これからスマートフォンが起こすこと。 本田雅一 2013.7.8.
2013.7.8. これからスマートフォンが起こすこと。
携帯電話がなくなる! パソコンが消える!
著者 本田雅一 テクノロジー・ジャーナリスト。1967年生まれ。
発行日 2011.6.2. 発行
発行所 東洋経済新報社
久夛良木健氏特別寄稿
鶏と卵のアナロジーとしてだけではなく、「オープン」対「クローズド」の間を揺れ動く微妙な綱引き、言い換えれば「賢い管理」と「原則自由」を巡るイデオロギー的な論争でもある
今世紀に入り従来の大規模量産工場に代わって巨大な情報処理能力を有する大規模データセンターが世界中で続々と建設され始め、ソーシャルグラフを含む様々なデータベースが日々誕生している現在、人間とのインターフェースとしての広義のネットワーク・クライアント群と、巨大クラウドサーバー群出現によりますます加速するイノベーションの奔流は、もはや止めようがないものになりつつあることを改めて認識する必要がある
序章 スマートネイティブたちの世紀
世界標準と同じパソコンを使えるようになったのは1990年代
1994年からインターネットが当たり前となり、ありとあらゆる既成の価値観を変える
旧世代にとってのインターネットは、情報共有、発信、検索、閲覧を行い、メールでコミュニケーションするためのインフラだったが、物心ついたときからインターネットが身近にある世代"インターネットネイティブ"は、ウェブの中にあらゆるアプリケーションとデータを集約し始めた
いつでもどこでも広帯域のネットワークに常時接続されたコンピュータを携帯して活用するのがスマートフォン
アプリケーションの自然淘汰の中で、その存在感を強めているのがソーシャルメディア
第1章
スマートフォンの正体
スマートフォンは、通話できるパソコン
最初に開発したのは、1997年のカナダRIM(Research In Mortion)社のブラックベリー
第2章
スマートタブレットの台頭
従来のモバイルパソコンは、通常サイズパソコンの劣化版 ⇒ 小型化するとどうしても性能は劣化
スマートフォン向けアプリケーションの開発により、スマートフォンの仕組みを下から上にスケールアップしたのがタブレット
第3章
次世代通信インフラとクラウドからの招待状
スマートフォンを受け入れ、自在に振る舞うことができるようにした要因は以下の2つ
①
通信帯域の拡大、高速化 ⇒ 3Gに代わるデータ通信インフラとして4G/LTE(Long Term Evolution)という技術が開発。より高性能な信号処理チップを使うことで、より高度な信号処理を行い、通信の効率を高める
UQコミュニケーションズが展開するモバイルWiMAXも、電話の音声通話や回線交換の機能こそ持たないが、信号処理の世代としてはLTEと同じ
②
クラウド・コンピューティングの進展 ⇒ スマートフォンはクラウド時代のパソコンと言える。クラウド・コンピューティングとは、インターネット上に分散配置されているサーバを大きな1つの仮想コンピュータとして活用しようとする考え方。クラウド・コンピューティング業者の最大のものはアマゾンで、保有する大量のサーバの余剰処理能力をクラウド用に提供
APPs≒アプリケーション ⇒ APPsはスマートネイティブの使う用語で、クラウド型ウェブ・サービスをより使いやすくするためのフロントエンドツールのこと。その代表がEVERNOTEで、同期の概念を排除、ネット上のサーバにあらゆる情報を集約しておき、不特定多数の端末から閲覧や書き込みを自在に行うことができる
第4章
ソーシャルメディアの進撃
スマートフォンやタブレットの登場が、ソーシャルネットワークシステム(=インターネット上の社会的システム)の発展、変革も促す ⇒ ソーシャルメディアの浸透は、肌身離さず持ち歩くスマートフォンの存在とは切り離せない
第5章
コンテンツビジネスの流通革命
従来映像コンテンツを流通させる手段は「一対多」が主流 ⇒ 動画を扱うソーシャルメディアの発展は、コンテンツのパーソナル化を促した ⇒ コンテンツのパーソナル化が映像を楽しむデバイスのパーソナル化に繋がる
第6章
昨日の覇者が今日の敗者! いったい誰が勝ち残るのか?
Facebookがソーシャルグラフ(=人間関係図)を武器にグーグルを脅かしつつある
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