
 19世紀半ばに起源を持つロサンゼルスの公共図書館は、西部の一風変わった社会に育まれた。何より個性豊かなのは歴代の統括長たちだ。オハイオからカリフォルニアまで徒歩でやってきた詩人で冒険家のチャールズ・ラミス。不当な解雇に抵抗し「図書館大戦争」を繰り広げたメアリ・ジョーンズ。早くから女性が活躍したのも西部の特徴だ。
 目指される図書館像も独特だ。エンターテインメントと教育の中心たるべきとの考えもあれば、エセ科学本の駆逐に情熱を傾けながら、すべての人々に開かれた図書館を目標としたラミスのような人物もいた。因習を打破し、社会を変革する熱意が活力となる。
 独自性は、「人文主義の大聖堂」を夢見た建築家グッドヒューによる建物にもあらわれた。1926年に完成した中央図書館は、古典的だがどこか異国風。ジャズとエジプトを合体させた雰囲気を持っていた。
 それから90年。今日の中央図書館は、ホームレスを支援し、識字センターを運営し、公民権について学ぶコミュニティーセンターの役割を果たしている。それはまた、人々の潜在能力を引き出す場でもある。驚異的な地図の知識を持つ自閉症の若者に、地図コレクションの索引づくりを任せているのがその一例だ。
 だからこそ、93年の図書館再開の場面が感動を誘うのだろう。乾燥され、燻蒸され、修理されて棚に戻された本たち。オープニングセレモニーに出向いた5万の人々。そう、これは無限の包容力を持つ図書館と、そこに集う個性溢れる人間への賛歌なのである。
Susan Orlean 1955年生まれ。米ニューヨーカー誌スタッフライター。著書に『蘭に魅せられた男』など。
西崎文子(にしざきふみこ)東京大学教授=アメリカ政治外交史。 1959年生まれ。著書に『アメリカ冷戦政策と国連 1945-1950』『アメリカ外交とは何か』など。


炎の中の図書館 スーザン・オーリアン著 大事故起点に歴史ひもとく
2020/1/18付 日本経済新聞
1986429日午前11時少し前、ロサンゼルス中央図書館で大火災が発生した。火は午後6時半に鎮火するまで7時間38分のあいだ燃え続け、40万冊の本が焼き尽くされ、70万冊の本が煙や水で損傷した。本書はアメリカの公共図書館史上最悪となったこの大火災を入念に描く。
著者は55年生まれ。ノンフィクションを多数発表。
ただし、単に大事故の様子や復旧の過程を時系列で紹介する本ではない。大火災とその後の経緯、ロサンゼルス中央図書館の歴史、図書館における日常業務という3本の軸から本書は成っており、それぞれの軸が全32章で入れ替わり現れる。そのためエピソードが小気味よく変化し、読み手を飽きさせない。
また、3本の軸それぞれに興味をそそる題材が多数仕込まれているのも飽きない理由だろう。まず第1の軸で驚いたのは、水に濡れた本の取り扱いだ。濡れた本を48時間以上放置するとカビが生えて使い物にならなくなる。そのため70万冊もの本を冷凍保存し、2年後に特殊技術で解凍して修復したのだという。
この第1軸には、放火実行犯と目されたハリー・ピークの生い立ちや逮捕、保釈、訴訟の経緯というもう一つの基調がある。その顛末は31章までわからず、最後にどんでん返しが待ち受けている。
2本目の軸では、図書館が持つ意外な歴史が読み手を引きつける。例えば米国の図書館は、59年まで白人しか利用できなかったという事実もその一つだ。これにはアメリカにおける黒人差別の歴史を改めて認識させられた。
最後の第3軸では、現在の図書館が、ホームレスにとって日中過ごせる憩いの場になっている現実を目の当たりにする。誰にも無料で開かれている公共図書館が、彼らにどの程度のサービスを提供するのかは、今やどの図書館にとっても大きな問題だという。
電子書籍による本の貸し出しがその未来だとすると、物理的スペースとしての図書館は「町の広場のような存在になるのかもしれない」と著者は言う。幼い頃から週に23回図書館に通ったという著者の眼差しはあくまでも優しい。その優しさに押されるように、私も久し振りに図書館へ足を運びたくなってしまった。
《評》ノンフィクション作家 中野 明


カレントアウェアネス No.176 1994.04.20
カレントアウェアネス・ポータルは、図書館界、図書館情報学に関する最新の情報をお知らせする、国立国会図書館のサイトです。
CA934 - ロサンゼルス公共図書館中央館の改修なる / 清水悦子
暴動や自然災害に打ちのめされてきたロサンゼルス市で,多くの人が「希望のしるし」と認める出来事があった。1993103日,ロサンゼルス公共図書館中央館(LAPLC)が修復・拡張されて再オープンしたのである。古かった施設を新しく広くし,かつ1986年の放火によるダメージから立直るのに要した費用は21390万ドル。その調達にはロサンゼルス図書館財団や図書館コミッショナーズ理事会(会長は映画作家――話題作“Dave”などを書いた――ゲーリー・ロス(Gary Ross))が力を発揮した。
復興の経緯
1981年,LAPLCは古くなった施設の改修計画に着手した。開架スペースの不足,エアコンや駐車場の不備に加え,火災防止システムの欠陥が主な理由であった。1986年,2度の放火による火事で,計画は中断してしまった。この時約40万冊の本が灰となり,焼け残った75万冊は,急速冷凍処理を施されまたは倉庫に保存された。この作業はボランティアの協力によって,きわめて短時間のうちに完了した(CA446CA524参照)。1988年,計画は再び動きだし,施設拡張工事の起工記念行事が行われた。1989年には,1986年に冷凍処理された蔵書が,最新の技術を用いて解凍・乾燥され,仮設の図書館に戻った。5月にはこれらの本が一般の利用に供された。19924月のロス暴動では,幸いにもLAPLC は襲撃を免れている(CA830参照)。1993年,仮設の図書館から新しい建物へ本の移動が始まった。同時に,全蔵書にオンライン目録・貸出システムのためのバーコードが付与された。そして103日,再オープンの運びとなったのである。
開館記念行事
開館の前夜,図書館の復興に貢献した市の名士らが出席して,参加費500ドルのディナーパーティーが催された。有名人も多く集まり,口々に図書館を賞賛した。作家レイ・ブラッドベリ(Ray Bradbury)は,LAPLCが「私の大学」であると述べ,振付師のデビー・アレン(Debbie Allen)は,館長のマーチネズ(Elizabeth Martinez)を「私のヒーロー」と呼んだ。リヨーダン(Richard Riordan)市長は,「図書館の質を見ればその市の質が分かるものだが,ロサンゼルスは最高の図書館を持っている」と胸を張った。彼は図書館の予算を今後増やしていくと約束したし,このパーティーでLAPLC50万ドルの収益を得た。
開館当日,8万人の市民が記念行事に参加した。様々なアトラクションが繰り広げられ,利用カードは1日で1万枚以上も発行された。
新しい施設
修復・拡張された中央館が備える主な施設は,次のとおりである。
グッドヒュー(Goodhue)館
復興に尽力した実業家クック(Lodwick M.Cook)の名を冠した丸天井の大広間,KLOSおはなし劇場,復元された壮大な壁画,広々とした開架スペースを持つ本館
トム・ブラッドレー(Tom Bradley)棟
主題図書室と講堂に至るアトリウムを経て主題図書室と講堂に至る
OPACと自動図書搬送システム
保安設備,900台以上収容の地下駐車場
ロバート・ F. ・マグアイア3世(Robert F.Maguire)庭園とカフェ
これらの施設を備えた新しいLAPLCは,ロサンゼルス市の誇りとなり,最も注目を集める建物となって,貴重な文化・情報・娯楽の源となるだろう。
ところでロサンゼルス市は今年117日,マグニチュード6.6の大地震に見舞われたが,幸いこの新しい中央館は,市の中央部に近い約40の分館(分館は全部で68)と同様にほとんど被害がなく,数日中にサービスを再開した。


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