クラシック作曲家大全  ジョン・バロウズ  2016.9.11.

2016.9.11. クラシック作曲家大全
The Complete Classical Music Guide 2012

原書監修 ジョン・バロウズ 音楽プロモーター
協力 チャールズ・ウィッフェン

日本語版監修 芳野靖夫 広島大卒。藝大大学院修了。西独デトモルト音楽大留学。武蔵野音大、フェリス大音楽学部にて後進を指導。フェリス大音楽学部長を経て名誉教授。1000を超える公演にソリストとして共演

訳者 松村哲哉

発行日:2013.10.10. 初版第1刷発行

発行所:日東書院


²  クラシック音楽とは何か
²  クラシック音楽の基礎知識
音の高さ(Hz)  人間が耳で聞くことのできる音の範囲は1620ヘルツ(1秒間の振動数)から20,000ヘルツ。パイプオルガンの最低音が約20ヘルツ、ピッコロの最高音が4,176ヘルツ。大人の合唱団では大体64ヘルツ(バス)から1,500ヘルツ(ソプラノ)
標準ピッチ  ラ(A)=440ヘルツを標準としていたが、現在ではより高い音を標準としている場合もある
音名  英語圏ではAからGまでの7文字を割り当てる。弦の長さの整数倍がピアノの1オクターヴに相当。(黒鍵)を入れると1オクターヴには12の音がある
音程  2つの音の隔たり
和音  伝統的な調性音楽では、フレーズの最後に終止形が現れる
リズムとテンポ
拍子  拍のまとめ方に応じて決まる。クラシック音楽の多くは2拍子系か3拍子系。1小節に基準となる音符がいくつ入るかによって決まる
音階と調性  古代ギリシャの考え方を元に中世になって「施法」に発展、16世紀に音階として音楽の基本となる。伝統的に長調は前向きで、時には喜ばしく、勝ち誇ったような感情と結び付けられる。短調は、一般的に暗い雰囲気を持ち、もの悲しい、あるいは悲劇的な場面で使われる
形式  音楽作品が作られる基になる一定の枠組みのこと。基本的な形式には「2部形式(A,Bの繰り返し)」と「3部形式(A,B and A)」がある
デュナーミク  音の強弱を変化させて音楽に表情をつけること。相対的なもの

²  クラシック音楽で使われる楽器
今日のオーケストラのルーツは、16世紀の「コンソート」と17世紀の様々な楽団
18世紀に入り、人気ある作品がヨーロッパ中で演奏されるようになるにつれ、オーケストラの編成などが標準化されるようになった。その結果、弦楽器群に2本のオーボエとファゴットを加えたものが標準的な編成となり、場合によってこれにホルン、フルート、トランペット(いずれも2本づつ)、ティンパニが加わった。クラリネットが加わるのは18紀末
19世紀に入ると大規模なホールでのコンサートが多くなり、より大きな音量を出す楽器とより大きなオーケストラが必要となる。楽器の構造が変化し、木管楽器のキーに変更が加えられ、金管楽器にヴァルヴが導入され、弦楽器はよりしっかりした音が出るように手が加えられた。木管楽器にはピッコロやイングリッシュ・ホルン、バス・クラリネットなど、楽器の種類としては同じだがより小さい、あるいは大きい楽器が加わり、金管楽器には最低音を担当する楽器として、トロンボーンやテューバが加わる
20世紀には様々な打楽器が加わる

初期の楽器
l  弦楽器  ヴィオール属の楽器(「ヴィオール」はイタリア語では「ヴィオラ・ダ・ガンバ」)67本の弦を持ち、指板にはフレットがついていた。ヴィオラ・ダモーレ等の小型のヴィオールには駒を貫いて指板の下を通る共鳴弦がついている。リュートは右手で弦をはじいて演奏する楽器で、通奏低音に用いられたり、歌の伴奏に使われる、ハーディ・ガーディはハンドルのついた回転盤で弦をこすって演奏する楽器で、弦をおさえるための小さなキーボードがついている
l  鍵盤楽器  チェンバロは曲に輝かしい響きとリズムを加えるため、通奏低音用の楽器として初期の楽器アンサンブルで使われ、弦をはじいて音を出す。ヴァージナルとスピネットは同じように弦をはじいて音を出すが、クラヴィコードはタンジェントと呼ばれる金属片の板が弦を叩いて音を出す。オルガンには、異なる素材を用いた様々な形態のパイプが附属、空気柱の振動で音を出したり、リードを使って音を出したり、多彩な音色を作り出す仕組みがある
l  金管楽器  コルネット(高音楽器)、セルパン(低音楽器)、トランペットやホルンはヴァルヴやキーのないナチュラルで、基本調を変える時は「クルック」と呼ばれる替え管を使用
l  木管楽器  木や骨で作られ、管長を変えるための指孔がいくつか開けられており、それを指で塞いで音の高さを変えることができた。1317世紀に人気のあった楽器がショーム。ダブル・リード楽器のクルムホルンは1617世紀が全盛。リコーダーは吹き口に「フィップル」という木片のついた縦笛

弦楽器
l  ヴァイオリン  4本の弦が5度間隔に調弦。最初に使われたのは16世紀初頭のイタリア。1550年頃からクレモナとブレッシアがヴァイオリン製作の中心地
l  ヴィオラ  ヴァイオリンより5度低く調弦され、より暗く、豊かな音色を持つ。16世紀初頭以降アルトだけでなくテノールの楽器としても用いられ、現在のような役割に定着したのは18世紀に入ってから
l  チェロ  ヴィオラより1オクターヴ低く調弦され、技巧的なパッセージを弾きこなすことができる。16世紀初頭に登場、クレモナのヴァイオリン製作者の多くが手掛ける
l  コントラバス  ヴィオール(ガンバ)属の楽器だがヴァイオリン属の最低音部を受け持つ楽器として用いられる。弓の持ち方は、ヴァイオリンと同じフランス式と、ヴィオールと同じ手の甲を下にして持つドイツ式の2通りがある。初期には6本の弦や、18世紀には3本の弦もあったが、現在は45
l  ハープ  現代のオーケストラで使用されるハープは47本の弦と7つのペダルがついている。1819世紀にかけてパリやロンドンの製作者によって考案された
木管楽器
l  シングル・リードの木管楽器  葦などの植物の茎で作られたリードを下唇に当てて音を出す。クラリネットは18世紀初頭に発明され、19世紀にキー・システムが発達
l  ダブル・リードの木管楽器  オーボエはしばしば重要なメロディーがあてがわれるが、きちんとした音を出すにはかなり激しく息を吹き込む必要がある。木管楽器のテノールの音域を担当するのがイングリッシュ・ホルンで、朗々とした響きゆえに独奏楽器として人気。ファゴットは途中で折れ曲がった形をしているが、多様な用途がありテノールとバスの音域を担当。大型のコントラファゴットは木管楽器の最低音部を担当
l  フルート  アンブシュール(吹口)から吹き込んだ息が管内の空気を振動させる。通常は木管楽器の最高音を担当。ピッコロの音は、全オーケストラ中最高。管に直接指孔の開いているモダン・フルートのキー・システムは19世紀にその原型が作られた
金管楽器
l  ホルン  モダン・ホルンは34つのロータリー・ヴァルヴを持ち、左手でこれを操作、右手はベルの内側に入れて音を調整する。基本調がへ調のもの(シングル・ホルン)と、へ調と変ロ調を切り替えられるもの(ダブル・ホルン)がある
l  トランペット  3つのヴァルヴがあり、それぞれ音程を半音、全音、短3度下げる機能を持つ。高音域や低音域を吹きやすくするため、様々なサイズ(ハ調管、ニ調管、変ロ調管が普通)の楽器が使われる。いろいろな形状のミュートをベルに差し込んで音色を変えることができる
l  テューバ  金管セクションのバスを担当。オーケストラで使われるのはベルが上向きで、36つのヴァルヴがある。1830年代のドイツで発達
l  トロンボーン  2重管のスライド部を使って管長を変える。スライド操作には7つのポジションがあり、半音づつ音の高さが変わる。楽器のサイズはソプラノからコントラバスまであるが、オーケストラでよく使用されるのはテノールとバス
打楽器と鍵盤楽器
l  膜鳴楽器=太鼓類  チューニング・ボルトやペダル(ティンパニ)を使い、ヘッド=膜面の張力を加減して調律。オーケストラに加わったのは17世紀後半で、当初はトランペットとともに用いられた
l  体鳴楽器  シンバル、タンブリン、トライアングル等。発祥が中国やトルコのものがあり、オーケストラに加えられるようになったのは19世紀以降
l  調律可能な体鳴楽器  グロッケンシュピール(鉄琴)とシロフォン(木琴)は、半音階に調律した一連の鉄()製の音板をマレットと呼ばれるバチで叩く。オーケストラ・チャイムは教会の鐘の音を再現するためによく使われた
l  鍵盤楽器  チェンバロから発展したピアノは、18世紀初頭に発明され、ハンマーが弦を打つ構造から打楽器に分類される

²  クラシック音楽の演奏

²  クラシック音楽の歴史
1.    中世からルネサンス期
15世紀後半から16世紀初頭にかけて、デュファイやジョスカンといった作曲家の影響により、音楽様式に大きな変化が起きたことから、1450年が音楽における中世とルネサンスの境目の年と見做される
ルネサンス音楽が終焉を迎えるのは、17世紀初めで、モンテヴェルディらの作曲家がオペラやソナタ、コンチェルトといった楽曲を作って、新たな「バロック」様式の実験的試みを行った時期
16世紀までの音楽で後世に伝わったのは宗教音楽。中心はグレゴリオ聖歌。モノフォニーと呼ばれる伴奏のない単旋律から、12世紀ごろからはポリフォニー(多声音楽)が盛んとなり、13世紀にフランスで生まれたモテットは中世後期に最も人気があった
16世紀に入るとマドリガーレのような新しい形式の世俗音楽が生まれ、器楽曲もよく作られるようになる
1501年にペトルッチが楽譜を印刷する技術を発明すると、音楽をそれまでよりも容易に、安く、間違いが少ない形で販売流通させることが可能となる
16世紀の裕福なパトロンたちは、声楽や器楽、様々な種類の声と楽器を組み合わせた音楽を聴きたがり、ルネサンス期にはとりわけ「同族楽器」と呼ばれる同じタイプで大きさの異なる楽器群の合奏や声楽アンサンブルや合唱による演奏会が盛んに催された

2.    バロック時代
オペラの誕生
モンテヴェルディ
ジャン=パティスト・リュリ
マルク=アントワーヌ・シャルパンティエ
アルカンジェロ・コレッリ
ドメニコ・スカルラッティ
フランソワ・クープラン
ヘンリー・パーセル
トマゾ・ジョヴァンニ・アルビノーニ
ジャン=ッフィリップ・ラモー
アントニオ・ヴィヴァルディ
ゲオルク・フィリップ・テレマン
ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル
ヨハン・セバスティアン・バッハ

3.    古典派の時代
音楽家の独立
音楽史上初めて器楽の人気が声楽を上回った結果生み出されたのが3つの部分から構成される「ソナタ」、一般的には4楽章からなる「交響曲」
クリストフ・ヴィリバルト・グルック
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ
フランツ・ヨーゼフ・ハイドン
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン

4.    ロマン派の時代
ニコロ・パガニーニ
フランツ・シューベルト
エクトル・ベルリオーズ
フェリックス・メンデルスゾーン
フレデリック・ショパン
ロベルト・シューマン
ヨハネス・ブラームス
フランツ・リスト
ヨハン・シュトラウスI
アントン・ブルックナー
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
グスタフ・マーラー
リヒャルト・シュトラウス

5.    ロマン派のオペラ
新しいオペラの時代を飾ったのはロッシーニだが、彼が《タンク・レディ》などで大成功を収めた1813年には、後に「2大勢力」となるヴェルディとワーグナーが生まれている
カール・マリア・フォン・ウェーバー
ジャコモ・マイアベーア
ジョアッキーノ・ロッシーニ
ガエターノ・ドニゼッティ
ヴィンセンツォ・ベッリーニ
ジュゼッペ・ヴェルディ
リヒャルト・ワーグナー
ジョルジュ・ビゼー
ジャコモ・プッチーニ
ジャック・オッフェンバック
ヨハン・シュトラウスII
フランツ・フォン・スッペ
エンゲルベルト・フンパーディンク
フランツ・レハール

6.    国民楽派
19世紀に入ると民族主義の流れに乗って、作曲家は自分の国籍を明確にするようになる
ミハイル・グリンカ
アレクサンドル・ボロディン
ミリー・アレクセイヴィチ・パラキレフ
モデスト・ムソルグスキー
ニコライ・リムスキー=コルサコフ
アントン・ルビンシテイン
アレクサンドル・・スクリァービン
セルゲイ・ラフマニノフ
アレクサンドル・グラズノフ
ベドジフ・スメタナ
アントン・ドヴォルザーク
レオシュ・ヤナーチェク
マックス・ブルッフ
フーゴー・ヴォルフ
マックス・レーガー
フリッツ・クライスラー
カール・オルフ
エドヴァルド・グリーグ
カール・ニールセン
ジャン・シベリウス
エドワード・エルガー
フレデリック・ディーリアス
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ
グスターヴ・ホルスト
ジョン・アイアランド
アーノルド・バックス
エドゥアール・ラロ
カミーユ・サン=サーンス
ガブリエル・フォーレ
エマニュエル・シャブリエ
エルネスト・ショーソン
クロード・ドビュッシー
ポール・デュカス
エリック・サティ
アルベール・ル-セル
モーリス・ラヴェル
ジョゼフ・カントループ
ジャック・イベール
フェルッチョ・ブゾーニ
オットリーノ・レスピーギ
ピエトロ・マスカーニ
パブロ・デ・サラサーテ
イサーク・アルベニス
エンリケ・グラナドス
マヌエル・デ・ファリャ
エイトル・ヴィラ=ロボス
ホアキン・ロドリーゴ
カルロス・チャベス
アルベルト・ヒナステラ
スティーヴン・コリンズ・フォスター
ルイス・モロー・ゴットシャルク
ジョン・フィリップ・スーザ
エドワード・マクダウェル

7.    現代音楽
アルノルト・シェーンベルク
アントン・ヴェールベン
アルバン・ベルク
ベーラ・バルトーク
ジョルジュ・エネスコ
パーシー・グレインジャー
イーゴリ・ストラヴィンスキー
ダリウス・ミヨー
フランシス・プーランク
パウル・ヒンデミット
チャールズ・アイヴズ
エドガー・ヴァレーズ
ジョージ・ガーシュウィン
アーロン・コープランド
サミュエル・バーバー
ジョン・ケージ
レナード・バーンスタイン
エリオット・カーター
ジョン・コリリアーノ
スティーヴ・ライヒ
フィリップ・グラス
ジョン・アダムズ
アラム・ハチャトゥリアン
セルゲイ・プロコフィエフ
ドミートリー・ショスタコーヴィチ
アルフレード・シュニトケ
クルト・ヴァイル
オリヴィエ・メシアン
マイケル・ティペット
ベンジャミン・ブリテン
ヴィトルト・ルトスワフスキ
カールハインツ・シュトックハウゼン
ピエール・ブーレーズ
ヤニス・クセナキス
ジョルジュ・リゲティ
ルイジ・ノーノ
ルチアーノ・ベリオ
アストル・ピアソラ
ヘンリク・グレツキ
ピーター・スカルソープ
ピーター・マクスウェル=デイヴィス
ハリソン・バートウィッスル
武智満
アルヴォ・ペルト
マグヌス・リンドベルイ
ジェームズ・マクミラン
マーク=アンソニー・ターネイジ
ジュディス・ウィアー(1954)









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