塩野七生 著作集


塩野七生 著作

ルネサンスの女たち
1973.11.10. 初版             1994.3.20. 27
中央公論社(中公文庫)
欲望が奔流し、権謀術数が渦巻く中で、至高の芸術を花開かせたルネサンス・イタリアに、日本の歴史は求むべくもない熾烈な生を生き抜いた4人の女性たち(イザベッラ・デステ、ルクレツィア・ボルジア、カテリーナ・スフォルツァ、カテリーナ・コルネール)の情熱を描く。文学と歴史の両領域間に独自の手法で、女の歴史と真実に迫る力作

神の代理人
1975.11.10. 初版             1994.6.25. 17
中央公論社(中公新書)
枢機卿のポストを提供してまで修道僧サヴォナローラを懐柔しようとした法王アレッサンドロ6世、遊びと祭りが大好きで巨額の借金を残して死んだ法王レオーネ10世ら、高邁な理想を掲げ、あらゆる術数を弄し、豪遊に耽ってイタリア・ルネサンスに君臨した4人の「神の代理人」の生態を華麗な絵巻物のように活写して、宗教と政治の間に展開される生臭い権力葛藤のドラマを描き出す。精巧な構成と新鮮な語り口で史伝の面白さを尽くす名篇

チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷
1982.9.25. 発行               1994.7.5. 21
新潮社(新潮文庫)
ルネサンス期、初めてイタリア統一の野望を抱いた1人若者――父である法王アレッサンドロ6世の教会勢力を背景に、弟妹を利用し、妻方の親族フランス王ルイ12世の全面的援助を受け、自分の王国を創立しようとする。熟練した戦略家達もかなわなかった彼の"優雅なる冷酷"とは。〈毒を盛る男〉として歴史に名を残したマキアヴェリズムの体現者、チェーザレ・ボルジアの生涯

サロメの乳母の話
1986.1.10. 初版               1994.9.30. 9
中央公論社(中公文庫)
初出 1983.3. 中央公論社刊
オデュッセウス、サロメ、ダンテ、聖フランチェスコ、ユダ、カリグラ帝、アレクサンドロス大王、ブルータス、キリスト、皇帝ネロ・・・・・などなど、歴史上名高い人物たちの心の裏側を奇想天外な想像力で語る。洒落た12の物語

海の都の物語 上下 ヴェネツィア共和国の1000
(上下とも) 1989.8.10. 初版        ()1993.9.10. 3版、() 1994.1.25. 3
中央公論社(中公文庫)
() "おまえと結婚する、海よ。永遠におまえがわたしのものであるように"-----葦におおわれた潟(ラグーナ)に建国以来、現実主義に徹した交易によってその地位を築いた地中海の"商人"、あるいは"海軍"、ヴェネツィア共和国を精密に描き、歴史の面白さを堪能させる気宇壮大な盛衰記
() 交易に命運を賭しながらも、その美しい国は、トルコとの長い抗争・新航路発見の嵐を経て、"質から量へ"の近代の夜明けの中、ナポレオンの侵略によって滅亡する。"地中海の女王"と謳われた海洋王国の歴史を描く華麗壮大な叙事詩

コンスタンティノープルの陥落
1991.4.25. 発行               1994.3.15. 11
新潮社(新潮文庫)
初出 1983.9. 新潮社刊
東ローマ帝国の首都として1000年余りも栄えたコンスタンティノープル。独自の文化を誇ったこの都も、しかし次第に衰え、15世紀後半には、オスマン・トルコ皇帝マホメッド2世の攻撃の前に、ついにその最期を迎えようとしていた――。地中海に君臨した首都を巡る、キリスト教世界とイスラム世界との激しい覇権闘争を、豊富な資料を駆使して描く、甘美でスリリングな歴史絵巻

ロードス島攻防記
1991.5.25. 発行               1994.2.25. 11
初出 1985.10. 新潮社刊
イスラム世界に対してキリスト教世界の最前線に位置するロードス島。コンスタンティノープルを陥落させ、巨大な帝国を形成しつつ西進を目指すオスマン・トルコにとっては、この島は喉元のトゲのような存在だった。1522年、大帝スレイマン1世はついに自ら陣頭指揮を取ってロードス島攻略戦を開始した――。島を守る聖ヨハネ騎士団との5か月にわたる壮烈な攻防を描く歴史絵巻第2

レパントの海戦
1991.6.25. 発行               1993.12.25. 10
新潮社(新潮文庫)
初出 1987年 新潮社刊
西暦1571年、スペイン王フェリペ2世率いる西欧連合艦隊は、無敵トルコを遂に破った。コンスタンティノープルの攻略~118年にして、トルコの地中海世界制覇の野望はついえたのだ。しかし同時に、この戦いを契機に、海洋国家ヴェネツィアにも、歴史の主要舞台だった地中海にも、落日の陽が差し始めようとしていた――。文明の交代期に生きた男たちを壮大に描く3部作、ここに完結!

ローマ人の物語 IXV ローマは1日にして成らず
1992.7.7. 発行(11作の予定)              1997.2.25. 31
新潮社
ソ連崩壊、ヨーロッパ統合、民族紛争、アメリカの翳り、そして我が日本の混迷・・・・・
激動の20世紀末を生きる人類が遭遇するあらゆる場面に送られる古代ローマ人1000年のメッセージ…・
ローマ人は何故かくも壮大な世界帝国を築き、しかし滅びたのか。塩野七生の情緒を排した独自の視点から展開される刺激あふれる物語

わが友マキアヴェッリ フィレンツェ存亡
1992.9.25. 印刷 10.10. 発行
中央公論社(中公文庫)
『君主論』の作者は、何を見、何を行い、何を考えたか―――
ルネサンスの黄昏間近なフィレンツェを舞台に縦横に活躍した1人の外交書記官、後世常に"マキアヴェリズム"という忌まわしいイメージを伴って想起されることになった男の等身大の相貌を、同じ街の住人である著者が親しみをこめ余すところなく伝える
昭和63年度女流文学賞受賞


緋色のヴェネツィア 聖マルコ殺人事件
1993.7.1. 第1版発行                 1994.3.10. 第3版発行
朝日新聞社(朝日文庫)
16世紀前半、海の都ヴェネツィアはトルコ、スペイン、神聖ローマ帝国の3強大国に挟撃され国家存亡の危機に瀕していた。国難に当たる若きヴェネツィア貴族と謎のローマの遊女、貴婦人との秘めた愛を胸に野望を抱く元首の庶子・・・・・権謀術数が渦巻く地中海世界を描いた、ルネサンス歴史絵巻第1

銀色のフィレンツェ メディチ家殺人事件
1993.11.1. 第1版発行                1994.6.10. 第3版発行
朝日新聞社(朝日文庫)
若きヴェネツィア貴族マルコ・ダンドロは花の都フィレンツェを訪れたが、かつての共和国は今や大国を後ろ盾にする公爵の独裁下にあった。その専制君主を巡るメディチ家の陰謀に巻き込まれるマルコと遊女オリンピア・・・・・16世紀前半、翳りゆくルネサンス・イタリアを描く絢爛たる歴史絵巻第2


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