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明治演劇史  渡辺保  2013.1.17.

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2013.1.17.  明治演劇史   著者 渡辺保  1936 年東京生まれ。慶應大経卒。東宝演劇部企画室を経て、現在演劇評論家。放送大学客員教授。『女形の運命』で芸術選奨文部大臣新人賞。『忠臣蔵』で平林たい子文学賞。『娘道成寺』で読売文学賞。『四代目市川團十郎』で芸術選奨文部大臣賞。『黙阿弥の明治維新』で読売文学賞。   発行日            2012.11.20.  第 1 刷発行 発行所            講談社 『江戸演劇史』の好評に押されて書き下ろした第 2 弾 プロローグ 明治の初め、東京、京都、大阪の遷都問題に明らかなように、天皇自身の生活もまた二重の生活であり、天皇の身体も二重性を持つこととなった 大久保利通が進言して実現した大阪行幸によって天皇の生活も身体も一変。陸海軍の統率者として、西欧式近代国家の君主として、京都の宮廷生活と別れを告げ、軍服に身を固めた逞しい青年にならなければならない。その手始めとして乗馬の訓練を受ける ⇒ 歴代の天皇は馬に乗ったことがなかった。この天皇の身体のあり方にこそ、その後の日本文化の近代化を象徴するものが含まれている。「和魂洋才」という二重性 当時の 4 つの演劇――能、狂言、人形浄瑠璃、歌舞伎――も、その近代化の波に曝される 最も激しく波を受けたのは、幕府の式楽として、或いは古典劇として確立されていた能狂言で、生活を保証され役者は存続の危機に直面 大阪の人形浄瑠璃は、一挙に隆盛となるが、その理由は不明 歌舞伎は、江戸、京都、大坂とも不況と政情不安から不入りだったが、隔離された密室の中でしたたかに生きる余裕とエネルギーを持ち続けていた 第1章         近代とはなにか 1.     もう 1 つの明治維新――梅若実と宝生九郎 能の梅若家は、元々丹波猿楽の一派。観世座のツレ家 ( 宗家のシテにツレを勤める家柄で...