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会計と犯罪  細野祐二  2019.8.19.

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2019.8.19.   会計と犯罪 郵便不正から日産ゴーン事件まで 著者 細野祐二 会計評論家。 1953 年生まれ。 82 年公認会計士登録。 78 ~ 04 年 KPMG 日本及び同ロンドンにて会計監査、コンサルタント業務に従事。 04 年株価操縦事件に絡み有価証券報告書虚偽記載罪の共同正犯として逮捕・起訴され、無罪を主張したが 10 年有罪確定。公認会計士資格剥奪。現在、評論・執筆活動の傍ら、自身が開発したソフト「フロードシューター」により上場会社の財務諸表危険度分析を行っている 発行日                 2019.5.29.  第 1 刷発行              19.6.25.  第 2 刷発行 発行所                 岩波書店 粉飾決算事件における共謀容疑で、一貫して無罪を主張したが有罪確定した著者。同じころ、郵便不正事件で厚労省の村木厚子元局長が無罪となった。 2 人の判決の差は何か。著者は郵便不正事件の研究から未踏の犯罪会計学を切り開き、日産ゴーン事件をも鋭く抉っていく。その核心は、経済事件における特捜検察の捜査思想と冤罪構造にあった はしがき 東電の原発廃炉会計がいかに企業会計原則を無視した不当なものかを訴えたかったが、キャッツ粉飾決算事件で逮捕・起訴された刑事被告人としての前科があり、大手メディアに採用されなかったなか、岩波の月刊誌『世界』が、お縄系セレブとして、発表機会を与えてくれた 2010 年以降、有罪判決を受けた元刑事被告人でありながら、ハンディを感じることなく仕事ができたのは不思議 ⇒  2010 年の郵便不正事件、虚偽公文書事件、証拠改竄事件の 3 連発のお陰。特捜検察の冤罪構造が明らかになった結果、特捜事件の元刑事被告人に対する社会的差別が著しく緩和された 東芝の不正会計を暴く論考を『世界』に発表し続けた結果、東芝は粉飾決算として史上最高 73 億円の金融庁課徴金処分を受ける 本書は弘中法律事務所のリーガルチェックを受けている 日産ゴーン事件は本書がテーマとする犯罪会計学の課題そのものであるところから、ゴーン元会長の有価証券報告書虚偽記載並びに特別背任事件に対する犯罪会計学的所見を追加したが、その論述は現時点における犯罪会計学の集大成