FACTFULLNESS  Hans Rosling  2022.3.29.

 

2022.3.29. FACTFULLNESS 

10の思い込みを乗り越え、データをもとに世界を正しく見る習慣

FACTFULLNESS  2018

 

著者 

Hans Rosling 1948年スウェーデン・ウプサラ生まれ。17年癌で死去。ウプサラ大で統計学と医学を学び、インドのバンガロールの聖ヨハネ医科大で公衆衛生を学美、1976年医師に。3人の子を育てた後、197981年モザンビークで地域担当医師、神経麻痺の病気コンゾを発見、'86年ウプサラ大より博士号。97年からはストックホルムのカロリンスカ医科大でグローバルヘルスの教授。専門は経済発展と農業と貧困と健康の繋がりについての研究。05年息子のオーラとその嫁アンナと共にギャップマインダー財団を設立。財団の使命は、とんでもない知識不足と闘い、誰でも理解できるような「事実に基づく世界の見方」を広めること。彼の10回のTEDトークは延べ35百万回再生

Ola Rosling 1975年スウェーデンのフディクスバル生まれ。0507年ギャップマインダー財団のディレクター。ギャップマインダーのチンパンジークイズを開発、知識不足を体系的に測定するプロジェクトやその認証プロセスを開発。99年からは「トレンダライザー」として有名になったバブルチャートによるツールを開発、07年グーグルに買収された後、10年までそのチーム・リーダー。16年にナイラス国際統合開発賞を、17年にはレジメ・スーパーコミュニケーター賞と金の卵賞を受賞

Anna Rosling Rönnlund 1975年スウェーデンのファールン生まれ。ルンド大で社会学を学び、ヨーテボリ大で写真を学ぶ。ギャップマインダー財団のVP17年レジメ・スーパーコミュニケーター賞と金の卵賞を、ファスト・カンパニー誌の世界を変えるアイディア賞受賞

 

訳者 

上杉周作 IT技術者。カーネギー・メロン大でコンピュータサイエンス学士、ヒューマンコンピュータインタラクション修士取得、卒後、シリコンバレーのPalantir Technologiesにてプログラマー、Quoraにてデザイナー、EdSurgeにてプログラマーを経験。現在はフリーランスプログラマーとして活動する傍ら、不定期で実名ブログを更新中

関美和 翻訳家。杏林大外国語学部准教授。慶應大文・法卒。電通、スミス・バーニー勤務の後、ハーバード・ビジネス・スクールでMBA取得。モルガン・スタンレー投資銀行を経て、クレイ・フィンレイ投資顧問東京支店長を務める。バングラデッシュのアジア女子大の運営にタッチ

 

発行日           2019.1.15. 第1版第1刷発行

発行所           日経BP

 

はじめに

「ファクトフルネス」は、著者の造語。18年にわたる父息子夫婦による共同作業の賜物

05年ギャップマインダー財団を設立し、事実に基づいた世界の見方を広め、人々の世界にまつわる圧倒的な知識不足をなくそうと決意

 

イントロダクション

剣飲み芸は、顎を突き出すと喉がまっすぐになり、平たいものは真っ直ぐに入っていくという事実を応用したもの

質問 1      低所得国に暮らす女子の何割が初等教育を修了するか?

  A 20% B 40% C 60                                             C

質問 2      世界で最も多くの人が住んでいるのはどこか?

  A 低所得国 B 中所得国 C 高所得国                                  B

質問 3      世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は過去20年でどう変わったか?

  A 2倍になった B あまり変わっていない C 半分になった       C

質問 4      世界の平均寿命は何歳?

  A 50歳 B 60歳 C 70                                                  C

質問 5      15歳未満の子供は世界に20億いる。国連予測では2100年には何人?

  A 40億人 B 30億人 C 20億人                                         C

質問 6      国連予測では2100年までに40億人増加するというが、増加の大きな理由は?

  A 子供(15歳未満)が増 B 大人(1574)が増 C 後期高齢者が増    B

質問 7      自然災害で亡くなる人は過去100年でどう変化?                     

  A 2倍以上に B あまり変わっていない C 半分以下に              C

質問 8      現在の人口70億人の分布は?

A アジア40億、欧・米・アフリカ各10                           A

B アジア30億、欧・米各10億、アフリカ20

C アジア30億、米20億、欧・アフリカ各10

質問 9      世界の1歳児で何らかの病気に対する予防接種を受けている比率は?

       A 20% B 50% C 80                                                    C

質問 10   世界で30歳男性は平均10年の学校教育を受けているが、女性は?

A 9年 B 6年 C 3                                                                                                                                 A

質問 11   1996年トラとジャイアントパンダ、クロサイは絶滅危惧種だったが、当時よりも絶滅の危機に瀕しているのはいくつ?

A 2つ B 1つ C ぜろ                                                                                                                               C

質問 12   いくらかでも電気が使える人は世界にどれくらいいるか?

A 20% B 50% C 80                                                                                                                            C

質問 13   グローバルな気候の専門家は、今後100年、地球の平均気温はどう見るか?

A 暖かくなる B 変わらない C 寒くなる                                                                                                      A

 

質問13を除いて、平均正解数は12問中2問。全問正解はなく、全問不正解が15

無作為に回答を選ぶよりも正解率が低いのは、皆が同じ勘違いをしている証拠

不正解の答え2つのうち、よりドラマチックな方を選ぶ傾向があるのは、ほとんどの人が世界は実際よりも怖く、暴力的で、残酷だと考えているから

知識不足の原因は何か? 「ドラマチックすぎる世界の見方」が原因――世界は戦争や災害で物騒になり、格差は拡大し、貧困は増え続ける。天然資源も放置すればすぐに尽きる

瞬時に何かを判断する本能と、ドラマチックな物語を求める本能が、「ドラマチックすぎる世界の見方」と、世界についての誤解を生んでいる

「ファクトフルネス」という習慣を毎日の生活に取り入れ、訓練を積めば、「ドラマチックすぎる世界の見方」をしなくなり、事実に基づいた世界の見方ができるようになる

 

第1章     【分断本能】「世界は分断されている」という思い込み

子供の出生率(女性1人当たりの子供の数)や乳幼児生存率(5歳まで生存する子供の割合)でみると、世界人口の85%までが50年前先進国と言われていた枠内に入る

「先進国と途上国」とか、「西欧とその他」などの分断は、今や過去の話。大半の人がどこにいるかを探す

低所得国の暮らしは人々が想像するほど酷くなく、暮らす人自体も世界人口の10%以下

分断を見分ける3つのポイント――①平均の比較、②極端な数字の比較、③上からの景色

平均値を比較すると分断があるように見えても、「分布」を見ればより正確に全体像を把握できる――互いに重なり合うことが意外に多い

分断本能は、極端な例に刺激されやすいが、両極端を比較しても有益な学びは得られない。大半の人はその中間にいる

暮らしのレベルを4段階にすると、最上層から見ると下は皆同じに見える

 

第2章     【ネガティブ本能】「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み

過去20年で、極度の貧困にある人の数は半減したが、それを知っている人の割合はほとんどの国で10%未満

各国の所得水準と健康水準(平均寿命)を両軸に取ったグラフでも、豊かで健康な国がどんどん増えているのがわかる。現在平均寿命が50歳未満の国はない

戦争や紛争の被害者や大気汚染など悪いことは減り続け、自然保護、安全な飲料水の確保など良いことは増え続けている

ネガティヴ本能を刺激する要因――①あやふやな過去の記憶、②ジャーナリストや活動家による偏った報道、③「以前に比べたら良くなっている」と言いづらい空気

「悪い」は現在の状態であり、「良くなっている」は変化の方向で、2つを見分けるのが重要

 

第3章     【直線本能】「世界の人口はひたすら増え続ける」という思い込み

キーワードは「ひたすら」で、勘違いを象徴

紀元前8000年、農業が生まれた時、世界の人口は500万人

1800年頃、漸く10億人になるが、その後の130年間で倍になり、さらに100年しないうちに70億人になった

グラフを見るとき、「線の続き」を見てしまう、それも直線で

何かの現象を理解するには、グラフの形をきちんと知ること。グラフで示されていない部分を不用意に憶測しない

 

第4章     【恐怖本能】危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み

頭の中と外の世界の間には「関心フィルター」があって、世界の雑音から守ってくれるが、それをすり抜けるのが本書で指摘する10の本能に関わる情報

人の頭の中に一番すんなり入ってくるのは、物語形式で伝えられる情報で、それだけにドラマチックに聞こえやすい

生活に余裕が生まれると、自然の過酷さに悩まされることも少なくなり、進化の過程で発達した恐怖心は、逆に足を引っ張る

特に、①身体的な危害、②拘束、③毒、に関わる情報には恐怖心が敏感に反応

自然災害で亡くなる人の数は、過去100年で1/4に減少しているのは、生活レベルが上がったからで、レベルが低い地域でも死亡者が減っているのは教育の質が上がり、災害対策のコストが下がり、国際協力が盛んになったから

2016年には世界で4000万機の旅客機が死者を1人も出さずに目的地に到着、死亡事故はわずかに10機だが、報道されるのは10機の方で、人々の関心もそちらに向く

恐怖本能のお陰でお互い助け合うことができるが、逆にそのせいで年間33万も下痢で亡くなる子供がいることはニュースにならず、我々も気づかない

恐ろしいが起きる可能性が低いことに注目し過ぎると、本当に危険なことをも逃してしまう――死亡者数と死因を冷静に見つめるべき

恐ろしいと思うことは、リスクがあるように「見える」だけだが、危険なことには確実にリスクがあるので的確な対応が必要

 

第5章     【過大視本能】「目の前の数字がいちばん重要だ」という思い込み

人は皆、物事の大きさを判断するのが下手。何かの大きさや割合を勘違いするのは、我々の「過大視本能」が原因――数字を1つだけ見て数字の大小を判断することと、実例を重要視し過ぎることの2通りの勘違いがある

特に、過大視本能とネガティヴ本能が合わさると、人類の進歩を過小評価しがちになる

過大視本能のせいで、多くの人が限られた時間や労力を無駄遣いしがちで、顔の見える患者やたった1つの出来事など、「目の前にある確かなもの」に気をとられる

最大の予防策は、①比較と②割り算――数字は必ず他の数字と比較してみることと、数字を一定の母数に対する比率で見直してみることが必要

8020ルール――1つのデータのなかで80%を占める項目を探し、そのなかで大きな項目を探して分析すれば全体が見えてくる

 

第6章     【パターン化本能】「一つの例がすべてに当てはまる」という思い込み

パターン化はメディアの十八番であり、手っ取り早い情報伝達手段となっているが、それが誤解を生んでいる。ある分類をたくさんの人が間違いだと気づくと、それはステレオタイプと呼ばれ、人種や性別で一括りにするなど、多くの深刻な問題を引き起こす

よく使う分類を、常に見直すことが必要――①同じ集団の中の違いと違う集団の間の共通点を探す(ステレオタイプ的見方からの解放)、②過半数に気を付ける(51%か99%か)、③例外に気づく(1つの例外だけで全体を判断しない)、④自分が「普通」だと決めつけない、⑤1つのグループの例をほかのグループに当てはめていないか振り返る

パターン化は間違いを生み出しやすい。分類自体を疑ってみる

 

第7章     【宿命本能】「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み

宿命本能とは、持って生まれた宿命によって、人や国や宗教や文化の行方は決まるという思い込みで、社会の劇的な変化が見えなくなる

宿命本能を抑えるには、①ゆっくりした変化でも変わっていないわけではないことを知る、②積極的に知識をアップデ-トする、③世代間で価値観を比較してみる、④文化や習慣が変わった例を集める

 

第8章     【単純化本能】「世界は一つの切り口で理解できる」という思い込み

世界を1つの切り口で見てしま理由は2つ――①政治思想と、②専門知識

専門家でも、専門以外のことについては知らないし、専門知識が邪魔することもある

特定の政治思想に凝り固まると、1つの考え方や解決策に捉われ、社会に害を与える

 

第9章     【犯人捜し本能】「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込み

何か悪いことが起きた時、単純明快な理由を見つけたくなる傾向が、犯人捜し本能

誰かを責めることに気持ちが向くと、学びが止まり、複雑な真実から目を逸らす

本当に世界を変えたいのなら、犯人捜し本能は役に立たない

犯人を捜すのではなく、原因を探して、その原因を除くことに努力しよう

ヒーローではなく、社会を機能させている仕組みに目を向ける

 

第10章 【焦り本能】「今すぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み

今やらないと、もう次はない――それが焦り本能を引き出すコツ

目の前に危機が迫っていると感じると、焦り本能のせいですぐに動きたくなるが、現代の生活では差し迫った危機はほとんどなくなり、もっと複雑で抽象的な問題にぶつかることの方が遥かに多いので、じっくり考えてから必要な対策を施す

反対に、環境問題のように、比較的遠い未来のリスクとなると、誰も焦らず、すぐには動こうとしないので、リスクを目の前に迫ったものだと感じさせ、焦り本能を引き出さなければならない。そのためにはCO2の排出量など裏付けとなるデータの改善から始めるのが一番。正確で重要なデータに拘る

世界の見方を歪めてしまう最悪の本能の1つが焦り本能――焦ると思考が停止し、愚かな判断に繋がる

現代のグローバルなリスクは5つ――①感染症の世界的流行、②金融危機、③世界大戦、④地球温暖化、⑤極度の貧困

感染症の専門家の間では今も、新種のインフルエンザが最大の脅威だというのは共通の認識になっていて、その感染経路は目に見えない粒子になって飛沫感染(ママ)するので、エボラやエイズのような病気よりはるかに大きな脅威になる

焦り本能を抑えるには、小さな一歩を重ねるといい

 

第11章  ファクトフルネスを実践しよう

最新の事実に基づく世界の見方を、子供たちに教えよう。世界の4つの地域の4つの所得レベルで人々がそれぞれどんな暮らしをしているかを教えるべき

世界のニュースをファクトフルネスの視点で見ることが必要

何よりも、謙虚さと好奇心を持つことを子供たちに教えよう

謙虚であるということは、本能を抑えて事実を正しく見ることがどれほど難しいかに気づくことであり、自分の知識が限られていることを認めること

好奇心があるということは、新しい情報を積極的に探し、受け入れるということであり、自分の考えに合わない事実を大切にし、その裏にある意味を理解しようと努めること

 

ファクトフルネスの大まかなルール

1.    【分断本能】を抑えるには、大半の人がどこにいるかを探そう

2.    【ネガティブ本能】を抑えるには、悪いニュースの方が広まりやすいと覚えておこう

3.    【直線本能】を抑えるには、直線もいつかは曲がることを知ろう

4.    【恐怖本能】を抑えるには、リスクを計算しよう

5.    【過大視本能】を抑えるには、数字を比較しよう

6.    【パターン化本能】を抑えるには、分類を疑おう

7.    【宿命本能】を抑えるには、ゆっくりとした変化でも変化していることを心に留める

8.    【単純化本能】を抑えるには、1つの知識がすべてに応用で見ないことを覚えておく

9.    【犯人捜し本能】を抑えるには、誰を責めても問題は解決しないと肝に銘じよう

10. 【焦り本能】を抑えるには、小さな一歩を重ねよう

 

 

 

 

 

 

 

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』

ハンス・ロスリング/オーラ・ロスリング/アンナ・ロスリング・ロンランド 著 上杉 周作/関 美和

日経BP

思い込みを捨て、事実を基に世界の真実を知る方法

 「自然災害で毎年亡くなる人の数は、過去100年でどう変化した?」という問題にあなたはどう答えるだろうか。近年、頻発する大地震や津波を想起し「今までと変わらない」と答える人も多いだろう。しかし、正解は「半分以下になった」である。

 この問題は世界的な正解率も低いそうだ。なぜ低いのか。それは人間が過去の経験や情報からの思い込みによって、知識をアップデートしなくなる本能をもつからだ。

 本書『FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』は、このような世界の事象に関わる13の問題をクイズ形式で出題して、私たちが普段いかに思い込みにとらわれているかを教えてくれる。ファクトフルネスとは著者の造語で、「事実に基づいて世界の真実を知ろう」という意味だ。著者のハンス・ロスリングはスウェーデンの医師で、公衆衛生学者。

本能で感じる社会、データで知る世界

 本書では人間の本能に基づく10の思い込みが挙げられている。そのひとつ「ネガティブ本能」は「世界がどんどん悪くなっている」という思考をもたらすものだ。

 本書には「極度の貧困に暮らす人は、過去20年でどう変わったか?」というクイズも登場する。小学校に通えない少女を映す広告や、絶えない紛争の報道に触れると、貧困層が増えている印象を受けがちだろう。だが、実際は極度の貧困に暮らす人は世界中で20年前の約半分に減少したというデータがある。1997年頃の中国は人口の約40%が極度の貧困だったのに対し、2015年までにその貧困率は実に約0.7%にまで低下しているのだ。

 「悪いニュース」は「良いニュース」に比べて心を刺激し、強い印象を残す。だがそうした悪いニュースに触れてただ「世界が悪くなっている」と考えるのは、「なんとなく感じているだけ」だと著者は指摘している。つまり深く思考してはいないのである。

見方を変えた先に待っているもの

 「ゆっくりとした進歩はニュースになりにくい」とも著者はいう。ネガティブ本能を抑え、ファクトフルネスであるためには、この点も踏まえておくことが大切だ。

 数年前のことだが私の所属する会社で、今まで主力だった事業をやめ、新しい事業にシフトしたことがある。私を含め社員からは新たな取り組みによって生じるリスクを憂慮し、反発する意見が目立った。新事業は目標達成に至っていない、という情報を「ほらやっぱり」と聞いていたものだ。

 年頭に、新事業の運営を振り返る機会があった。上長は「目標達成に至ってはいないが昨年の顧客満足度は65%から72%に上昇した。この数字が進化を示している」と話した。その言葉は、緩やかな変化も進歩である事実を忘れないでほしいと語る、著者のメッセージと重なって私の胸に響いた。

 事実に基づいて世界の見方を変えてみることは、思い込みという呪縛から逃れることだ。見えない不安を抱えたり、変革に躊躇している人にこそ読んでほしい1冊だ。

 

 

美女読書:

FACTFULNESS(ファクトフルネス)』を読んでみたいと思ったきっかけは、ある新聞記事でした。ビル・ゲイツが、2018年にアメリカの大学を卒業した希望者全員に、この本を無料でプレゼントしたというのです。そこまでして推薦するのだから、きっとものすごく良い本に違いない!そう期待が膨らんで読んでみることにしました。

 ページをめくると、突然クイズが始まります。世界で起きていることについての簡単な問題が、全部で13問。

 例えばこんな問題です。

 世界中の1歳児の中で、なんらかの病気に対して予防接種を受けている子どもはどのくらいいるでしょう?

A. 20

B. 50

C. 80

 日本は100%に近い接種率だろうけれど、先進国でも公的な保険制度が整っていないアメリカや、僻地に暮らす南米や東南アジア、中東の1歳児はどうだろうか。アフリカは……

 わたしは、Bを選びました。あなたはどうでしょうか?

 クイズの正解はCです。著者が世界14ヵ国、12,000人にこのクイズを実施したところ、正解率21%のスウェーデンを除き、すべての国で正解率は2割に届かなかったそうです。日本人で正解したのは、なんとわずか6%です。

 わたしたちは、なぜこんなにも世界を勘違いして捉えているのでしょうか。著者によれば、わたしたちの多くが10の思い込みをしているからだといいます。

 本書は、医師であり、グローバルヘルスの教授でもあり、TEDトークの人気スピーカーとしても有名なハンス・ロスリングと、彼の息子であるオーラ・ロスリング、そしてオーラの妻のアンナ・ロスリング・ロンランドによる共著です。

 この本をお勧めする最大の理由は、読めば世界を正しく理解できるようになるからです。

 正確なGPSが道案内に役立つように、正しく世界を見ることができるようになると、迷子になることなく人生を歩めるようになります。また事実に基づいて世界が見えるようになると、心が穏やかになります。不思議なことに、読了後、本当に気分が清々しくなりました。

 そしてもう1つ、世界をより良くするために、わたしたちに何ができるのか、何をするべきなのかが見えてきます。

 さっそく、わたしたちが世界についてどのような思い込みをしているのかを見ていきましょう。全部で10項目ありますので、気になるものだけでもチェックしてみてください。

FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

11. 【分断本能】「世界は分断されている」という思い込み

12. 【ネガティブ本能】「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み

13. 【直線本能】「世界の人口はひたすら増え続けている」という思い込み

14. 【恐怖本能】危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み

15. 【過大視本能】「目の前の数字がいちばん重要だ」という思い込み

16. 【パターン化本能】「一つの例がすべてに当てはまる」という思い込み

17. 【宿命本能】「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み

18. 【単純化本能】「世界は一つの切り口で理解できる」という思い込み

19. 【犯人捜し本能】「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込み

20. 【焦り本能】「今すぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み

ァクトフルネスを実践しよう

 

1.    【分断本能】「世界は分断されている」という思い込み

 わたしたちは、様々な物事や人々を2つのグループに分けたがります。これが「分断本能」です。よく「勝ち組」という言葉を耳にしますが、「勝ち組」ではないと必然的に「負け組」のような気がしてしまいます。「金持ち」と「貧乏」、「先進国」と「発展途上国」など、身の回りには分断本能による思い込みが溢れています。

 しかし実際は、ほとんどの物、人が2つのグループの中間に位置しています。

 例えば、世界は「先進国」か「発展途上国」ではなく、以下のように4つのグループに分かれていると著者はいいます。分類基準は、1日あたりの米ドル換算の所得です。

レベル112ドル未満【およそ10億人】

レベル2128ドル【およそ30億人】

レベル31832ドル【およそ20億人】

レベル4132ドル以上【およそ10億人】

 世界の人口をおよそ70億人とした場合、上記のようにほとんどの人が中間層にいることがわかります。物事や人々を2つのグループに分断して理解しようとすると、大多数を見落とすことになりかねないということです。それはとても危険なことです。ビジネスや教育場面でも、こうした思い込みは日常的に起きています。

ファクトフルネスを取り入れるには

「分断」を示す言葉に気づくこと

大半の人(物)がどこにいるか探すこと

 

2.    【ネガティブ本能】「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み

 わたしたちは、物事のポジティブな面より、ネガティブな面に注目しがちです。それは「ネガティブ本能」が働くからです。

 大昔、我々の先祖は、ネガティブ本能のおかげで飢えや敵から身を守ることができました。しかし現代人のわたしたちは、ネガティブ本能が働き過ぎると世の中の良い出来事に目が向かなくなります。

 ニュースを見ていると、自然災害や殺人事件など、世の中では悪いことばかり起きているという気がしませんか? それもそのはず。悪い出来事の方がニュースになるからです。

 最近話題になった「Black Lives Matter」という抗議デモは、アメリカで白人警官が黒人男性の首を圧迫して死亡させた事件をきっかけに、世界中に広まりました。しかし、どうでしょう、白人警官が川で溺れる黒人の子どもの命を救っても同じようにニュースになるでしょうか。

 ネガティブ本能がこんなにも敏感に働く理由の1つは、わたしたちの生活が豊かになっているからです。暮らしが良くなるにつれ、より高度な教育を受けるようになり、心に余裕も生まれます。すると、世の中の悪事や災いに関心が向き、監視の目が厳しくなるのです。

 もちろん人種差別は看過できるものではないですし、極度の貧困生活を送る人たちを無視するわけにはいきません。けれども、物事の一部だけを見てネガティブに捉えてしまうのは残念なことです。

 「悪い」と「良くなっている」は両立するのです。数十年前まで、アメリカの路線バスには白人用とそれ以外の人の席がありました。アメリカに住む高齢者の方は今でもその事を覚えています。現在、そんな路線バスは1台も走っていません。

ファクトフルネスを取り入れるには

ネガティブなニュースの方が話題になりやすいと覚えておくこと

「悪い」と「良くなっている」は両立することに気づくこと

 

3.    【直線本能】「世界の人口はひたすら増え続けている」という思い込み

 日本は少子高齢化による人口減少が問題になっていますが、国連は、2100年には世界の人口が今より40億人増えると予測しています。世界人口を表した折れ線グラフ(または棒グラフ)を見ると、ものすごい右肩上がりになっています。ここで気を付けるべきなのが「直線本能」です。

 わたしたちは、右肩上がりに伸び続けるグラフを見ると、線の続きを想像します。このままひたすら伸び続けるに違いないと……。しかし右肩上がりにひたすら伸び続けるグラフは、世の中にどれくらいあるでしょうか。毎年増え続けるわたしの体重にも、限度はあります。世界の人口も同じです。国連は、2100年頃には世界の人口は横ばいになり、安定すると見ています。

 右肩上がりのグラフだけでなく、世の中には様々な形のグラフがあります。S字カーブのものもあれば、すべり台のような形もあるし、デコボコのグラフだってあります。何かの現象を正しく見極めるには、直線本能による思い込みを振り払う必要があるのです。

ファクトフルネスを取り入れるには

「グラフはまっすぐ伸るだろう」という思い込みに気づくこと

グラフには様々な形があることを忘れないようにすること

 

4.    【恐怖本能】危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み

 身の危険を感じると「恐怖本能」が反応します。人間が進化する過程で、これはとても重要なことでした。ただ、所得レベル4の生活をする現代人が、日常の中で身の危険を感じることはほとんどありません。それなのに、わたしたちは未だに恐怖本能からリスクを過大評価し、事実を見落とすというミスをしがちです。

 日本は、地震や台風などの自然災害が多い国です。しかし世界全体に目を向けると、自然災害による死亡率は100年前と比べて半分以下どころか、6%まで減少しています。自然災害が起こると、大きなニュースになります。現地の悲惨な映像を目にすれば、誰しも恐怖心が掻き立てられます。

 一方で、年間33万人もの子どもが、汚染された飲み水による下痢が原因で命を落としています。しかしこの事実はトップニュースになりません。多くの子どもにとって汚染水は危険なのに、わたしたちの恐怖本能が反応することもありません。

 飛行機事故も、恐怖本能による思い込みをしやすいニュースの一つです。飛行機事故は大きく報道されます。しかし、世界中の空港に無事に着陸した99.9999%の旅客機が報道されることはありません。

 本当に危険なものは何か、その判断をジャマするのが恐怖本能です。

ファクトフルネスを取り入れるには

「恐ろしいものには自然と目がいく」ことに気づくこと

「恐ろしい」と思う前に、現実を見るようにしよう

 

5.    【過大視本能】「目の前の数字がいちばん重要だ」という思い込み

 ユニセフによれば、2016年、世界全体でおよそ420万人の0歳児が亡くなったそうです。原因の多くは、簡単に予防できる病気です。幼い子どもを持つ身として、とてもやるせない気持ちになります。420万という数字は、決して少なくありません。正直、それがわたしの印象です。

 しかし、それは思い込みだと著者はいいます。前年の2015年には440万人の赤ちゃんが命を落としたのです。さらにその前の年は450万人です。2年間で命を落とす0歳児は30万人減りました。奇跡が起きたわけでも、偶然でもありません。世界の国々は、より良くなっているのです。

 目の前の数字に悲観していると、世界中にいる多くの人々の生活が少しずつ豊かになっているという事実に気づくことができません。

 最近よく話題になる各国の二酸化炭素の排出量ですが、この問題も過大視本能が働きがちです。中国やインドといった、新興国による二酸化炭素排出量の増加がニュースになることがあります。あたかも中国やインドが、地球温暖化を加速させているようにメディアが伝えているのを見聞きしたことはないでしょうか。確かに、2019年時点でインドは世界第3位の二酸化炭素排出国です。しかし、インドには13億人以上の人が暮らしています。1人当たりの二酸化炭素排出量を比較すれば、責められるべきはレベル4の生活をしているわたしたちであることがわかります。

ファクトフルネスを取り入れるには

一つの数字がとても重要であるかのように勘違いしてしまうことに気づくこと

数字は必ず比較してみること

 

6.    【パターン化本能】「一つの例がすべてに当てはまる」という思い込み

 人間は、物事をパターンに当てはめて考える生き物です。無意識のうちに、それをやっています。なぜなら、生きていく上でパターン化することは欠かせないからです。

 ここで大切なのは、わたしたちは物事をパターン化する本能を持っていると自覚することです。

 日本を訪れたアメリカ人観光客が、納豆をおいしいと言って食べているのを見て、「アメリカ人は納豆が好きなんだ」と考えることは危険なことです。帰国子女であるわたしの経験上ですが、納豆が好きなアメリカ人はあまり多くありません。

 同じように、薪でお湯を沸かす生活をしている途上国の人たちは、わたしたちが使うような生活用品は求めていないだろうなどと上から目線でパターン化して物事を考えていると、大きなビジネスチャンスを逃すと著者は指摘します。

ファクトフルネスを取り入れるには

1つの集団のパターンを根拠に物事が説明されていないか疑うこと

「過半数」や「例外」に注意すること

 

7.    【宿命本能】「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み

 物事が上手くいかないとき、「どうせ自分なんて」「こういう運命なんだ」と考えたことがある人は多いと思います。それは、わたしたちには宿命によって物事は決まると思い込む本能があるからです。

 自分自身に限らず、他の人や物事を考えるときも、この宿命本能は働きます。例えばレベル4の生活を送るわたしたちの多くは、アフリカの国々はいつまでたっても後進国だと考えがちです。

 けれど、それは思い込みです。以前ご紹介した、落合陽一さんの2030年の世界地図』にも書かれていましたが、ケニアでは電子マネー「Mペサ」が最もポピュラーな決済手段です。日本では政府が四苦八苦しながら電子決済を普及させようとしているのに、ケニアではあっという間に広がりました。アフリカ諸国の多くは30歳未満を中心とした若者社会です。若者たちの柔軟なマインドによって、最新のテクノロジーはものすごいスピードで生活に取り込まれているのです。

 「どうせこういう運命なんだ」という思い込みで世界を見ていると、時代の流れに取り残されてしまうかもしれません。

ファクトフルネスを取り入れるには

いろいろなもの(人、国、宗教、文化など)が変わらないように見えるのは、変化がゆっくりと少しずつ起きているからだと気づくこと

知識をアップデートしよう

 

8.    【単純化本能】「世界は一つの切り口で理解できる」という思い込み

 わたしたちは、様々な問題に一つの原因と一つの解答を当てはめてしまう傾向があります。これが「単純化本能」です。先述した二酸化炭素排出量の問題について、中国とインドが排出量を減らせば一件落着と考えてしまうのは、まさに「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込みです。

 ユニセフに寄付すれば、世界中の貧しい子どもたちを救えるような気がするのも単純化本能の仕業です。そのことに気づかず、寄付することで満足して別の支援方法を考えることをやめてしまうと、そこから先に進むことはできません。

 思い込みに気づかずにいると、問題を見誤り、解決策を見落としてしまいます。目の前の数字、専門家の言い分、自分の考え方、あらゆるソースをじっくりと検証しみてることが大切です。

ファクトフルネスを取り入れるには

一つの視点だけでは世界を理解できないと知ること

単純なものの見方と、単純な答えには警戒しよう

 

9.    【犯人捜し本能】「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込み

 何か悪い事が起きたとき、単純明快な理由を見つけたくなるのが、犯人捜し本能です。コロナウイルスが世界各国に拡散したことを、中国とアメリカがお互いに相手のせいにしようとしているのも、まさに犯人捜し本能が影響していると言えます。

 著者は、「誰かを責めれば物事は解決する」と思い込むのは非常に危険なことだと指摘します。なぜなら、誰かを責めることに意識が向くと、そこで学びが止まってしまうからです。加えて、わたしたちには自分の思い込みに合う悪者を犯人に仕立てようとする傾向があり、とんでもない方向に解決策を見出そうとしてしまう可能性もあります。

 新たな一歩を踏み出すのに、犯人捜しは役に立ちません。

ファクトフルネスを取り入れるには

誰かが見せしめとばかりに責められていたら、それに気づくこと

犯人ではなく、その状況を生み出した原因やシステムを理解することに力を注ごう

 

10. 【焦り本能】「今すぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み

 テレビショッピングなどで「特別価格は今だけ!すぐにお電話を」というセールストークをよく耳にします。これは今やらないと手遅れになると思い込ませることが、焦り本能を引き出すコツだからです。

 焦り本能が働くと、正しい分析ができなくなり、隅々まで考え抜く前に過激な手を打ちたくなります。急かされるとそれがストレスとなり、大きく判断を誤るのです。

 一方で、遠い未来のリスクとなると、誰も焦らず、すぐに手を打たなければとは感じません。いつ起こるか不確かな関東大震災への備えや、老後のための貯金が人任せだったり、いい加減だったりするのは、焦り本能が刺激されないからです。

 ここで注意したいのが、焦り本能に従って行動していると、本当のリスクを見落とす危険性があることです。

 本書では、心配すべき5つのグローバルリスクが挙げられています。

感染症の世界的な流行

金融危機

世界大戦

地球温暖化

極度の貧困

 本書が執筆されたのは2018年です。リスクの1つ目は、まさに的中してしまいました。過去にも、スペイン風邪などの感染症が世界中に流行したことがあるにもかかわらず、多くの国が危機感を持っていなかったため、万全な対応策が整っていませんでした。

ファクトフルネスを取り入れるには

「今すぐに決めなければならない」と感じたら、自分の焦りに気づくこと

データにこだわろう

ファクトフルネスを実践しよう

 ファクトフルネスの視点を身に付けるために大切なのは、謙虚さと好奇心だといいます。そうすれば、自分の知識は限られていることを認め、新しい事実を快く受け入れることができるからです。そして好奇心があれば、いつも新しい情報を発見し続けることができます。

 FACTは「事実」、FULLNESSは「充満、十分」という意味です。ファクトフルネスとは、著者が指摘する10の思い込みに気づき、十分な事実に基づいて世界を見ることです。ファクトフルネスを実践しながら、今日のニュースをチェックしてみてください。昨日までと世界の見え方が変わるはずです。

 本書は、脚注や付録も含めると397ページもあるので読むのを躊躇してしまうかもしれません。しかしTEDの人気スピーカーである著者による文章は、愉快なトークショーを聞いているかのようにページを読み進めることができます。興味深い写真やグラフも多く掲載されていますので、興味を持たれた方はぜひ手に取ってみてください。

 

 

 

ダブルミリオン達成!記念コンテンツ特別公開中!

ファクトフルネスとは データや事実にもとづき、世界を読み解く習慣。賢い人ほどとらわれる10の思い込みから解放されれば、癒され、世界を正しく見るスキルが身につく。世界を正しく見る、誰もが身につけておくべき習慣でありスキル、「ファクトフルネス」を解説しよう。

世界で100万部の大ベストセラー! 40カ国で発行予定の話題作、待望の日本上陸ビル・ゲイツ、バラク・オバマ元アメリカ大統領も大絶賛!

「名作中の名作。世界を正しく見るために欠かせない一冊だ」 ビル・ゲイツ

「思い込みではなく、事実をもとに行動すれば、人類はもっと前に進める。そんな希望を抱かせてくれる本」 バラク・オバマ元アメリカ大統領

特にビル・ゲイツは、2018年にアメリカの大学を卒業した学生のうち、希望者全員にこの本をプレゼントしたほど。

賢い人ほど、世界についてとんでもない勘違いをしている本書では世界の基本的な事実にまつわる13問のクイズを紹介している。たとえば、こんな質問だ。質問 世界の1歳児で、なんらかの予防接種を受けている子供はどのくらいいる?

A 20%

B 50%

C 80%

質問 いくらかでも電気が使える人は、世界にどのくらいいる?

A 20%

B 50%

C 80%

答えは本書にある。どの質問も、大半の人は正解率が3分の1以下で、ランダムに答えるチンパンジーよりも正解できない。しかも、専門家、学歴が高い人、社会的な地位がある人ほど正解率が低い。その理由は、10の本能が引き起こす思い込みにとらわれてしまっているからだ。

教育、貧困、環境、エネルギー、医療、人口問題などをテーマに、世界の正しい見方をわかりやすく紹介本書では世界の本当の姿を知るために、教育、貧困、環境、エネルギー、人口など幅広い分野を取り上げている。いずれも最新の統計データを紹介しながら、世界の正しい見方を紹介している。

これらのテーマは一見、難しくて遠い話に思えるかもしれない。でも、大丈夫。著者のハンス・ロスリング氏の説明は面白くてわかりやすいと評判だ。その証拠に、彼のTEDトークの動画は、累計3500万回も再生されている。

また、本書では数式はひとつも出てこない。「GDP」より難しい経済用語は出てこないし、「平均」より難しい統計用語も出てこない。誰にでも、直感的に内容を理解できるように書かれている。

 

 

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