革命のファンファーレ 西野亮廣 2018.1.20.
2018.1.20. 革命のファンファーレ 現代のお金と広告
著者 西野亮廣 1980年兵庫県生まれ。芸人。著書に、絵本『Dr.インクの星空キネマ』『ジップ & キャンディ ロボットたちのクリスマス』『オルゴールワールド』『えんとつ町のプペル』、小説『グッド・コマーシャル』、ビジネス書『魔法のコンパス』があり、全作ベストセラー
発行日 2017.10.4.
発行所 幻冬舎
【寄贈品 西原図書館】
はじめに
「最近の若いヤツは…」という苦言は古来よりあるが、それが正しければ理論上人類なんてとっくに絶滅している
いつの世でも種として優秀なのは「年下」で、これは抗いようのない自然界のルール
僕より上の世代は、年下の世代のように「職業に寿命がある」という体験をしていない
スマホの登場以降、職業がなくなる場面をたくさん見ている。職業そのものがなくなっていく時代に突入し、副業、兼業、転職が常識になりつつある
やりたいことを賭け持つことや、やりたいことに迷うことは、これからの時代を生き抜く術だ
革命のファンファーレが鳴った ⇒ 情報革命。インターネットにより距離や時間の壁がなくなったが、親の世代はこの革命を経験していないので、教えようがない
好きなことをして生きていけるほど世の中は甘くないというが、これからは好きなことを仕事化するしか道が残されていない時代
頑張れば報われる時代は終わり、変化に対応しなければ生き残れない時代だ
成功や失敗には、マグレも不運も存在しない ⇒ 裏にあるのは、理由と原因だけ。すべて数学だ
¶ 他人と競った時点で負け。自分だけの競技を創れ
絵本『えんとつ町のプペル』は最初から「ヒットするしかない」というレベルまで追い込んで確実に当てにいった ⇒ 国内で5000部売れればヒットという世界で32万部と目標をクリア
成功の秘訣は、作り方を”超分業制”に変え、各分野のプロに任せたこと
絵本を1人で作るという原因の真ん中に「お金」という問題があったので、まず「資金調達」を解決することから始めた ⇒ 「作り方を疑う」ことから始めたために見えてきた問題
¶ キミの才能を殺したくなければ、お金の正体を正確に捉えろ
製作費用を購入型クラウドファンディングで集めた ⇒ 予約販売と似たようなもので、2度に分けて行い、合計9550人から56,504,552円集め、当時の歴代最高額
とろサーモンの久保田は、若手時代に世話になった劇場の修理費用を集めようとしたが20万の目標に対し半分も集まらず爆死、そのせいで頭髪が抜けたが、本人はメルカリで売ったと言い張る。久保田の場合はそれによって”久保田味”が増して得した
クラウドファンディングの勝ち方の基礎知識 ⇒ 「お金」とは何か、信用を数値化したもの(信用証明書)。信用証明書の”素材そのもの”の価値は変わるが、証明書を介して交換されているものは今も昔も変わらない。それが「信用」
クラウドファンディングとは、信用をお金化するための装置 ⇒ 成功するか失敗するかは企画者の信用度の差
テレビタレントのギャラの出どころはスポンサーで、広告費の一部がギャラとなるところから、タレントに求められるのは好感度だが、好感度を得るために不味いものでも美味いと言わなければならないが、ネット社会ではすぐにその嘘がばれてしまう
嘘を重ねれば信用は離れていく ⇒ 「人気タレント」ではなく「認知タレント」となるので、お金を払う人を「ファン」とするなら、人気タレントにはファンがいるが、信用のなくなった認知タレントにはファンがいない
現代のテレビ広告ビジネスの、最大の落とし穴がそこにある ⇒ 「好感度」と「信用」、「認知」と「人気」は、全く別物クラウドファンディングとテレビタレントは相性が悪いが、お客さんからの”ダイレクト課金”で生活しているアーティストとの相性は抜群なのは、嘘をつくメリットがないので当然信用も高い
¶ お金を稼ぐな。信用を稼げ。「信用持ち」は現代の錬金術師だ
信用の勝ち取り方 ⇒ 嘘をつかないこと、自分の意思を明確に表明することを徹底する。
芸人の「イジリ」はお互いの信頼関係で成り立っているので、同じことを言われても受け止め方は違って当たり前
「イジリ」と「イジメ」の境界線は言葉の強弱ではなく、”信頼関係の有無”
番組の収録中に、信頼関係のないディレクターから勝手にいじられたため、帰ってしまったことがあるが、そうなると同じような番組にも出られなくなるし、テレビ局との関係も悪くなるが、それでも自分の意思を明確に表明するのは嘘をつかないため
感情は環境に支配されるので、意思表明できる環境を作っておくことが重要
¶ 意思決定の舵は「脳」ではなく、「環境」が握っている
嘘をつかなくてもいい環境作りのために、「西野亮廣エンタメ研究所」というオンラインサロンを月1,000円の会費制でFacebookの非公開グループで行い、意見交換しているが、大御所に意見したり、情報番組のやり方に納得していないことを行動で表明すると会員数が顕著に増える ⇒ 炎上商法とは明らかに異質
自分が「芸人」と言っているのは、人とは一味違った生き方をする人という意味 ⇒ 職業ではなく生き方のことで、職業に寿命がやってくるこれからの時代では肩書を1つに絞ることは極めて危険と考え、色々な肩書を使い分けるという行動でその意思を表明している
そういう行動をとることができるのは、それによってサロンの収入が増えるという環境があるからで、そもそも嘘をつかなくてもいい環境にあるので「嘘をつく」という選択肢がない ⇒ 意思決定は、頭や心ではなく、環境が行っている
¶ 入り口でお金をとるな。マネタイズのタイミングを後ろにズラして、可能性を増やせ
ニュースになるのは、作品の内容ではなく、“賞”だったり、目新しい販売方法だったり、何より作品にまつわる数字で、売れている作品が売れる理由は、売れている作品が「ニュース」にしやすい数字を作っているから
「信用をお金に両替するツール」の登場により、正直者がバカを見る時代は終わり、「空気を読む」という行為がリスクになる時代
「信用のペース配分」が必要な時代
「西野亮廣独演会」は、2,000円のチケットで4500人来た ⇒ ネットで全てのものがガラス張りになった結果、客の値段感覚はきわめて正確で、2,000円で何を得ることができるのかを知っているので、本格的な舞台作りをした独演会で客は主催者側が負担を負っていることを見透かしている。その直前にクラウドファンディングの実施を決め、独演会のチケットを低く設定することで客が感謝してファンディングに参加してくれることを期待したのが成功
どのように数字を配置すれば、自分の数字をさらに増やすことができるのか? ⇒ マネタイズのポイントは、自分の目的に対して最適化されているか?
クラウドファンディングの第1歩は、企画を1人でも多くの人に見てもらうことで、そのための工夫も必要
¶ 作品の販売を他人に委ねるな。それは作品の「育児放棄」だ
『えんとつ町のプペル』は35人による分業制
何年も続く広告を作るために、音楽を選ぶ
アンチを手放すな ⇒ 後ろめたいことをしていなければ、反対派のエネルギーほど使えるものはないし、議論ほどコスパの良い宣伝はない
読者の手に届くまでの導線作りも、作品制作の1つ
¶ インターネットが破壊したものを正確に捉え、売り方を考えろ
本屋とアマゾンの違い ⇒ 物理的制約の有無で、本屋は20:80の法則といって、人気上位ランキング20%の本の売り上げが本屋の80%を占めるため、売れない本は売り場面積の関係から返品されるが、アマゾンにはそういう制約がないためロングテールで儲ける
生存競争は、「弱肉強食」ではなく「適者生存」
¶ 2017年1月。お金の奴隷解放宣言
ネットによる物理的制約の破壊は、ありとあらゆるものを無料化した
『えんとつ町のプペル』発売後3か月経って、「お金の奴隷解放宣言」と題してネット上で無料公開 ⇒ 本の売り上げが上がる
¶ 無料公開を批判する人間に未来はない
価値があるモノ(無料ではないモノ)を無料公開しているから、ファンが生まれ、巡り巡ってモノ作りに参加した人にお金が落ちる
ツイッターもグーグルも一見無料のようだが、その実マネタイズのタイミングを後ろにずらしているだけ
¶ 過去の常識にしがみつくな。その船は、もう沈む。逃げろ
「フリーミアム戦略」 ⇒ 基本的なサービスや製品は無料で提供し、さらに高度な機能や特別な機能については、料金を課金する仕組みのビジネスモデルのこと
ネット上での商品のコストは1個分しかかからないので、それが10億人に見てもらえれば10人に一人買うとしても1億個売れることに ⇒ ニュースサイトの編集長に最後にアマゾンのURLをつけて流してもらった結果、初日に200万以上が見た
絵本には「読み物」としての機能の他に、“読み聞かせ”という「親と子のコミュニケーションツール」としての機能も付随
無料公開本は、縦画面、縦スクロールにして”読み聞かせ”しにくいようにしてある ⇒ スマホを横にして横スクロールするのは、スマホ馴れした現代人の生活パターンから隔絶しているのでWebサービスとしての未来も危うい
絵本は「ネタバレ」がスタートライン ⇒ 購入の決定権を持つ母親は、内容を吟味して間違いないと思ったものしか買わないので、昔読んだ本を買う傾向にあり、平気で昔の本が今でも本屋に並ぶ
感情に支配されず、常識に支配されず、お金に支配されず、時代の変化を冷静に見極め、受け止め、常に半歩だけ先回りをすることが大切。沈んでいく船の最後に水に浸る部屋を奪い合ってはいけない
作品の無料公開が、たった半年で販売戦略のスタンダードになった ⇒ 革命のファンファーレが聞こえるか
¶ ネタバレを恐れるな。人は「確認作業」でしか動かない
人が時間やお金を割いて、その場に足を運ぶ動機は、いつだって「確認作業」で、つまりネタバレしているものにしか反応していない ⇒ ルーブルでモナリザを見る人は予めモナリザを見ているので、それをナマで見たらどうなるかの「確認作業」のために出掛ける
「独演会」もユーチューブで無料公開したら、翌年の集客が倍になった
ビジネス書でも、無料公開の場所を散らせば売り上げが伸びる ⇒ ネット上のあちこちから集めるより本を買った方が手っ取り早いので、本書も予約段階で2万部売った
¶ 作品の無料化が進み、エンタメ業界は完全な実力社会になる
無料公開で実力が可視化されて売り上げが伸びる人と、実力不足が露呈して売り上げが落ちる人の2種類が存在
無料化は、「実力の可視化」 ⇒ 入場料はクリエイターの実力を見えなくする
無料化は、マネタイズのタイミングを後ろにずらしているだけ
無料公開が常識の世界では、一番の広告は「作品のクオリティを上げること」
¶ その作品を守る為に、「著作権」は本当に必要か?
『えんとつ町のプペル』は、「著作権」はあるが、”ナアナア”にした ⇒ だれでも自由に使えるようにしたのも、絵本を1人でも多くの人に届けるため
相手持ちの広告をしてもらえる
著作権の必要度は人口に左右される ⇒ ネットの世界では無料で多勢の人に使ってもらえれば、「多勢が使っている」という価値が生まれるし、信用を稼ぐことができる
¶ 本を売りたければ、自分で1万冊買え。そこで必要なのは「財力」ではない。「努力」だ
アマゾンの予約販売は最長3か月前までのため、自分で予約販売サイトを立ち上げ
前作のビジネス書『魔法のコンパス』は10万部売り上げたが、発売から1か月間品切れが続く ⇒ ①ネット上のファンが多かったことを出版社に言っていなかったこと、②出版社との信頼関係が築けていなかったため信用してもらえなかったこと、③初版部数の見積もりの失敗の3つが原因
「どういうアクションを起こせば、他人が自分に時間を使いたくなるか?」を考える ⇒ 1万冊の先行予約分を幻冬舎から買って予約者に送るが、その際幻冬舎からもらった領収書をインスタグラムにアップした途端、各局のワイドショーが取り上げた
¶ 「セカンドクリエイター」を味方につけろ
購入型クラウドファンディングでは、作り手がそのまま消費者になるので、共犯者作りが重要
生活に必要か否かで、買うか買わないかの線を引く ⇒ 「作品」にはお金を出さないが「思い出」には出す。「おみやげ」になると財布の紐が緩む。個展を開催すると出口で絵本が売れたのも個展の「おみやげ」として売れた
「体験xおみやげ」という販売方法は、今後スタンダードになってくるだろう ⇒ 体験に紐付ければ、商品は確実に売れる
『えんとつ町のプペル 光る絵本展』を開催、特殊なフィルムにプリントされた絵をLEDのバックライトで照して光る絵として展示。その開催権利を30万で一般人に開放、西野のトークショーもつけて黒字になるように設定。成功すれば次々に開催希望者が増える
広告を作るときは、自分の手から離れていってもなお、こういった「広告の連鎖」が自然発生する基盤を作ることが大切
クリエイターに軸足を置かないまでも、時々趣味で作り手に回ろうとするセカンドクリエイター(ラジオで言うハガキ職人)の層が増えに増えた ⇒ これからの時代は、セカンドクリエイターのクリエイター心をいかに揺さぶるか、いかに「作ってみたいな」と思わせるか、がヒットの鍵になる
¶ 信用時代の宣伝は、口コミが最強。口コミをデザインしろ
現代の宣伝力は、信用力。信用が担保されない広告に、広告効果はない ⇒ 口コミが最強なので、広告も「いかに口コミをさせるか」の勝負
41枚の光る絵を41人の人に背負ってもらって歩かせれば、歩く個展となって、興味がない人にも届けることができるし、その人たちがインスタにアップすればさらにその外側の人たちに届けられる ⇒ 自分1人で広告をしてはいけない。”広告させる”ことが大切
¶ 自分の作品と、社会を一体化させろ
『えんとつ町のプペル』は、ハロウィンの物語で、制作中にハロウィンが大ブレイク、渋谷を中心に世界最大規模のコスプレ大会に変身したのをハックして、作品を渋谷っぽく作り直し、『えんとつ町のプペル』をハロウィンのアイコンや「おみやげ」にする ⇒ 「ハロウィン=ゴミ=プペル」の刷り込み
絵本の中の出来事を現実世界に引っ張り出す ⇒ エンタテイメントは時間の陣取り合戦で、時間を一番奪った人が勝つ
¶ 努力量が足りていない努力は努力ではない。誤った努力もまた努力ではない
読者に宣伝してもらうためにインスタ映えを考え、本を正方形にした ⇒ 見出しも正方形に収まるように
常識を疑い、実践し、修正点を炙り出し、伸ばすべきポイントを徹底的に伸ばす。その繰り返しだ。その先にしか、未来はない
¶ ニュースを出すな。ニュースになれ。自分の時間を使うな。他人の時間を使え
表に出せない情報が含まれていないなら情報解禁はいつでも構わないはず ⇒ 解禁した方がより情報が拡散するので、なんのための情報解禁日かを再考しろ
大切なのは、ニュースを出すことではなく、ニュースになること ⇒ 他人の時間を使えている
本書の販売戦略となったのは、引きも切らない講演会のオファーに目をつけ、講演会のオファーを可視化 ⇒ 講演会開催の権利40万円+本100冊をクラウドファンディングのリターンとして募ったところすぐに60件完売、4,600万円が集まってニュースになった
¶ お客さんは、お金を持っていないわけではなく、お金を出す「キッカケ」がないだけだ
本屋によるプロモーションから抜け落ちているのは、コミュニケーションデザインと、「お客側の手柄」 ⇒ “本を買うキッカケ”をデザインする必要があり、それはコミュニケーション。自分にポイントが入る/プラスになるようなコミュニケーションとはなにか
¶ インターネットは「上下関係」を破壊し、「水平関係」を作る
事務所や芸能界は、タレントからテレビやラジオの出演のチャンスを取り上げることはできても、個人からネットを取り上げることはできない
これからは”信用を稼ぎ、必要な時に必要な分だけ、自分の信用をお金に両替する”という生き方が当たり前に
¶ 《後悔の可能性》を片っ端から潰せ
「前説」の「声出しの練習」は、皆が声を出すことで、一人だけ笑って変に目立つという「後悔の可能性」を取り除いている
前説がない場合は開場時に流す音楽のボリュームを、開演に向けて徐々に上げていく
後悔の可能性を取り除くことを考えると、無料公開が購買に繋がる理由が見えてくる
¶ 老いていくことは「衰え」ではない。「成長」だ
老人しか持ち合わせていない能力(老人力)とは何か ⇒ 愛される欠陥、許され力
老人力を仕事化する ⇒ 店主の眠る居酒屋は、老人の店主が先に寝てしまうので来た客が仕方なく他の客の世話をする
天才万博の受付や客の誘導スタッフをお願いする
¶ 次の時代を獲るのは「信用持ち」だ
個人の信用そのものが売り物となる職業が世に出てくる
¶ 本ではなく、店主の信用を売る古本屋、『しるし書店』
孫正義が読んで線を引いたり折ったりした本と、でくの坊の本とが同じように値が下がるのはおかしい ⇒ 孫正義が呼んだというところに価値を見出せるはず
ネットショップで、著者がしるしを入れた1,500円の本を5,000円で売ったらすぐに売れた
ネットショップで売るのは、店主の視点であり、店主の信用
読書も立派な特技なのに、読書の得意な人にはそのための職業がない ⇒ 「アイツが薦める本は面白い!」となれば信用となり、お金化することができる。あとは信用の両替機
古本販売サイトから、古本コミュニケーションサービスに発展。各商品ページにトークルームをつけ、SNS的に展開
¶ 売れない作品は存在しない。キミの作品が売れないのは、キミが「売っていない」だけだ
需要を事前に知れる時代に、需要を事前に知る努力をサボり、延々と博打を続けている出版業界 ⇒ 過去の需要から売り上げ予測を立てても確実なものは出てこない
クラウドファンディング等でマーケティングが可能になったので、需要を事前に知り、必要な分だけを作れば間違いない
¶ 出版のハードルを下げ、国民全員を作家にする出版サービス『おとぎ出版』
取次を通した”マス向け”の出版と、取次を通さない”ニッチ向け”出版があっていい
“ニッチ向け”では、クラウドファンディングによって事前に買い手が100人に達すれば出版、作家印税は33%、本の権利は作家に帰属し、作家はその本の実績によって大手出版社に売り込める ⇒ 取次を通さないがゆえに可能な仕組み
人は承認欲求の塊なので、皆の欲求を満たす国民総クリエイター時代の扉を開ける
¶ 踏み出す勇気は要らない。必要なのは「情報」だ
幸福度を決めるのは、クオリティではなく、昨日からの「伸び率」 ⇒ いかに伸び率を大きくデザインするかが大切
自分の個性というのは、汲み上げた情報の編集結果 ⇒ 編集素材たるアイデア(他人の脳ミソ)の待ち合わせ場所になった者勝ちで、重宝されるのは行動する人間。アイデアの”良い実験台”になってくれる。体験の数が勝負の決め手。1歩踏み出すために必要なのは、ポジティブシンキングではなく、ロジカルシンキングで、そのために情報が必要
情報は行動する人間に集まり、更なる行動を生み、また情報が集まる
努力だ、圧倒的努力、これに尽きる
¶ おわりに
決定権は偉い人の特権ではない、覚悟だ
未來は、覚悟に比例する
自分の人生を生きたいのなら、決定権を持て
(ビジネス)『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』 西野亮廣〈著〉
2017.11.19. 朝日
■ネット時代の本の売り方を指南
漫才コンビ、キングコングのつっこみ担当、というより、発行部数32万部の『えんとつ町のプペル』の作者として話題の絵本作家が放つ、ネット時代の本の売り方の指南書だ。既存の概念が覆される。
『プペル』発売から約3カ月後、著者はネット上で全編無料公開した。結果、部数はさらに7万~8万部急伸した。なぜか。公開日に約200万人がアクセス。1%でも「紙の本を買おう」と思えば、「その時点で2万部は売れる」。
本の制作費はクラウドファンディングで調達。2回実施し、計約5650万円の支援額と当時歴代最高の約1万人の支援者を獲得した。リターンの一つとして『プペル』の絵本展の開催権利を解放。一般人をつくり手側に巻き込むことで、費用ゼロの「広告の連鎖」を起こしていった。
ネット時代は「信用」が資源になるとの確信が原点だ。クラウドファンディングは「信用をお金化するための装置」。信用を得るには芸人でも「自分の意思を明確に表明する」。そこでスポンサー頼みを脱し、自ら会費制オンラインサロンを開設した。ネット上ではすべてが「無料化」する時代のパラダイム転換。
一読後、脳裏に「革命のファンファーレ」が鳴り響く。
勝見明(ジャーナリスト)
*
『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』 西野亮廣〈著〉 幻冬舎 1500円
Wikipedia
西野 亮廣(にしの あきひろ、1980年7月3日[1] - )は、絵本作家[2]、俳優。お笑い芸人としては本名の西野 亮廣(にしの あきひろ)名義で、お笑いコンビキングコングのツッコミ、ネタ作り担当として活動。相方は梶原雄太。絵本作家としてのペンネームはにしの あきひろ。
経歴[編集]
生い立ち[編集]
名前の「亮廣」(「あきひろ」)は、『三国志』の「諸葛亮(しょかつりょう)」から「亮」という字をとった。父親が大の三国志好きで、賢い子になるようにと付けた。「廣」は画数で縁起がいいからである。主演映画『ガキンチョ★ROCK』での「コウメイ」という名前も諸葛亮の字「孔明」に由来する。
お笑い芸人として[編集]
2016年6月28日、芸人引退を宣言。以降は肩書きを絵本作家とした。「肩書だけの問題」として芸能活動からの引退ではないとしている[2][8][9][10][11][12]。 漫才師としても劇場に出演を続けている。
絵本作家として[編集]
絵画を特技としており、美術教師に美術大学進学を勧められたが、小さい頃からお笑い芸人になることしか考えていなかった。単独ライブでも舞台セットには彼の絵の拡大パネルが使用されている。2005年3月には『音楽戦士 MUSIC FIGHTER』で初めてテレビ番組のセットをデザインし、その後も『大キングコング 情熱!しゃべり隊!!』の舞台イラストを手掛けた。また、『メレンゲの気持ち』のコーナー「ありえないグランプリ」での本の表紙のイラストを描いた。
タモリからのアドバイスをきっかけに絵本作家を志し[13]、独学で絵を学ぶと、約5年の月日をかけ制作した初の作品となる絵本『.インクの星空キネマ』を2009年1月26日に発売、にしの あきひろ名義で絵本作家としてデビューした[14][15]。2010年1月25日には2冊目の絵本『Zip&Candy -ロボットたちのクリスマス-』を出版、銀座では完成記念個展も開かれた。2012年11月にはタモリの原案による3冊目となる絵本『オルゴールワールド』を上梓した[16]。
クラウドファンディングにより出資を募り、2013年2月にニューヨーク・トライベッカのOne Art Spaceにおいて初の海外絵本絵画展「Akihiro
Nishino Solo Art Exhibition」を開催した[17][18]。また、11月には「TDW ART FAIR 2013」の「小川登美夫賞」「川崎健二賞」を受賞した[19]。
2015年秋に東京・新宿の明治神宮絵画館前で開催された『TOKYO DESIGN WEEK 2015』では、TDWを主催するNPO法人デザインアソシエーションの理事でもある自身が発案した「Shibuya Halloween Ghostbusters」の企画でハロウィンで捨てられたゴミを集めたトラッシュアートの展示[22]、自らがプロデュースした「西野アトリエ&カフェ」を期間中にオープン。
2016年4月にはショコラティエ・小山進とのコラボレーションによる絵本『The Lost Treasure 失われたアルアコの秘宝 〜時を経て再び巡り会う運命のカカオの物語〜』を発表[24]、同年秋には自身が構想を考え文章と絵コンテ、キャラクターデザインを担当し自身初となる完全分業制の形をとった[25]4年半をかけて制作中の絵本『えんとつ町のプペル』の出版を控える[9]。
人物[編集]
マラソンが得意で、『オールスター感謝祭』(TBS)の名物コーナー「赤坂5丁目ミニマラソン」で、2002年秋に初出場初優勝を達成。その後2004年春、2004年秋では、史上3人目となる春秋連覇を果たした[27][28]。
2013年2月、自身のツイッター上で放送作家・鈴木おさむの著書「芸人交換日記」に対し批判的なツイートをしたことで炎上。これに対し鈴木の妻で事務所の先輩である森三中・大島美幸が激怒し、FNS27時間テレビにて共演した際に西野に対し挑発的な態度をとった。西野もこれに反論したことで生放送中にもかかわらず一触即発の状態となる。以降、長きにわたり正式な和解はなされなかったが、同年11月14日放送の『アメトーーク』で「好感度低い芸人」として出演した際、ゲストとして呼ばれた鈴木と対面。その場で謝罪し、和解が成立した[30]。
2015年10月4日、自身の炎上の元とも思われるTwitterをやめる。翌日10月5日のFacebookの投稿によると、理由としては「嫌な思いをしたとか、そういうのじゃなくて、単純に『飽きちゃった』というのが一番の理由。(中略)あと、これは自分自身に思ったことだけど、呟いてる自分が急激にダサく感じてしまいました。『呟くなよ、作れよ』と。あくまで、自分自身に対してね」[32]。現在はインフォメーションとして、Twitterをやっているが私事の呟きは見られない。
2016年5月、「ロボットやAIが台頭する中で急速に変化をしていく人の働く環境において、自らの働き方をデザインして実行し続ける姿勢にインスパイアを受けた」として、自身が校長を務めるカンファレンスイベント「サーカス」などでの交遊があるクラウドワークスの吉田浩一郎社長から任命され、新しい働き方を指南する同社の「デタラメ顧問」に就任した[33]。
2016年3月に行われた自身がMCを務める読売テレビ『ガリゲル』のイベント「ガリゲル音楽祭 おとあい」のオープニングトークで楽屋にあった「パインアメ」を配って話題を呼んだことで、「パインアメ」製造元のパイン株式会社より業務用「パインアメ」10袋(10kg)の贈呈を受け、自身のライブで配りきれなかった「パインアメ」を常に持ち歩き道行く人から声をかけられるたびに無料で配布。この活動に対し同年6月にパイン株式会社より感謝状を受け、また8月8日の「パインアメの日」まで同社の「特命配布主任」に任命された[34]。
2016年7月、「ロボットがどんな風に人間の仕事を奪っていくかに興味がある」という西野は、ロボットの可能性の模索とロボット業界の活性化を目指すメディア「ロボットノート」を運営する株式会社Sabeevoの藤岡拓己社長よりオファーを受け、これを快諾。同社の「へんてこロボット博士」に就任した[35]。
主な出演[編集]
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