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敗者が変えた世界史  Jean=Christophe Buisson  2019.12.17.

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2019.12.17.   敗者が変えた世界史 上巻 ハンニバルからクレオパトラ、ジャンヌ・ダルク 下巻 リー将軍、トロツキーからチェ・ゲバラ Es Grands Vaincus de L’Histoire             2018 著者 Jean=Christophe Buisson  『フィガロ』誌の副編集長であり、歴史に特化したテレビチャンネルの番組《イストリックモン・ショー》の司会を担当していた Emmanuel Hecht  歴史研究家、ジャーナリスト、編集者。『独裁者たちの最期の日々』、『ツァーリたちのロシア』、ペラン社叢書「真実と伝説」の編者として知られる 訳者  神田順子 序文、 1 ~ 5 章担当。 フランス語通訳・翻訳家。上智大外国語学部フランス語学科卒 田辺希久子  6 章担当。青山学院大大学院国際政治経済研究科修了。翻訳家 清水珠代  7,8 章、 10 章、 12,13 章担当。上智大文学部フランス文学科卒 村上尚子  9 章担当。フランス語翻訳家、司書。東大教養学部教養学科フランス分科卒 濱田英作  11 章担当。国士舘大 21 世紀アジア学部教授。早大大学院文学研究科東洋史専攻博士課程単位取得 発行日              2019.9.25.  第 1 刷 発行所              原書房 序文 敗者の美学 本書が取り上げるのは、栄光のきわみから地獄の闇に突き落とされた敗者 13 名 傑物を打ちのめす運命の気まぐれを説明できるのは、虚栄心、誇り、軽侮、尊大、周囲を見ようとも耳を澄まそうともしない慢心、ヒュブリス ( ギリシャ人が呼ぶところの過剰な野心や自信 ) 、弱さや優柔不断といった、心の内側にある要因や性格の欠陥に説明を求めるべきであり、時として古代ギリシャの賢人たちがカイロスと呼んだ好機を取り逃がした、もしくは、力関係や奸計を軽視したという、ありがちな躓きが敗因となっている 英雄詩と歴史を司る文芸の女神クレイオの策術の好例が傲岸なチェ・ゲバラの伝説で、ゲリラとしての死を覚悟してボリビアのジャングルに向かいリベルタドール ( 解放者 ) を気取ってはいたが、地元のレンジャーに捕縛された時のゲバラはやせ衰えてボロを纏