オリンピック秘史  Jules Boykoff  2018.4.11.


2018.4.11.  オリンピック秘史 120年の覇権と利権
Power Games ~ A Political History of the Olympics  2016

著者 Jules Boykoff 1970年生まれ。パシフィック大政治学教授。元プロサッカー選手。バルセロナ五輪の米国代表。2014NHKの国際討論番組《グローバルディベートWISDOM》に出演し、「世界が語る”21世紀のオリンピック」というテーマで為末大氏らと議論を繰り広げた

訳者 中島由華 翻訳家

発行日           2018.1.20. 初版印刷          1.25. 初版発行
発行所           早川書房


はしがき スポーツライター/デイブ・ザイリン
巨大スポーツイベントが相変わらず不正利得の温床になっている
大抵は歴史の中に埋もれてしまう話題を見える所に引っ張り出した、オリンピックの政治史についての本
話題としているのは、IOCのエリートたちが昔から享受しているとてつもない特権や、オリンピックと企業資本主義との堅固な結びつき、オリンピックの先住民族の処遇に関する問題含みの歴史、オリンピックという巨大装置の様々な反対運動など

序章 「オリンピック作戦」
09年オバマ就任直後に、米国防総省がイランの核施設にサイバー攻撃を仕掛けようとした際、サイバーワームがネット上に流れ出たために作戦が中止となったが、その作戦名が「オリンピック作戦」だった。政界のエリートたちによって秘密裏に進められ、現地国に大きな混乱をもたらし、政治的資本の面でも実際の資本の面でもコストが大変大きかったことなど、21世紀にオリンピックを開催する時と同じなので、命名としては適切だった
過去のオリンピックの指導者たちも、政治嫌いのように見せかけていても、その態度は常に偽善に満ちている
オリンピックは何から何まで政治的で、オリンピックが政治を超越するというのは夢物語
クーベルタン男爵は、矛盾を基盤にしてオリンピックを作り上げた ⇒ 政界の黒幕を動かし協力させていたので、彼の伝記によれば、政治から距離を置くという彼の言葉は「不誠実の極み」
ブランデージは、クーベルタンの二枚舌哲学を自分流にさらに押し進めた ⇒ あらゆる政治介入と政治利用に反対すると言いながら、アパルトヘイトへの措置として南アを64年の東京大会から除外、70年にはオリンピック・ムーブメントからも除名、復活したのは92年のこと
IOCは、戦争と平和の問題にも首を突っ込み、イスラエルとパレスチナの両オリンピック委員会の会合を主催したり、90年代には国連と手を結んで大会期間中のあらゆる戦闘行為の停止を求める「オリンピック停戦」を各大会開催前に国連総会で決議採択が行われるようになった ⇒ 14年のソチ冬季大会では閉会式直前決議を無視してロシアがクリミアに侵攻
08年北京大会でも北京市誘致委員会が、「開催国に立候補することで、詩の発展のみならず、民主制、人権問題を含めた社会の発展を促したい」との突飛な主張をしたが、「オリンピック・ファミリー」はその甘言に感じ入った ⇒ オリンピック開催が、開催地の住民の生活環境を改善するということを裏付ける証拠はない
IOCが政治への不干渉を主張する理由の1つは、IOCに多額の利益をもたらすオリンピックを保護する必要性 ⇒ 94年以降隔年で開催される大会は金のなる木で、政治的な駆け引きの存在を認めるとIOCはその利益を危険に晒しかねない
スポーツは、資本主義という「装置の要」であるばかりか、「大衆向けの新しいアヘン」(マルクスが、「宗教を民衆のアヘン」といったのを引用)として警鐘を鳴らす人もいるが、逆に、実現の難しい政治的理解の共通基盤を無駄に捨てることにもなりかねず、本書はその点を踏まえ、歴史的にスポーツの政治への重要な関りが倫理的な公約や道義的な行動を実現する後押しになってきたことを論じる ⇒ オリンピックは単なる麻薬にとどまらない
15IOCのバッハ会長は国連の演説でオリンピック・ムーブメントと政治の関係を語り、「政治的に中立でなければならないが、政治と無関係ではない」と明言
今日、国際オリンピック委員会は絶好調で、豪華な本部を構え10億ドルの資産を蓄える。加盟国数は、国連を超えて206か国に上る。アメリカ政府はオリンピックを秘密工作の名称に用いる。オリンピックという一大勢力に真剣に目を向けなければならない

第1章        クーベルタンとオリンピック復活
近代オリンピックの黎明期には、「ムーサの5種競技」と言われた建築・文学・音楽・絵画・彫刻がスポーツ種目の合間に競われメダルが贈られた
当時文学部門で多くの批評家からダンテ以来の逸材と評された放縦なイタリア詩人ガブリエーレ・ダンヌンツィオもいた ⇒ 後にファシスト運動の先駆者となり、ムッソリーニに影響を与える
1912年クーベルタンの書いた「スポーツに寄せる詩」が金メダルを獲得、戦争の傷を癒す力があるばかりか、戦争を防ぐ力すらあるといってスポーツを崇めた
クーベルタンは、「オリンピア競技大会」に賛同してもらうため、古代ギリシャを引き合いに出し、努力と律動的調和という2つの要素からなる原則に由来する精神のありようをオリンピズムといって称揚
排外主義と国際協調主義との緊張関係は、あらゆる大会に影響を及ぼし続ける
アマチュアリズムこそスポーツの発展及び繁栄の第1条件と考えたが、賃金労働者は、スポーツへの関与のいかんにかかわらずプロと見做されていたため、アマチュアの範疇から除外
クーベルタンのオリンピック構想にはいくつもの矛盾があり、平和と友好を謳いながら、性差別、人種差別、階級意識と深く結びついていた
1912年ストックホルム大会から世界最大級の国際イベントとして定着
アメリカ先住民の血を引くジム・ソープが5種競技と10種競技で優勝、スーパースターとなったが、少額の報酬を受けとってセミプロの野球の試合に出場していたことが判明し、1年後にメダル剥奪。直後からメダル返還の嘆願がなされたが82年になってようやく返還が実現 ⇒ 同競技のライバルだったのが若き日のブランデージだが、勝ち目がないことを知ると途中で棄権。そのブランデージが会長をしている間はアマチュアリズムに固執

第2章        オリンピックにかわる競技大会の歴史
1次大戦により、16年のベルリン大会は中止となったが20年にアントワープで復活
ドイツと同盟国のオーストリア、ハンガリーは除外され、ドイツが復帰するのは28
男子中心のオリンピックに抗議して、21年国際女子スポーツ連盟が組織され、22年から4回女子によるオリンピック大会を開催(オリンピックの名称が使われたのは第1回のみ)

第3章        冷戦時代のオリンピック
51IOCがソ連の参加を承認 ⇒ 反共産主義に対するオリンピズムの勝利とされた
52年ヘルシンキ大会からソ連が復帰 ⇒ 競技の質の向上に貢献、各種目で記録更新が目立った
52年ヘルシンキ大会でブランデージが会長となり、以降独裁的に振舞い、クーベルタンの遺産を守り、政治の介入を積極的に排除し、アマチュアリズムの強化と大会の「肥大化」抑制を目指す ⇒ 元々は米国の建設業で蓄財、米国オリンピック委員会委員長を務めた
56年の初の南半球大会となったメルボルンでは、英仏のスエズ侵攻によりエジプト・レバノン・イラクがボイコット、ソ連のハンガリー動乱の鎮圧によりオランダ・スペイン・スイスがボイコット、さらに中国が台湾に対するIOCの扱いに抗議して帰国したため、参加国が大幅に減少
2つの中国問題は、その後の紆余曲折を経て1970年代末に両国併存で決着
アパルトヘイト関連では、64年から南アの参加を拒絶、70年にはIOCから除名、68年のメキシコ大会ではアメリカの選手が表彰台でアメリカ国歌の演奏中黒手袋の拳を突き上げて抗議 ⇒ 91年人種隔離政策撤廃、92年大会に復帰
チャスラフスカもメキシコ大会では、「プラハの春」に対するソ連の弾圧に抗議して積極的に反対運動を展開していたので、最大のライバルであるソ連選手を退けて表彰台に立った時は現地の観客を歓喜の渦に巻き込んだし、ソ連国歌演奏の時は顔を背けていた
72年のミュンヘン大会ではパレスチナの武装グループによるイスラエル人選手たちを誘拐・殺害するテロ事件発生 ⇒ 追悼のため1日だけスケジュールをずらして大会は続行、ブランデージは多くの人から非難を浴びる。大会後にキラニンに交代し75年逝去

第4章        オリンピックの商業化
76年冬季大会の開催地デンバーが住民の反対で起債ができなくなり、インスブルックに変更、夏のモントリオールでも大会赤字が15億ドルに達し、返済は06年まで30年続く
2つの大会の結果、オリンピックの商業化が一気に加速
80年のモスクワ大会でも、アメリカがソ連のアフガン侵攻に抗議してボイコット
84年のロサンゼルスでは、ブラッドリー市長が税金の投入を拒否したため、憲章違反ではあったが大会史上初めて民間組織が大会の運営にあたることになり、組織委員長のユベロスが大手企業やボランティアによる協力を得て黒字化に成功
黒字化の重要な要素は、大企業のスポンサーの囲い込み ⇒ オフィシャルスポンサー35社とオフィシャルサプライヤー64社、ライセンス制度による五輪マークの限定使用
80年からIOC会長になった100%フランコ主義者のサマランチがユベロスを支援、アディダスのダスラーと手を組んで、85年に「オリンピック(パートナー)プログラム」をスタートさせ、五輪マークの使用権と引き換えに莫大なスポンサー料を徴収
96年アトランタ大会では、スポンサー企業による利権独占の弊害が噴出、その後のオリンピックが腐敗の祭典になる予兆 ⇒ アトランタ招致関係者によるIOC委員の買収や便宜供与が発覚
98年のソルトレイクシティ招致(開催は02)に関して発覚した贈収賄事件は驚愕すべき内容 ⇒ 総額3百万ドル1375件の金銭支出
サマランチは、様々な腐敗行為があった時の責任者だったが、引き続きIOCの指揮を執り、自身とIOCとをノーベル平和賞候補として売り込んでいた

第5章        祝賀資本主義の時代
経済において圧倒的な力を有するオリンピックというイベントは、資本主義の象徴及び反映のみならず、資本主義を盛んに創造している
祝賀資本主義とは、民間企業に利益をもたらす一方で納税者にリスクを負わせる、偏った公民連携に特徴づけられる政治経済構造のことで、21世紀のオリンピックはこの形態をとる。祝賀資本主義は、明るく楽しいゆすり・たかり行為であり、トリクルダウン理論の逆の効果をもたらす経済活動で、その犠牲になる人々を苦しめる
オリンピックの経済効果とは ⇒ 大会の開催による雇用あるいは所得への統計的に有意な効果はなく、所得に負の効果さえ見られた大会もあった
祝賀資本主義の主な側面として、スポーツのスペクタクルを保護するために、警備や監視が大変重要になり、それを専門にする民間事業者も受益者となる ⇒ テロと政治的抗議を一体にしてオリンピックへの「脅威」や「リスク」として表現され、保安構造の構築を正当化する
04年アテネ大会は、祝賀資本主義とオリンピックの歴史に転換点をもたらす ⇒ 当初の予算を16億ドルと確約したが、実際にかかったのは160億ドル。元々運営費のみしか申告せず、それは黒字で終わったが、それ以外の総経費、例えば施設の建設費、インフラの開発費、警備費等はすべて含まれていないため、終わってみればギリシャ政府は途方もない借金を抱え、同国の大不況の一因となっている
ギリシャの保安機関は滅多にない好機に便乗して、強力な監視国家を構築
08年の北京大会開催は、中国の人権と社会関連の問題の改善に大いに役立つことが期待されたが、逆に国内では反体制派に対する弾圧が強化され。政治的自由は後退、テロ防止の口実で鎮圧部隊の装備を整え、新たに監視システムを構築
10年のバンクーバー大会では、先住民の土地を強奪 ⇒ 様々な活動化による反対運動や抗議活動が活発化、最大の問題は経費の増嵩と先住民の土地の使用で、大会後もVMC-Vancouver Media Corpという反体制派の情報発信の拠点として残った
12年ロンドン大会における活動家のターゲットは、スポンサー企業の特権と強欲
14年のソチ大会は、誘致にも華麗なスペクタクル構築の作業にもプーチンが積極的に関り、支出総額も510億ドルに達し、歴代大会の経費すべての合算よりも高額となったが、その一部はプーチンの仲間によって手掛けられた途方もない詐欺行為であり贈収賄及び横領が横行、彼らによって吸い上げられた総額は300億ドルともいわれる

第6章        2016年リオデジャネイロ夏季オリンピックの大問題
ルラ大統領の下で腐敗が拡大、14年のサッカー・ワールドカップ開催のころには、絶好調だった経済にも陰りが見え始め、反体制派による抗議デモが活発化
ワールドカップは祝賀資本主義の事例研究にうってつけとなるほど、スポーツによって引き起こされた例外状態のおかげで、試合の開催都市は財政赤字に上限を設ける財政責任法の例外とされ、経費を急膨張させた
FIFA会長のブラッターは、大掛かりな不正事件に関与したとされ、アメリカとスイスの司法当局によって起訴
ワールドカップとオリンピックは「特権的瞬間」を形作り、楽しいお祭り騒ぎを装った創造的破壊をブラジルにもたらした
国内植民地化プログラムと強制退去により、貧民街を政府の管理下に置く
排出されるCO2の吸収源として、植樹を約束したが、1/4も実行されていない
水質汚染問題、自然保護地区でのゴルフコース建設
オリンピック・アジェンダ2020の改革案 ⇒ 危機に陥っているIOCの改革が狙い
流れは変わりつつある




オリンピック秘史 ジュールズ・ボイコフ著
2018/3/3付 日本経済新聞
フォームの終わり
 オリンピックは面白い。私も平昌冬季五輪での日本選手の活躍には興奮もし、感動もした。
原題=POWER GAMES
(中島由華訳、早川書房・2200円)
著者は米パシフィック大政治学教授。元プロサッカー選手で五輪出場経験も。
書籍の価格は税抜きで表記しています
 が、その国際的超ビッグ・スポーツ・イベントが、政治的にも経済的にも様々な問題を抱えていることも、周知の事実である。
 しかも、それらの問題が――たとえば平昌大会で露骨に表面化した南北問題のような政治問題も、あるいは2020年東京大会での運営費の高騰のような経済問題も、本書を読めば、1896年第1回アテネ大会以来、延々と続いている固有の問題であるとわかる。
 オリンピックは、教育者であるクーベルタン男爵が、普仏戦争に敗れたフランス国内にプロシア(ドイツ)に対する復讐(ふくしゅう)の声が高まるなか、古代ギリシアのオリンポスの祭典をモデルに、スポーツによる休戦(反戦)と平和を訴えるイベントとして提唱された。ということは、戦争が「政治の延長」であるなら反戦の主張も政治的にならざるを得ず、その時々の政治に巻き込まれるのは必然とも言える。
 冷戦時代の西側諸国と東側諸国のボイコット合戦だけでなく、すべての大会が政治と無縁でなかったことを、本書は詳しく指摘する。そして多くの大会で経済的危機に見舞われていたことも。
 しかし著者は、五輪の未来を否定しない。国際オリンピック委員会(IOC)は《権力にしっかりとしがみつき、特権ある人びとはオリンピックに便乗して私腹を肥やし、開催地の一般市民は大会のあとさまざまな形で隅に追いやられ、丸めこまれている》と書く。北京やソチで五輪を開催しても民主主義や人権に対する効果はなく、五輪開催地となった《民主主義国は専制主義的になりがち》と書きながらも、東京五輪組織委に《歴史にしっかりと目を向け、よくないところを改めていかなければならない》とエールを送る。
 コーツIOC委員は東京に開催費削減を求め、東京は《IOCの努力に貢献》するのが《大きな責務》とも書く。が、彼がシドニー五輪招致のときに裏金と思(おぼ)しき7万ドルを2人のIOC委員に配ったことも別の章に書かれている。
 五輪の闇は深い。が、本書に書かれていることを反面教師として学ばなければ、オリンピックに未来はないだろう。
《評》スポーツ文化評論家 玉木 正之



(私の視点)肥大化する五輪 複数都市共催で経費減を ジュールズ・ボイコフ

2018220500分 朝日新聞
 平昌(ピョンチャン)五輪は、世界を魅了するだろう。だが、裏には根深い問題が潜む。1990年代、国際オリンピック委員会(IOC)は五輪の大規模化による経費高騰を懸念していたが、今日、「肥大化」は当たり前のことになった。
 開催地に立候補する都市は、市民の支持を受けるため、経費の見積もりをなるべく低く算出する。IOCによる開催地選考の重要な要素にもなる。経済効果に関する調査報告書を示すことも多い。だが、多くは楽観的にすぎるコンサルタントによって作成され、財政的成功を予測するものになっている。そして、開催都市と国は、世界に注目されるなかで恥をかくのを避けるため、費用が不足すれば補填(ほてん)せざるを得ない。余裕のない日程で大会用施設を建設するとなれば、支出がいっそう増える。
 オックスフォード大学が1960~2016年の大会を調査したところ、平均156%も予算超過していることが分かった。IOCの重鎮たちが次の開催地に向かうころ、大会を終えた都市と国には大きな負担がのしかかる。
 平昌大会も、開催費用はかさんだ。招致活動の時点では、運営費は15億ドル、インフラ整備費は20億ドルから60億ドルといわれていた。ところが、いまや総経費は130億ドルにのぼる。
 2020年東京大会の組織委員会も苦心している。開催権を勝ちとった13年以降、総経費が当初の数倍に膨らむとされた時期があった。そのため、メインスタジアム建設が安くすむ案に変更され、カヌーなどの競技にかかる費用は削減された。正しい方向である。
 私は思いきった改善案を拙著「オリンピック秘史」で示した。たとえば、財政負担を分散し、新施設の建設費を削減するために、複数の都市や国による共催を進める。その実現にIOCは前向きな姿勢を示すが、共催を通常の開催形態にするべきだ。また、立候補都市の招致計画を、お抱えの経済コンサルタントのみならず、独立した専門家にも評価させる必要がある。
 これまで、開催都市は五輪の都合で動いてきた。そろそろ五輪が開催都市の都合に合わせてくれてもいいころだ。その第一歩として、まずは開催地に負担をかける経費高騰の問題に対処しなければならない。
 (Jules Boykoff 米パシフィック大学教授)




二宮清純氏(スポーツジャーナリスト)推薦! 「波瀾の歴史を通じて、オリンピック、パラリンピックのあるべき姿が見えてくる。2020年に向けて必読の書」 アスリートたちが人類最高の身体能力を競うオリンピックの舞台裏では、もうひとつの闘争が繰り広げられてきた。スポーツによる社会変革を夢見た近代五輪の父クーベルタン、招致に躍起になる各国の為政者、五輪ビジネスを陰で牛耳るIOC(国際オリンピック委員会)、巨大イベントを狙うテロ組織、地元住民による反対運動……各プレーヤーの思惑が複雑に絡み合うパワーゲーム(覇権闘争)の全貌を、プロサッカー選手としてバルセロナ五輪の米国代表メンバーを経験した異色の政治学者が描き出す。2020年に東京五輪を迎える日本人必読の書。 かさむ運営費、かたよった利権構造など昨今の課題を論じる「日本語版増補」を特別収録。

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