電力と政治 上川龍之進 2018.3.30.

2018.3.30. 電力と政治 日本の原子力政策全史(上・下) 著者 上川龍之進 1976 年生まれ。京大法卒、同大大学院法学研究科博士後期課程修了。博士 ( 法学 ) 。日本学術振興会特別研究員。愛媛大法文学部助手、講師を経て、現在阪大大学院法学研究科准教授。専門は政治過程論 発行日 2018.2.20. 第 1 版第 1 刷発行 発行所 勁草書房 上巻 「原子力ムラ」はどのように生まれ、どのように強大化していったのか ? そして「原子力ムラ」は 90 年代の危機をどう乗り越え、どのように復活したのか ? さらに、それを支えた東電の政治権力・経済権力の姿とは ? 福島第 1 原発事故が起こってから明らかになった原子力政策の「暗黒面」を、余すことなく描き出す ! 下巻 民主党政権は電力システム改革を進めたにもかかわらず、なぜまやかしの「脱原発」政策しか決められなかったのか ? 安倍政権では電力自由化の改革は急速に進んだのに、なぜ脱原発は後退したのか ? とは言え、なぜ自民党は原発再稼働を思うように進められないのか ? 原発政策が「変われない」理由に、政治学で鋭く切り込む ! はしがき 本書は、原発中心の戦後の電力・エネルギー政策について、政治学の観点から分析 原発を巡る政治が、戦後日本政治の縮図であり、暗黒面がすべて凝縮 ⇒ 福島事故で明るみに出て来た 原発推進の一方で、 電力自由化と原子力発電は両立困難 であることから、他の先進国に比べ電力自由化が停滞を余儀なくされ、電力 10 社による地域独占が維持されてきた 民主党政権の脱原発の声の中でも「原子力ムラ」の権力は崩壊しなかったが、続く自民党政権でも「原発回帰」は進まなかったものの、電力システム改革を引き継ぎ電力小売りの全面自由化を実現、 20 年には送配電部門の法的分離が予定されるなど、改革は着実に進んでいて、「原子力ムラ」の権力が完全に復活したわけでもない 第1...