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近衛秀麿 日本のオーケストラをつくった男  大野芳  2021.11.23.

  2021.11.23.  近衛秀麿 日本のオーケストラをつくった男   著者 大野芳 ( かおる )   1941 年愛知県生まれ。雑誌記者を経て作家・ノンフィクションライター。 82 年『北針』で第 1 回潮ノンフィクション賞特別賞。日本近現代史をテーマとして活躍。著著に『宮中某重大事件』『戦艦大和転針ス』『ハンガリア舞曲をもう一度』など   発行日            2006.5.20.  第 1 刷発行 発行所            講談社   『 21-11  戦火のマエストロ 近衛秀麿』で言及 「近衛秀麿」については、同ファイル参照   序章 忘れられたマエストロ 1992 年から 10 年間芸術監督兼常任指揮者だったアバドが 04 年ベルリン・フィルに戻ってきた。終演後 15 分経っても「ブドウ畑 ( ヴァインヤード ) 」いっぱいの 2400 余りの聴衆のアンコールの声と拍手はなりやまないが、客演はアンコールに応えないのがエチケット 80 年前の 24 年、ベルリン・フィルを振ったのが近衛秀麿。東洋人初の快挙だったばかりでなく、日本のオーケストラ史を切り拓く原動力にもなった 今、ベルリン・フィルのコンマス 3 人のうちの 1 人がアバドの懇請にも拘わらず立たなかった安永徹、ヴァイオリン奏者に町田琴和、首席ヴィオラが清水直子、ウィーン国立歌劇場の小澤征爾もほぼ毎年 3 回、ベルリン・フィルの定期を振っている コンセルトヘボウには第一首席ヴィオラでソリストの波木井賢が、アムステルダム放送管弦楽団では秀麿の孫の一 ( はじめ ) がファゴットとして活躍、ザルツブルクを中心にアンサンブルを率いるチェリストの水谷川 ( みやがわ ) 優子は一のいとこ 1982 年ペーター・ムック編纂の『ベルリン・フィル百年史』には、 33 年秋を皮切りに秀麿が 6 回の定期演奏会を振ったと記録されている。最後は 40 年 10 月 24 年の演奏会は『百年史』には記載されていない 当日の広告原稿では、 2 人のソリスト、曲目は近衛のオリジナル曲、カリニコフの《交響曲第 1 番》、ラロの《チェロ協奏曲》 ソリストの 1 人は都合でフリーダ・ランゲンドルフ夫人に差し替えられたが、ワーグナー歌いで有名なア