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エドガルド・モルターラ誘拐事件  David I. Kertzer  2019.4.15.

2019.4.15.   エドガルド・モルターラ誘拐事件 少年の数奇な運命とイタリア統一 The Kidnapping of Edgardo Mortara          1997 著者  David I. Kertzer   1948 年生まれ。ユダヤ人。 ブラウン大卒。同大教授。イタリア政治、社会人類学、人口統計学等が専門。 97 年に発表した本書は、全米図書賞最終候補作となり、パブリッシャーズ・ウィークリー誌の年間ベスト・ブックスに選出。スティーヴン・スピルバーグ監督による映画化が決定している。 15 年に『 The Pope and Mussolini 』でピュリッツァー賞 ( 伝記部門 ) 受賞。他の著作に『儀式・政治・権力』等がある 訳者 漆原敦子 慶應大文学部社会学科卒。英米文学翻訳家 発行日            2018.8.20.  初版印刷           8.25.  初版発行 発行所            早川書房 ピュリッツァー賞受賞の歴史学者が知られざるドラマを描く全米図書賞最終候補作 1858 年ボローニャ。異端審問官の命令により、ユダヤ商人モモロ・モルターラの自宅を警察隊が突然訪れた。彼らの目的は、モモロの 6 歳の息子エドガルドを家族から引き離し、時の教皇ピウス 9 世の元へ護送することだった エドガルドはなぜ連れ去られたのか? ユダヤ人一家の悲劇は国際世論の同情を集め、遂には列強が乗り出すことになる 傑作歴史ノンフィクション プロローグ イタリア半島では、 1 つの時代が終わりを迎え、何世紀も続いた体制がいまにも崩壊 教皇の権力と伝統的権威が、仏革命、近代的産業や科学や商業の支持者等、異質な啓蒙主義の申し子に不安を抱えながら対峙 新しい神々、過度な崇拝の新しい対象が生まれようとしている いくつもの領地やオーストリアの前哨地、教皇領といったパッチワークのようなつぎはぎの土地から、その境界はいまだ不明でその本質はまだ想像できないが、新しい国民国家のようなものが実現しようとしていた 教皇が君主として支配する土地ほど、古い世界と新しい世界の間の溝が大きく、神から与えられた権利による支配が、しっかり定着しイデオロギーによって明確に正当化され、