大軍都・東京を歩く 黒田涼 2020.12.26.

2020.12.26. 大軍都・東京を歩く 著者 黒田涼 1961 年神奈川県生まれ。作家。『江戸城天守を再建する会』会員。早大政経卒。大手新聞社にて 16 年記者生活の後独立。趣味の街歩きが高じて「江戸歩き案内人」に。数多くの東京の歴史ガイドツアーを務める 発行日 2014.12.30. 第 1 刷発行 発行所 朝日新聞出版 ( 朝日新書 ) 朝日新聞連載 (2015 ~ 2020) 『みちのものがたり』で言及 近衛師団司令部だった東京国立近代美術館工芸館。 高射機関砲の台座が残る千鳥ヶ淵。 第三連隊兵舎が不思議な形で残る国立新美術館別館。 『坂の上の雲』の秋山好古の名が刻まれた碑が建つ池尻大橋。 二・二六事件の反乱将校らの処刑が行われた渋谷税務署。 都内には、数多くの戦跡が残っている ! はじめに 1945 年までは東京は軍都中の軍都 現代東京に残された江戸の遺構や痕跡、歴史を紹介する「江戸歩き案内人」として 1 年中東京の街を歩き回っている中、最初に “ 軍 ” の存在に目が向いたのが江戸城内の北の丸公園で、江戸時代には吉宗の子孫である御三卿の田安家と清水家の屋敷があった。武道館前の休憩所裏に近衛歩兵第一連隊後の碑があり、北の丸公園に近衛兵が駐屯していた痕跡 明治初期の丸の内から大手町、日比谷一帯は殆ど軍用地で、「天皇が軍に囲まれて住んでいた」と驚く。この驚きを感じてもらいたくて本書を書く 第1章 数々の歴史の舞台となった皇居――千代田・丸の内など 明治も前半までは旧江戸城の周辺はすべて軍用地で、解消するのは明治末のこと Ø 北の丸公園は近衛師団の駐屯地だった 北の丸公園が整備されたのは 1969 年。戦時中...