漫才過剰考察  髙比良くるま  2025.11.21.

 2025.11.21. 漫才過剰考察

 

著者 髙比良くるま 19940903日生まれ。東京都練馬区出身。芸人。吉本興業所属コンビ・令和ロマンのボケを担当。慶應義塾大のお笑いサークルで相方・松井ケムリと出会いコンビ結成。東京NSC23期首席。M-1グランプリ2023王者。第1回の中川家以来のトップバッター、かつ歴代王者の中で最短となる芸歴59カ月での優勝。M-1王者として異例の出場を果たした第45ABCお笑いグランプリ2024でも優勝し話題に。本書が最初の著書

 

発行日           2024.11.10. 初版第1刷発行

発行所           辰巳出版

 

これまで

全てに流されて生きて来た

このままゆるい不幸せがダラっと続いて死んでいくと思っていた

本郷中高で6年間ラグビーをやる。受験はなぜか合格

先輩の背中を負ってNSCに入り、卒業後のプロ人生を楽に進めるために首席卒業を狙う

未経験者が多い中、経験者としての余裕を見せいつけるためにスーツを着て38マイクまでゆっくり歩く。初めてお笑いに戦略を持ち込んだ瞬間で、いい結果に繋がるが、正しい努力ではなくズルをしている自覚があって、達成感はなかった

プロになてもズルはやめられず、手段は何でもいいから「すぐ上のタンクに上がった奴」という称号さえあれば何とかなると思った

最初のM-1は、視聴者投票のワイルドカードで準決勝進出。特技やショートコントのオーディションにはいかず、M-1に絞る

2年目は準々決勝で終わったが、去年より明確に笑いも取れた

3年目で夢は潰えた。コロナが来て劇場が止まったが、秋に気が付いたらNHK新人お笑い大賞の決勝で、親知らずが腫れて口が指1本しか開かなかったのでゆっくり喋ったら、客席に高齢者しかいなかったのでほんの少しだけウケて優勝。西川きよし師匠に惑星最高の漫才師と呼ばれた

3度も偶然に生かされた。迷いなくこれは運命だと決め、M-1の役に立とうと思った

これまでやってきたのは、あれこれ戦術を考えること、自分を実験台にして実行すること。その戦術を他人に伝えることが使命だと思って本を出す

「サンパチマイク」とは、ソニー製のコンデンサーマイク「C-38B」の通称です。漫才や落語で定番のセンターマイクとして広く使われ、その型番である「C-38B」の「38」に由来しています。原音に忠実でクリアな音質を持ち、広範囲の音を捉えることができるため、プロ用途にも適しています

 

インタビュー 

2023.12.14. 決勝10日前

――決勝進出おめでとう。決勝までの2週間何をしている?

ライバルのネタを予想しながら、それとの比較で持ちネタがどう受け取られるかを予想して作戦を立てる

――決勝でのネタの仕上げではなかったのか?

持ちネタの細部より他者や全体を予測して、対応を考える

――自分たちにとって参考になりそうな組は?

最若手というところで2018年の霜降り(明星)が自分たちに近いので参考になる

――自分たちがトップバッターのパターンはどう想定しているか?

めっちゃ変な/突飛なネタをやってインパクトを与え後ろの組にダメージを与える

――現時点でネタ候補はどれくらい絞っている?

出場順や前からの流れを見ながら対応できるよう4本ぐらいある。同じスタイルのものは見せたくない

――土壇場まで固めないのがオーソドックスなのか?

流れを重視するので絞り切れない。流れと逆のスタンスを取った方が勝ち上がりやすい

――本当に考察に余念がないですね

最高の決勝にしたい。2019年ミルクボーイの最高点(681)を超えたい

全体として盛り上がればそれでいい

――以前、「誰よりも近くでいっぱいM-1を見るために勝ちたい」と言っていたが

決勝に行けたからわかることがいっぱいある

 

²  M-1グランプリ(司法解剖;2018;技術の時代;花咲く漫才;「あるある」と「ないない」;2024;ダークヒーロー)

²  寄席(寄席とは;客層;理解と発声;東と西;フィクション・ライン;南と北;世界)

²  対談 霜降り明星・粗品×令和ロマン・髙比良くるま

 

 

²  M‐1グランプリ

l  司法解剖

優勝しても達成感より不満が勝る

点数のインフレもなければ(最高はさや香の659)、スタジオのウケが全体的に弱かった

最初の4組がしゃべくり漫才、次の3組が漫才コント、最後の3組がシステム系漫才

同系統の漫才が続くと、ネタの構造が「透けやすく」なってしまう

しゃべくり漫才は、まず「大テーマ」があって、そこから徐々にボケが狭まって展開し、最後は2人のボルテージが上がっていく流れ

漫才コントは、設定に入る瞬間の小ぼけや大喜利の答え方、伏線回収的な部分

システム系は、あるルールに則ってゲームを繰り返していくイメージ。しゃべくりと違って話が先に進まない代わりに、内容で笑いを発展させていく

同じタイプが並ぶと、観客までが審査的な視点に立ってしまって、楽しむどころではなくなる

令和ロマンはトップバッターで勝ち上がることはまずないから、ファイナリストに漫才コント組が多かったため、「少女漫画」というしゃべくりを選び、前説的にスタジオの緊張をほぐそうと考えた。トップバッター歴代最高点(648)となりインフレも期待できた

トドメを刺したのが、「ネタバレ問題」。準決勝のネタがばれていたため同じネタをした組のウケ量がガクッと落ちた。ウケ量はテレビ放送だと均一に感じられるが、現場で全組聞いていると露骨にわかる

決勝の観覧は一般応募だが、年々M-1ブームの過熱から決勝まで「客席総ファン時代」到来で、すぐにネタがYouTubeにも上がる。ネタバレ包囲網が決勝を捕えてしまった

 

l  2018

歴史を見ると、2018年が今回に近い

霜降りが9組目で出るまでは650点すら越えず、平均は630.42017年以降では最低

メンバーが揃い過ぎて、まだコアなファンの少ない観覧席のお客さんたちと嚙み合わなかったのでは

霜降りと令和ロマン、どちらもM-1における1つの流れが過熱し過ぎた時に、それをリセットするようなタイミングでの優勝になっている

201518年は、芸人同士で技術を高め合う時代

201923年は、その技術に見慣れた観客との闘いの時代

 

l  技術の時代

2015年、M-1再開。出場制限が結成10年から15年に延長し、荒削りな若手から仕上がった実力者の技術競争に切り替わる

30を超える辺りでちょうど漫才師としての「フィジカル面」が整い出すので、この5年の差は大きい。若い女性中心の観客の中で、「男の子」から「おじさん」になることで生身の人間からキャラクターに切り替わってポップがさす。が老けすぎてはいけない。客席の信頼を得ながら心配されていない程度が大事

「人気がある、大衆的な」という意味で、音楽のジャンルやファッションなどで使われる

M-11期を銀シャリ、ジャルジャル、スーパーマラドーナ、和牛などが支える。「仕上がった漫才師」たちが台頭し、技術競争が幕開け。フィジカルが最も仕上がったのがトレンディエンジェル

2016年ではさらに職人味が強まる。銀シャリがしゃべくり、スーマラが何回も入り直す系のコント、和牛がストーリー系のコント、と3組で現存する漫才の技法を全部使い、3組による最終決戦は歴代最高レベルの接戦と呼ばれた

2017年は、銀シャリが抜けた後、かまいたちなどの「大技術」とさや香の「若技術」が登場、ジャルジャルのように「あえて技術的に見せずふざけている」勢いには逆風

この年から導入された笑神籤は技術of技術。急に呼ばれてもいつものテンポで漫才できるかとか「ツカミのスピード」を競い、混沌の中での競争になる

2018年、M-1ブームの終焉かというタイミングに登場したのが、若く・強く・明るい漫才の霜降り。特に和牛が4年連続で最終決戦まで残っていたことで、より転換味が強まった。和牛の「オレオレ詐欺」ネタはM-1漫才の最高到達点。水田の性格とそれを増長させて演じている役、川西の達者な喋りとそれをフリにコミカルさを出した役、この4つ全てを客席が完璧に理解したことによってあの奇跡の数秒は生まれた。漫才コントの弱点である演者自身の人間性の希薄さを補完してみせた完璧さ

 

l  花咲く漫才

霜降りの優勝から始まった「第7世代ブーム」。芸人の仕事の幅が急拡大したが、吉本の闇営業問題が旧体制にダメージを与え、売れていなかった芸人たちが一気に脚光を浴び、エンタメにおける芸人の地位が向上。芸人個人にスポットライトが当り、その流れは芸人が芸人だけで完結させている「ネタ」という部分に一番押し寄せ、賞レースへの熱量が上がっていく。その結果神回といわれる2019年が誕生。多彩な漫才が一気に花開く

7世代:演芸ブームの第1、漫才ブームの第2、テレビに進出したダウンタウンらの第3、「めちゃイケ」「ボキャ天」などバラエティも多岐に渡った第42000年以降の賞レースとネタ番組が中心の第5、コンプラの厳格化、小説や情報番組などネタ以外への飛躍が起きる第6、ダウンタウンの影響を受けず新しい価値観の第7。次世代への移行は「ネタの消耗加減」による。第3世代でネタが出尽くし、パターンが割れたことが第4でのロケ番組増加に繋がり、昔のネタを知らない子たちが新鮮にネタを見てくれたから第5で一気に火が付いた。ネタ番組や賞レースが飽和状態になったところで、偶然生まれた20代チャンピオンたち、その周りにも20代の人気者が集まり求心力が生まれ、またシンプルな競争が始まったのが現状。賞レースに取り組みつつも冬の時代を耐えた第6世代はセンスとハングリー精神を兼ね備え、今のテレビ界をリードしている

燦然と輝いたのがミルクボーイ。あるあるの応酬という漫才として異例の型が、客席の漫才リテラシーの高まりによって爆発

水を差したのが2020年のコロナ禍だが、お笑いブーム自体は加速。M-1も予選からYouTubeに上げるようになり、今まで以上に「ウケ量」が審査に影響

マジカルラブリーの「漫才か漫才じゃないか論争」は、過熱化の象徴

漫才は「おしゃべり」でコントは「お芝居」。漫才は演者が本人としてお客に話すが、コントはその役になり切って芝居を見てもらうという違いがある

2021年も同様に演者は増え、エントリーも6000を超える。閉塞感たっぷりの時代背景と演者の「クセの強さ」がマッチして大爆発。緻密な構成や達者な喋りより、独創的なキャラや造語が好まれる展開となり、決勝は「まるでお笑いファンが選んだみたいな」顔触れ

このM-1ブームは2022年に爆発。熱気が有料配信によって全国に届けられ、知名度格差はほとんどなくなる。ネタバレの始まりでもある

 

l  「あるある」と「ないない」

「漫才勝負」のシーズン1と「笑わせ合い」のシーズン2。漫才のスタイルはここで分けるのがしっくりくる。多様化初年度の2019はスタイルは様々だけど内容は2018寄りというか、「あるある」のお笑いだが、2020からは「ないない」のお笑い。「大喜利」のお笑いともいえる。芸人が笑うネタって過激で突飛なものが多いが、「あるある」ならもう知っちゃってるからそれを裏切った「ないない」を求める

ミルクボーイが「あるある」から「ないない」に橋渡しをした

本来、現実が「あるある」で、ネットが「ないない」だったのが、徐々に若者がネットに移動するとともに「あるある」がネットに吸い上げられ、逆にネットにはいない「ホンモノ」のヤバい奴が舞台上の芸人という感覚で、「ないない」として刺さり、2022のオンパレードに

 

l  2024

1章は技術競争

2章は芸人ファースト、ネタへのリスペクト、その加熱の果てにあったネタバレ学問状態

3章は「推し活」の風潮も手伝って「芸人総アイドル化」時代と同時に、「お客の知らない馬鹿々々しさ」が象徴的なものになる

 

l  ダークヒーロー

M-1グランプリ2022

敗者復活戦で復活したのが前年準優勝のオズワルドと、謎のメガネとヒゲの令和ロマン

無名の令和ロマンが受けたのは、「ドラえもん」をテーマにおふざけ漫才をやったから。国民投票という形式をうまく利用して、万人ウケするネタを選ぶ

コロナ3年目の世間にウケるお笑いは、閉塞感からの逃避ではなく、新たな現実での幸福論、爽快感はそのままによりアクティブなものが求められ、「主人公」的な笑いが台頭

ネタの世界観にお客を引き込むやり方に対して、現実側に乗り出して笑わせにくるやり方を「主人公」と定義

主人公的でないウェストランドが優勝したのは、周りが皆主人公的だったからで、時代をズラす小さなタイムマシンだった

 

²  寄席

l  寄席とは

寄席に出る芸人は知名度の高い組が中心で、ネタも「初見さん」用のものを選ぶ

競技漫才上がった人がやるもん

 

l  客層

寄席で重要なのは「ネタのクオリティ」より「お客とのマッチ度」で、先ずはお客の様子を見ることが大事

 

l  理解と発声

シンプルなネタに設定するが、先ずツカミが重要で、演者の様子を客に理解してもらい、なるべく早く「音を出させる」のがコツで、理解と発声が揃った客が初めて笑ってくれる

理解を増すために達人がやっているのは「顔芸」。「顔」にフォーカスして笑いを誘う

 

l  東と西

最大の違いは「標準語」と「大阪弁」。もともと漫才の発祥が上方で、大阪弁は漫才に向いている。ただの会話の質量も大阪弁を使うだけで120%に膨らむ。速いしゃべくりはあっても速いコントはない

 

l  フィクション・ライン

大阪の客は漫才慣れしているので、漫才を深い地点からスタートできるためフィクションのラインを高く設定できる。上方漫才であればボケ(変なこと)へのフリ(普通のこと)が必要だが、最初に変人認定をもらっておけば突然造語をぶっつけられても「やっぱり変な人で面白いな」と思ってもらえる

 

l  南と北

九州・沖縄では、全体的に「宴会」の気配がある。ボケだけでも完結する

北は、逆にボケ・ツッコミ2人の世界。仲良い同級生のノリを覗き見ている感じ

ボケ主導でボケが客席に向き合う「東」

ツッコミ主導でコンビが互いに向き合う「西」

ボケ主導でツッコミが客席に向き合う「南」

ボケ主導でコンビが互いに向き合う「北」

漫才のレベルが上がっているというより、「漫才のパターンが増えている」という方が正しい。漫才自体はある程度完成に近いので、丸パクリはだめだが、寄席の技法とか表現っていうのは受け継がれていくものだし、その上でコンビ毎の姿形や生まれ育ちでしか出せない味が出てきて、それを「個性」と呼ぶ

 

l  世界

2024年の大きな動きは「世界進出」

「ゴット・タレント」に参加する芸人が急増。シューマッハが日本人初のゴールデンブザーを獲得したのも大きい(動物物真似で、犬、シマウマ、キリンに早変わり)

コロナ禍でNetflixが爆発的に流行し、「英語吹替のない外国の作品を英語字幕で観る」ことが広まり、《ゴジラー1.0》の字幕版が映画館でヒット。日本語のまま行けることが一般化し、日本の映画やアニメが今まで以上に浸透すれば、それをズラして作る「日本のお笑い」も伝わりやすくなるのではないか。裏切るためには「あるある」の蓄積が大事で、それがようやくアメリカで始まろうとしている

戦後くらいまで2人でやる漫才形式のスタンダップコメディーもあった

 

²  対談 霜降り明星・粗品×令和ロマン・髙比良くるま

 

 

 

紀伊国屋書店 ホームページ

分析と言語化でM-1歴代最短芸歴での優勝を果たした著者による最新鋭の漫才論!
「僕にできるのはあれこれ考えることとそれを人に説明すること。だったら漫才を限りなく考えて本にしてしまおう」

 

 

ジュンク堂 ホームページ

M-1グランプリ20232024王者・令和ロマンのくるまがM-1と漫才を完全考察!

分析と考察を武器に、若手ながら賞レースをはじめ様々な分野で結果を残してきた令和ロマン。そんな令和ロマンのブレーン・くるまが、2023年のM-1優勝を経て感じたこと、自分たちが優勝できた要因は何だったのかを、2015年のM-1までさかのぼって、考えて考えて考え尽くした一冊。

「現状M-1に向けて考えられるすべてのこと、現在地から分かる漫才の景色、誰よりも自分のために整理させてほしい。頭でっかちに考えてここまで来てしまった人間だ。感覚でやってるフリをする方がカッコつけだと思うんだ」(本文より)

史上初のM-1二連覇を達成した著者が、新型コロナウイルス流行や、東西での言葉の違い、南北の異なる環境が漫才に与えた影響、昨今話題の「顔ファン論争」に漫才の世界進出まで、縦横無尽に分析していきます。著者の真骨頂圧倒的マシンガントークは本書でも健在です。

 

 

 

令和ロマン髙比良くるまの漫才過剰考察|第6

2024524

2023M-1グランプリにて、初代王者・中川家以来のトップバッターで優勝という、圧倒的強さを見せつけた超新星・令和ロマン。ボケを担当し、自他ともに認める「お笑いオタク」の髙比良くるまが、その鋭い観察眼と分析力で「漫才」について考え尽くします

【第6回】「暴れる叫び声から整えられたビブラートへ」THE SECOND考察

トーナメント結果(敬称略)

コレカラをご覧のみなさん。
お久しぶりです。くるまです。
今回は先日行われた『THE SECOND ~漫才トーナメント~2024』を過剰に考えていこうと思います。
正式名称の~漫才トーナメント~の部分ってあんまり知れ渡ってないですよね。
『はねとび』で 言ったら『You knock on a jumping door!』の部分。
『めちゃイケ』で言ったら『-What A COOL we are!-』の部分。
フジテレビはサブタイトルが大好き!
THE SECOND
を愛する男・通称セカおじとかいう人物の振り返りYouTube生配信を拝見したところ、あまりに早口すぎて何も聞き取れませんでした。
非常に腹が立ちました。
代わりと言ってはなんですが、私がしっかりと目に見えるサイズの文字に残し、奴との格の違いを見せてやろうと思います。

 

1997412
―ギャロップ林さん「俺…生えすぎちゃうか…?」―

 

2回ということでやっぱり大会が”落ち着き”ましたよねー。
初回はベテラン漫才師の鬱憤が爆発するような大会になってたんですよ。
面白いのに報われなかったり、売れてもなお戦いを求める方々の叫びのような大会。
2022
年のM-1でウエストランドさんが台本はもちろんその人間力の部分で若手賞レースに慣れた観客に新鮮に映ったのと同じように、三四郎さんやマシンガンズさんのような、漫才の外側をイジる「メタ漫才」が大きなうねりを起こしました。

その結果、今までM-1しか知らなかった人たちにも劇場番長たちの魅力が伝わり、R-1の芸歴制限も解かれ見事大ベテランの街裏ぴんくさんが優勝。
一方で成功していたはずのプラス・マイナスさんや和牛さんの解散、光と影、両側面からベテラン組にスポットが当たっている流れでの今回。

そうなると先述の「メタ漫才」の威力は若干下がっちゃうんですよ。
この大会何なんだ的な「そもそも論」は見方が定まってない荒地でこそ輝くもの。
でも今回は「この人たちがすごい」ってことをもう知ってる上で見てもらう形、去年でいうと決勝トーナメントの3本目からスタートって感じになり、シンプルに面白いのが有利な状況が整いました。

ノックアウトステージを見てこんなトレンドを感じ、トーナメントが出た上で個人的な予想としてはガクテンソクさんかななまがりさんが有利なのかなとまず思いました。ガクテンソクさんはとにかくボケ数が多いし分かりやすさもある、言葉ボケを連発するというスタイル的にネタ間のボケ移動も他の組よりやりやすく、ネタが組み換えやすい。だから6分×3本分は余裕でありそう。
一方ななまがりさんも森下さんのワードボケが無限にあるから3本楽勝だし、よりニッチでクレイジーな角度が刺さるお客さんだったら手がつけられない状態になるなと。

さあ本番楽しみというところで大仕事が入りましてリアタイできず、結果を知ってしまった状態から予想を確認することに。
俺はこの悔しさをバネに跳ぶベイブレード、公式の大会では使えないーー。

 

2007118
―ななまがり森下さん「…ウッ…ここは…?パラレルワールド…!?」―

 

見届け人は松本さんから有田さん・華大さんのトリオへ。
3
人とも演者にリスペクトあるコメント、お客さんも見慣れない「賞レースにいる有田さん」に若干の緊張感。
去年は言ってたhooo!!みたいなのもない。ますます王道の空気を感じました。

そしてトップのハンジロウさん、ビジュアルと出身、2要素の短いツカミ+長めのくだり、その後しっかり間をとった漫才5分。
これは観客と同時に演者側もSECONDにアジャストしてるなあ。
去年は6分を若干余しながら使っていたり、足りなくて詰め込んでるケースも見受けられたけど、これは本当に完璧な運びだと思いました。
ただ同時に後半の「アドリブ弱い」みたいなメタ発言パートが他より返りが弱かった、この時点でノックアウトステージのトレンド継続の気配がしました。

金属バットさんは流れがある分かりやすい漫才で大ウケ。客観性のある、大阪の治安が悪いというところにフォーカスを当て、さらに東京で収録を行う以上、お客さんが東京の人が多いことにアジャスト。途中からストーリー性のある展開をしつつ、一瞬だけ時事ネタで味チェンしてまた物語に戻した。
ご両人は一番計算とかしないタイプだとは思いますが、時事ネタで流れ続けずに元のレールに戻ったことで、今年のトレンドにハマって最後までウケ切って勝利。
台本感によって努力の年輪を見せることがお客さんの求めている漫才だと確信しました。

さあ強いぞラフ次元さん、と思ったらなぜか空気を掴みきれていない。
起こったこととしては「ウソかホントかどっちか分からない」と思われてしまっていた。
なぜだろう。すごい分かりやすいし、めちゃくちゃ上手いのにと思いました。
これおそらく、空さんが結婚していたことを隠していた、っていう事実から展開することが、ハンジロウさんのツカミの部分とごっちゃになって混乱が起きたのかなと。
ハンジロウさんだけじゃなく、SECONDの特性上、自己紹介を兼ねたゆったりしたツカミは「事実ベース」なことが多く、現にラフさんもそうであったし、ということは事実のパートだからこれはツカミで、これが終わったら虚構の話し合い=ネタが始まると思い込みすぎたか。これは王道ムードのデメリットですね。
真面目に聞こうとしすぎて「結婚を隠してた」、で「えー」とかも起きずに過ぎてしまったことでそのまま行ってしまったかなあ。
もちろんお笑いファンの人が多くてその話をすでに知っていた、とかもあるのかも知れませんが。

後攻のガクテンソクさんも、よじょうさんの上京、という事実からテーマに入っていってしまった。
これはまずいんじゃないかと思ったが違った。会話をベースにボケる空さんと違って明確に言葉でボケるよじょうさん、それを切り捨てる奥田さん。
明確に漫才と分かったら安心してウケるウケる。淡々とボケを重ねるけど、事実が下地になってるからストーリー性が感じられる。
ここで気づいたのは完全に台本びいきってことではなく、基本台本リスペクト体制の中、ほんの少しの感情が見えるバランスが求められてること。
割合で言ったら9:1くらいの感じで。
去年はギャロップさんや囲碁将棋さんなどの台本勢のことも人間で評価してる、大袈裟に言えば「全部ホントのこととして聞いてる」空気がありましたが、そこから変わりましたよね。
まだ学天即さんだった頃のTHE MANZAIも同様の空気だったからこその当時の苦戦もあったのかなと今想像します。
その空気の時に千鳥さんや華大さんがいたのは強すぎるなあ。年こそ被ってないけど忍者になって巻物を取りに行く方もいたくらいですからね。

 

201882
―ラフ次元梅村さん「オーイ‼」―

 

ななまがりさんも種類は違うけどラフさんと同じ落とし穴にかかってしまったような感じですね…。森下さんのワードでバッとウケるが、それが「本当に結婚している初瀬さんが不倫を耐える」ネタという構成にはお客さんの集中力が割かれていなかった。
台本リスペクトしてるなら構成まで見れるだろ、とか言わないでください。
そんな全部いっぺんに楽しむのはかなり難しいのです。
森下さんのボケがすごい!唯一無二!面白い!で、この設定なんだっけ、ってこともあるんですよ。
その分3点が取りきれず、一方どうしてもスタイル的に発生してしまう1点勢のマイナスをカバーできなかったのが惜敗につながってしまった。
タモンズさんはトレンドばっちし達人しゃべくり、ツカミのリアリティ、あるあるの精度も完璧、キャラクターで取りに行くところは普段ならもっとウケるところでしたが間も崩さずやり切った、ここは名勝負でしたねえ。

タイムマシーン3号さんは、他の組より知名度や実績が後ろに見えて全体的に上がっていたハードルがさらに上がってしまったと思います。
3
2本という意欲的な構成大好きだったんですけど、それも真剣勝負感が減る原因になっちゃったような。
その点、今回最大のアンチ・トレンド・ザ・パンチさんは正直きついかな、と思ってたらここまでがフリになってむしろはねるという、2022ウエストランド現象。(第一回・漫才過剰考察参照)
たっぷり人間ツカミ、「目を合わせる」っていう基本であり究極のテクニックと最強に面白い顔でお客さんの「審査員心」を破壊しててかっこよかったです。
本ネタのボケを絞って一発の威力もすごく上がっていて、そこが最年長の腕だなあって。

こっからは流れ通りというか、金属さんの宗教漫才もタモンズさんの誕プレ漫才も1本目よりは作品性が少なく点数は伸びない。
いや金属さんはむしろ高すぎて受け取れなかったのかも。ベスト16 かもめんたるさんも超面白かったのですが数字に出なかった。
ザ・パンチさんの洗練されたメタ・パーツも3本目には鮮度を失い、2大会連続準優勝者が大会最低点という最高にオイシイ悲劇になってくれた。

そんな中、ひたすらにボケを重ねて、ツッコミで広げて、お客さんを不安にさせず淡々とやりきったガクテンソクさん。
ギャロップさんは3本目で大胆に構成を変えるサプライズがありましたが、そういったフルスイングではなく、3本ほぼ同じフォーマットからの言葉ボケでシンプルに当て続ける。
ヒットをとにかく打ち続ける、ホームランバッターより年俸の高いヒットメーカーみたいな漫才師ですね。まじイチローです。
これには一弓もワンワンですよ。

同じことを若手がやっても絶対に説得力が足りない漫才、それを3本も。
THE MANZAI
のころから研鑽されていった、分厚い日記を読まされたみたいな感覚。いや、もはや辞典ですね。面白言葉大辞典的な。まさにナポレオンの辞書です。不可能のない、ボケがいっぱい並んだ面白い辞書。それをみんなで見ていた、というのが今回の大会でした。
お二人をミスターSECONDと呼んでもいいのかもしれません。呼んじゃいます。

来年は開催されるかまだわかりませんが、第3回が開催された暁にはさらにまた混迷を極める大会になることは間違いないでしょう。
暴れる叫び声と整えられたビブラートみたいな技術、侍とロボット、どちらのパターンも出尽くしたので、ここからどっちの良さをどうとるのか、どう見るのか。お笑いファンが審査するというザセカンドの設計上、審査員となるお笑いファンにどんな人が多いのか、けっこう運要素がデカくなりそうですよね。運とも言えるし、トレンドをいかに正確に捉えることができるか、とも言えそうです。意図的でもたまたまでも運やトレンドを捉えられた人が強い。相変わらず厳しい大会になりそうですね。いやぁ。。。SECONDやなあ。。。

 

 

 

Wikipedia

令和ロマン(れいわロマン)は、日本のお笑いコンビ。2018年結成。NSC東京校23期生。M-1グランプリ20232024[1][2]45ABCお笑いグランプリ王者[3]

メンバー

髙比良 くるま(たかひら くるま、199493 - )(31歳)

ボケ担当、立ち位置は向かって左。

  • 東京都練馬区出身。
  • 練馬区立富士見台小学校[4]本郷中学校・高等学校卒業[5]慶應義塾大学文学部中退[6]
  • 身長173 cm[7]、体重70 kg[7]血液型O型。
  • 本名、髙比良 直樹(たかひら なおき)[8][9][ 2]
  • 高校卒業後に一年間浪人し、あまり勉強していなかったが、ラグビー部の同期が「慶應とか早稲田とか記念に受ける」と言っていたため、「じゃあ俺も」といった軽いノリでついて行ったら受かったと語っている[11]。大学入学後は勉強に興味を持てず、通学しながら芸人をやることへのもどかしさを感じ[12]、相方・ケムリのNSC入学に合わせて中退[13]
  • 幼少期は家庭環境が複雑だったため、「いじめられないようにしなきゃ」と常に考えていたような子どもだったと振り返っている[14]
  • 中高時代はラグビー部に所属し、ポジションは主にフランカーを担当。チームメイトの怪我などでロックやNo.8などを担当していたこともある[4]
  • 見た目に気を配っているため美容に興味があり、コスメなどを利用する形で肌のメンテナンスを続けている[15][16]
  • 少年時代は、家庭が揉め気味だったうえ、一人っ子だったため、そんな中で毎回楽しみに『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ)を観て、「自分もさんまさんみたいになればつらい現実に勝てるかな」と思うようになったことがお笑いに興味を持ち始めたきっかけ[17]。くるま「喧嘩の声を聞きたくないからテレビをつけて、その中で1番うるさくて、喧嘩の声をかき消してくれたのがさんま御殿。」また、上記の明石家さんまを筆頭にとんねるずビートたけしのような「とにかく喋って笑わせる」芸風に少年期の頃から強い影響を受けている[18]
  • 慶應大学入学以降はフジテレビなどでタイパの良いアルバイト派遣社員などをしており、大学在学中だけでも合計1000万円ほど稼いでいた[19][20]
  • お笑いサークル時代は非常にやる気があったため、同時に9つほどコンビを組んでいた(魔人無骨、ピカリ宇宙論、上海魚人伝説など[4])。
  • いつかお笑い以外の色々な文化(音楽、演劇など)も交わるような漫才の劇場を作りたいという夢がある[21]
  • 漫画が好き。『モテキ』、『ハイキュー!!』、『アイシールド21』を特に好きな漫画として挙げている[14][22][23]
  • 大ヒットした作品をモチーフとした漫才を披露することも多く、漫画では『【推しの子】』、ドラマでは日曜劇場枠の『下町ロケット』や配信ドラマの『SHOGUN 将軍』をモチーフとした漫才を制作し、いずれもM-1グランプリ決勝などでも披露している。漫画に加えてドラマも好きで、個人的に好きなドラマとして木曜劇場枠の『最高の離婚』や火曜21時枠の『リーガル・ハイ』といった作品を挙げている[17][24][25][26][27][28]
  • 映画『BLUE GIANT』に感動した影響からジャズ・ファンクをよく聴くようになった[29]
  • 芸名の「くるま」は、運転免許を持っていないことを記憶しておくため名付けた[30][ 3]20233月、運転免許を取得[32]
  • ネタ作りの際は自身の生活から見つける「あるある」という感覚を普遍性に近いものとして大事にしている[21][33]
  • 京極風斗(9番街レトロ)と共に、YouTubeチャンネル「黙って食べれん」を運営している[34]
  • 横浜DeNAベイスターズを応援している[35]

松井 ケムリ(まつい ケムリ、1993529 - )(32歳)

ツッコミ担当、立ち位置は向かって右。

来歴

  • 慶應義塾大学のお笑いサークル「お笑い道場O-keis」の先輩後輩によってコンビ「魔人無骨」を結成。ケムリが3年生でくるまが2年生の時に飲み会の席で2人になり、そのまま結成する運びになった[12]。大学時代にはお笑いサークル日本一を決める「NOROSHI」にも出場していた[47]
  • 旧コンビ名の「魔人無骨」はケムリが名付けた。コンビ名は、森長可の名槍「人間無骨」から取り、エゴサーチをしやすくするため「人間」の部分を一段上の「魔人」に変えた[12]
  • NSC東京校23期出身で、2018219に開催された「NSC大ライブTOKYO 2018」で23期生133組の中で優勝。首席の座を勝ち取った[48]
  • 201812月、ヨシモトホールのファーストクラスメンバーへ昇格。芸歴1年目でのファーストクラス入りは異例の早さであった[49]。その後、2019628日の「ファーセカチェンジ」でセカンドクラスに降格[50]
  • 201941の夜、くるまが自身のTwitterで「令和」初日の51よりコンビ名を「魔人無骨」から「令和ロマン」に改名することを発表[51]。旧コンビ名について、以前から「怖い」「読めない」「もっとゴツいのが出てくるのを期待した」などの否定的な意見が観客や周囲から多く寄せられ、「いつか改名しなければ」と考えるようになっていたという。また、ヨシモトホールのファーストクラスに上がるようになって「いよいよ改名すべきだ」と自覚していたものの、恥ずかしさから踏み切れていなかった。先輩のたかし(トレンディエンジェル)に強く勧められたのをきっかけにようやく改名を決意し、当時一緒にいた徳井健太平成ノブシコブシ)から「元号を入れてみたら」とアドバイスされその方向で改名することになった[52]。なお、先輩コンビの「プリマ旦那」も新元号を用いた「令和喜多みな実」に改名していたため、連絡を取って赦しを貰っている[53][ 4]
  • 2020129日、『神保町よしもと漫才劇場お披露目公演』で所属メンバーとなる。同年211日、『神保町よしもと漫才劇場2月公演〜グランドバトル前半戦〜』で初代Sクラス(後の花クラス)となる。
  • M-1グランプリにはNSC在学中から出場し続けており、2018[ 5]2022年に準決勝進出。2023年、結成6年目にして初の決勝進出を果たした。ファーストラウンドでは一般的に不利と言われる1番手に登場したものの648点を獲得し、さや香ヤーレンズに次いで3位で最終決戦進出を決める。最終決戦では令和ロマン4票、ヤーレンズ3票という接戦を制し中川家以来のトップバッターでの優勝を果たした[55][56]。平成生まれのコンビが優勝するのは霜降り明星以来であり、これまで霜降り明星の芸歴の511か月だった記録を更新する芸歴59か月での優勝を果たした。
  • 2024223日、同年3月末をもって神保町よしもと漫才劇場を卒業することを発表[57]。卒業後は劇場には所属せず幅広く活動する[58]
  • 202477日、第45ABCお笑いグランプリに出場し、優勝。「ABCお笑いグランプリ」は2020年から出場を続けており、2022年、2023年は2年連続で準優勝、ABEMA賞を受賞していた。「M-1グランプリ優勝後にABCお笑いグランプリ優勝」を達成したコンビは、同大会史上初となった[59]
  • 2024823日、くるまがForbes JAPAN 30 UNDER 30 2024 ENTERTAINMENT & SPORTSを受賞した[60]
  • 20241222日、2009年大会のNON STYLE2010年大会のパンクブーブー以来14年ぶりに前年王者としてM-1グランプリ2024に出場し、大会史上初めて翌年にストレートで決勝進出を果たす。ファーストラウンドは2年連続で1番手となり、審査員9人中5人から95点以上の評点を得て850点を獲得、バッテリィズに次ぐ2位で最終決戦進出を決める。最終決戦では5票を獲得し、M-1グランプリ史上初の2連覇を成し遂げた[2]。来年以降の出場に関してくるまは「出ない」と宣言はしつつも、「M-1が盛り上がらなくなってきたら、また出るぞ」「まだ明日の自分がどんな自分かわからない」と再び出場する可能性があると言う意向を示している[61]
  • 2025214日、吉本興業所属タレントがオンラインカジノで賭博をした疑いで、警視庁保安課が所属タレントに任意の事情聴取を行い、聴取を受けた10人弱の中にくるまが含まれていることを毎日新聞が報じた。その報道の中で、くるまが大筋で関与を認めていると伝えられた[62]15日、コンビのYouTubeチャンネルで配信した動画において、くるまは2019年末から2020年末にかけてオンラインカジノをしていた事実を認め、謝罪[63]17日には吉本興業所有の劇場における令和ロマンの出演予定についても3月末の分まで休演となることが発表[64]19日にはくるまが自身のSNSを更新し、「今回の件を真摯に受け止め、自らを律する機会とするため」として、くるまのみの当面の芸能活動自粛を発表した[65][66]
  • 2025428日、吉本興業がくるまとのマネジメント契約終了を発表した。コンビ活動は継続し、ケムリは引き続き吉本所属でタレント活動を行う。同日、コンビのYouTubeチャンネルでくるまの活動再開が発表された[67]

·        2025518日、ニューヨークの公式YouTubeチャンネルで配信された『ニューヨークのニューラジオ』第317回にコンビで出演。くるまの吉本興業とのマネジメント契約終了の後に、初めてコンビで外部の動画に出した[68]

·        2025522日、隔週木曜レギュラーを務めている『ラヴィット!』(TBSテレビ)にコンビで出演。くるまが吉本興業とのマネジメント契約終了の後に、初めて地上波テレビ番組に出演した[69][70]

エピソード

  • くるまは「愛らしい人が横にいると、芸人としてかわいがってもらえるかな」という思いから太った人とコンビを組みたかったといい、大学在学時に所属していたお笑いサークルで最も太っていたケムリを相方とした[12]。当時のケムリはバンドサークルの方に注力し、お笑いサークルは大会に出演する程度だった。お笑いサークルでは、ケムリと一緒に組んでいた人がお笑いを辞めて就職活動を始めるということで「これはまずい」と焦り始め、これを見かねたくるまが誘ったという話もある[17]
  • ネタはくるまが大まかな流れを考え、それを基に2人で話し合って仕上げるという流れが多い[17]大喜利はケムリの方が得意であるため、細かなボケの部分はケムリが考え、穴埋め問題のように制作している[71]
  • 2019714日放送の『ゴッドタン』(テレビ東京)の「『こいつは天才だ!』と一目置かれている芸人」では、かが屋に次ぐ第2位に選ばれる。その際には川瀬名人(ゆにばーす)から「吉本の宝」と称されていることが明かされた[72]
  • くるまはヨシモトホールに毎日出演するため、渋谷の家賃10万円の家に引っ越したものの、半年後に活動拠点が神保町の漫才劇場に移動してしまい、自身はその引っ越しを後悔している[73]
  • よしもと福岡劇場ネーミングライツをケムリの実父が重役であった大和証券が取得[ 6]している縁から毎月3日間ほど出演し、それに伴い出演料を受け取っていた[74]
  • M-1グランプリ2022の敗者復活戦を機に、2023年の1年間ほぼ1か月に1回、ヤーレンズとのツーマンライブ(通称・ヤレロマ)を開催していた。前述の通り、M-1グランプリ2023のファイナルステージではヤーレンズとの接戦を制して優勝したが、令和ロマンとヤーレンズは以前から一緒に最終3組に残ることを目標としていたため、「あれが僕たちの目指した世界です」と述べている[75][76]2024218日放送の『ボクらの時代』(フジテレビ)にはこの2組で出演した[77]

出囃子

賞レース成績

M-1グランプリ

年度(回)

結果[80]

エントリー
No.

備考

2017年(13

2回戦進出

1073

2018年(14

準決勝進出

1552

準々決勝敗退後、GYAO!ワイルドカード枠で準決勝進出[81]

2019年(15

準々決勝進出

1469

2020年(16

366

特例シード

2021年(17

822

2回戦敗退後、追加合格で3回戦進出[82]

2022年(18

準決勝進出

1498

敗者復活戦2[83]

2023年(19

優勝

1955

決勝キャッチフレーズ「エキセントリックルーキー
ファーストラウンド3位通過
1回大会の中川家以来となるファーストラウンド1番手からの優勝

2024年(20

優勝

2684

決勝キャッチフレーズ「Champion
ファーストラウンド2位通過
史上初の2連覇2年連続のファーストラウンド1番手からの優勝[2]ファーストラウンド1番手最高平均得点(94.44点)

上方漫才協会大賞

年度(回)

結果

2019年(第四回)

大賞ノミネート[84]
新人賞ノミネート[84]

2020年(第五回)

大賞ノミネート[85]

2021年(第六回)

大賞ノミネート[86]
新人賞ノミネート[86]

2022年(第七回)

大賞ノミネート[87][88]

2023年(第八回)

大賞ノミネート[89]
新人賞ノミネート[89]

2024年(第九回)

大賞ノミネート[90]
話題賞[91]

ABCお笑いグランプリ

年度(回)

結果

備考

2020年(第41回)

最終予選進出[92]

2021年(第42回)

最終予選進出[93]

2022年(第43回)

準優勝タイ[94]

ABEMA賞受賞

2023年(第44回)

準優勝[ 7]

史上初となる2年連続のABEMA賞受賞

2024年(第45回)

優勝

R-1グランプリ

くるま

  • 2021 - 2回戦進出(「令和ロマンくるま」名義)[96][97]
  • 2022 - 2回戦進出(「髙比良くるま」名義)[98]
  • 2023 - 準々決勝進出(「令和ロマンくるま」名義)[99]

ケムリ

  • 2021 - 2回戦進出(「令和ロマンケムリ」名義)[96][97]
  • 2022 - 2回戦進出(「松井ケムリ」名義)[98]
  • 2023 - 準々決勝進出(「令和ロマンケムリ」名義)[99]

その他

出演

テレビ

バラエティ

現在のレギュラー・準レギュラー

過去のレギュラー・準レギュラー

特番(MCやメインキャストを担当)

  • 令和ロマンの娯楽がたり(テレビ朝日、20231228[116]202514[117]
  • 阪神・たこ焼き・令和ロマン!!ABCテレビ2024210[118] - 32日・202521日・8日)
    • 阪神・たこ焼き・令和ロマン!! ぶらりケムリ旅(202538日)ケムリのみ
  • みんなテレビ(テレビ朝日、2024621[119]20241124日〈23日深夜〉 - 1229日〈28日深夜〉[120] - MC くるまのみ
  • 永野&くるま クレバーなクレーマー(テレビ朝日、202472日〈1日深夜〉 - 23日〈22日深夜〉)くるまのみ
  • スマホがない時、どうしていたの?HBCTBS系、2024721日) - MC ケムリのみ[121]
  • マッシュアップ・ビジネス かけあわせが世界を変える(NHK Eテレ2024725日・26日) - メインキャスト(ファリシテーター)[122]
  • 犬とラーメンと赤ちゃん!(日本テレビ、2024728日・84[123] - MC(ラランド、ヨネダ2000と共同)
  • バクっと令和問題(テレビ朝日、2024811[124]
  • 令和ロマンの失礼かもしれませんが、どういうつもり!?(フジテレビ、2024817日・1228日)[125]
  • ケムリ×ニシダ×ぐんぴぃのモテないのはなぁぜなぁぜ?(テレビ朝日、202494日〈3日深夜〉 - 25日〈24日深夜〉)ケムリのみ[126]
  • 勝ち組老後案内人 松井ケムリの老後ドリー厶(テレビ朝日、202541日〈331日深夜〉 - 22日〈21日深夜〉)ケムリのみ[127]
  • ニカゲーム(テレビ朝日、202542日〈1日深夜〉[128] - 23日〈22日深夜〉[129]ケムリのみ
  • 松井ケムリのモクモク旅(テレビ朝日、202556日〈5日深夜〉[130] - 27日〈26日深夜〉)ケムリのみ
  • 先駆け!アーレーイーマー(北海道放送、2025713日) - MC ケムリのみ[131]

ドラマ

報道

  • NスタTBSテレビ、2025618日より不定期出演) - コメンテーター ケムリのみ[133]

ラジオ

レギュラー出演

パーソナリティ担当

単発出演・ゲスト出演など

配信番組

映画

CM

雑誌

  • OWARAI AND READ 005(アクセル・コミュニケーションズ、2023517日発売)
  • VOCE(講談社、2024322日発売) - 増刊の表紙を担当[ 12]
  • OWARAI Bros. Vol.9TV Bros.別冊お笑いブロス〉(東京ニュース通信社、202442日発売[183]

書籍

音楽

全てくるまのみ

  • 若手芸人HIPHOP同好会/若ヒ同Sampler Vol.1「全員銀河」(2024131/YOSHIMOTO MUSIC
    • 9.FSDO / 笹本はやて、吉野おいなり、高比良くるま
  • VaVatofubeats & 髙比良くるま/交差点(202494/SUMMIT
  • 礼賛/GOLDEN BUDDY feat. くるま(20241030/ワーナーミュージック・ジャパン)

主要なライブ・イベント

単独ライブ

  • 2018813 魔人無骨初単独ライブ「CO-OP OLYMPIA」(ヨシモトホール
  • 201951 元・魔人無骨単独ライブ「時代2」(ヨシモトホール)
  • 2026526日(予定) RE:IWAROMANKアリーナ横浜[185]

番組イベント

  • 202219 「令和ロマンのご様子」第100回記念イベント(株式会社newn オープンスペース)[186]
  • 2023811 「令和ロマンのご様子」3周年記念イベント(武蔵野公会堂[187]
  • 20251130日(予定) 「令和ロマンのご様子」5周年記念イベント(有楽町よみうりホール[188]

脚注

注釈

1.   ^ 2025428日までは吉本興業に所属。

2.   ^ 出生時の名字は「斉藤」だが、幼稚園児の頃に親が再婚し現姓になった[10]

3.   ^ 由来については、「養成所時代に講師であった野々村友紀子から『可愛げが無さ過ぎる』と言われて個人的に一番可愛いと思った『くるま』という言葉を芸名にした」と話すこともある[31]

4.   ^ 野村尚平(令和喜多みな実)は、「令和ロマン」のコンビ名について画数を調べたところ「大凶」だったと語っている[54]

5.   ^ この年の準々決勝敗退後、GYAO!ワイルドカード枠で準決勝進出。

6.   ^ 2025年現在、「よしもと福岡 大和証券劇場」という名称(202451日から)。なお、2020731日からの開設当初は「よしもと福岡 大和証券/CONNECT劇場」、2023331日からは「よしもと福岡 ダイワファンドラップ劇場」という名称だった。

7.   ^ 決勝での得点はダブルヒガシと同点だったが、ファーストラウンドの点数の差により準優勝となった[95]

8.   ^ 番組自体には202383日から準レギュラーとして出演[107]

9.   ^ 2025313日(12日深夜)・20日(19日深夜)・515日(14日深夜)・22日(21日深夜)放送回は、ケムリがくるまの担当部分を代演。

10.        ^ 1回から第3回までは木曜日更新、第4回目のみ金曜日更新、第5回目より毎週月曜日更新となった。

11.        ^ 放送当日に発生した地震の影響で生放送に間に合わず、午前2時頃まで粗品霜降り明星)が代打パーソナリティを務めた[154]

12.        ^ 男性お笑い芸人として初めて『VOCE』の表紙を飾った[182]

 

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