本多静六 若者よ、人生に投資せよ 北康利 2022.11.19.
2022.11.19. 本多静六 若者よ、人生に投資せよ 著者 北康利 1960 年生まれ。『白洲次郎 占領を背負った男』で第 14 回山本七平賞。安田善次郎、松下幸之助、太田垣士郎、、稲盛和夫などの評伝がある 発行日 2022.10.2. 初版第 1 刷発行 発行所 実業之日本社 初出 『ひふみラボ note 』 ( レオス・キャピタルワークス社 ) の 2021 年 4 月~ 22 年 9 月連載配信された『若者よ、人生に投資せよ 本多静六伝』を改題し、大幅に加筆修正 プロローグ 永遠の森 参拝者日本一を誇る明治神宮は 2020 年に鎮座 100 年の大祭を迎えたばかり、 72ha の人工林は、元彦根藩の下屋敷で、維新後代々木御料地、一部は練兵場。ただでさえ粘土質である上に兵士たちによって踏み固められ、およそ植林に向かない場所に ” 永遠の森 ” を創り上げたのが本多静六 明治神宮御境内林苑計画は、 50 年、 100 年、 150 年という長い時間の経過による林相の変化を予想しつつ、植林を施す場所や樹種、大きさなどを吟味し、武蔵野の東端に位置するこの土地本来の植生に近い森を天然更新のみによって再現していこうとする壮大な試み 自然のままに放置され、無秩序のような中に秩序が生まれて、天然林に限りなく近い段階にまで来ている。野鳥の楽園となり、猛禽類のオオタカの繁殖地にもなり、 3000 種を超える動植物の命を育む豊かな森 本多静六は、肩書でいえば東京帝国大学農学部教授で本邦初の林学博士だが、多方面に活躍した人生は彼の作り上げた森のように豊穣で、肩書だけですべてを語ることはできない ドイツでは林学が国家経済学の 1 分野とされるように、林業は国富を生み出す重要な産業であると同時に社会インフラ整備や国土強靭化の役割を担うところから、彼は都市計画などを含む日本の近代化の重要な局面に広く深く携わっていく...