憲法講話 美濃部達吉 2020.4.6.
2020.4.6. 憲法講話 著者 美濃部達吉 発行日 2018.11.16. 第 1 版発行 発行所 岩波書店 ( 岩波文庫 ) 憲法学者・美濃部達吉が「健全なる立件思想」の普及を目指して、明治憲法を一般読者へ向けて体系的に講義した書 ( 初版 1912 年 ) 。天皇は法人たる国家の最高機関であるとする天皇機関説を打ち出した本書は、天皇主権説論者との論争を呼び起こした。後に国禁とされた美濃部学説の原点を知る上でも重要な著作。 1918 年の改訂版を収録 序 1911 年夏、文部省開催の中等教員夏期講習会において帝国憲法の大要を講話した内容を公にする。憲法施行より 20 余年を経たが、憲政の智識未だ一般に普及せざること殆ど意想の外にあり。国体を語って立憲政治の仮想の下にその実は専制政治を行わんとするの主張が横行するのを見るにつけ、国民教育のために平易に憲法の要領を講ぜる一書を著そうとしたもので、憲法の根本的精神を明らかにし、一部の人の間に流布する変装的専制政治の主張を排することこそ、最も勉めたる所なりき 『日本国法学』を執筆中で、それに代わるべきものにはあらざれども、帝国憲法の趣旨を闡明 ( せんめい ) し、健全なる立憲思想を普及せんとすることにおいてはその目的を同じうする。本書に依りて多少なりともこの目的に資することあらば余の本懐これに過ぎず 憲法講話の縮刷について 1918 年 9 月 美濃部達吉 久しく絶版となっていた『憲法講話』の需要者が絶えないということで、多少の改訂を加え、縮刷して、再販となった。初版以後の法令の改正を追補し、その他前版の誤りを訂正。 初版刊行当時には、一部から、本書があたかも我が国体の基礎を揺るがさんとする危険思想を含むものの如くに攻撃せられたところから、再販するのは、少なくともこの如き危険思想は寸毫だもこれを包含せず、かえって健全なる立憲思想に終始するものたることを確信するからである 第1講 ...