facebook 世界最大のSNSでビル・ゲイツに迫る男  Ben Mezrich  2025.1.25.

 2025.1.25. facebook 世界最大のSNSでビル・ゲイツに迫る男

The Accidental Billionaire              2010

 

著者 Ben Mezrich Wikipedia参照

 

訳者 夏目大 大阪府生まれ。翻訳家。翻訳学校「フェロー・アカデミー」講師

 

発行日           2010.4.17. 第1刷発行

発行所           青志社

 

まえがき

20103月、インターネット上で象徴的な出来事――3月第2週の米国内でのウェブサイト訪問者数で、フェイスブックがGoogleを抜いた

Yahooの「ポータルサイト」時代、Googleの「検索サイト」時代に次ぐのは「SNS時代」

フェイスブックのアクティブユーザーは4億人、1年で倍増。2004年立ち上げから僅か6

103月の長者番付の212位にザッカーバーグが最年少長者として登場

本書を原作として、デヴィッド・フィンチャー監督による映画化が進行

本書の執筆に際して、ザッカーバーグに何度も取材を申し込んだが、すべて断られている

 

登場人物

マーク・ザッカーバーグ

エドゥアルド・サヴェリン: マークの親友。フェイスブック創業時に資金提供

タイラー/キャメロン・ウィンクルボス: 双子の超エリート兄弟。女子との出会いを提供するウェブサイトを考案

ショーン・パーカー: 音楽配信会社「ナップスター」、データ管理サービスの「プラソ」共同創業者。フェイスブック初代社長

ピーター・シェル: ネット決済の「ペイパル」共同創業者。フェイスブックに出資

 

第1章      「ファイナルクラブ」で出会った男

200310月、ハーバードでフェニックス主催の「ファイナルクラブ」開催。大学にある8つの秘密クラブの1つで、3年生でブラジル亡命のユダヤ人エドゥアルドはヘッジファンドを運用、石油取引で30万ほど儲けてパーティーに招待される。その時目にした場には不釣り合いな男がザッカーバーグだった

 

第2章      ハーバードヤード

ハーバードのユダヤ系フラタニティのトップ「アルファ・イプシロン・パイ」のパーティーで、エドゥアルドとザッカーバーグが出会う

ザッカーバーグは、コンピューターの天才との触れ込みで、ボードゲームのコンピュータ版や、MP3用のプラグインのソフトウェア「シナプス」の開発者で知られる

エドゥアルドは、翌週の「ファイナルクラブ」の最終選考に連れて行く女の子をどうするかで悩んでいた

 

第3章      「ハーバードコネクション」

ハーバードの4年生でボートの選手だったウィンクルボス兄弟は、「ファイナルクラブ」の1つで最古で最高に名誉あるポーセリアンクラブ(ロックフェラーやルーズベルトも)のメンバー

2人は、女の子を探す時間がない自分たちが簡単に付き合う女の子を探せるようにするため、学生同士での「人付き合い」をコンピュータ上で出来るようにするプロジェクト「ハーバードコネクション」を立ち上げたが、プログラマーを探している

 

第4章      フェニックスの通過儀礼

エドゥアルドは、マークをダブルデートの誘う

 

第5章      ハッキング

大学の名鑑は、学生たちの顔写真が載るデータベース。マークは顔写真を取り込んで女学生の美人比較をやったら面白いと考え、いとも簡単に大学のネットワークに入り、全寮の名鑑を勝手にダウンロードし、それをアップして比較するためのFacemash.comを立ち上げ

 

第6章      寮への侵入

次々に各寮の名鑑へのアクセス方法をハッキングし、寮に忍び込んでダウンロードを開始

 

第7章      予想外の反響

マークは友人へのメールにFacemashへのリンクを貼ったところ、瞬く間に学内中に拡散

自分のパソコンをFacemashのサーバとして使っていたため大量のアクセスでフリーズ

予想外の反応に、準備不足のマークは慌ててサイトの運用を停止・閉鎖、窮地に追い込まれた

 

第8章      エリートたちの思惑

Facemashの人気を見たウィンクルボス兄弟は、プログラムを作ったマークとコンタクト

 

第9章      勧誘

マークは大学の懲罰委員会から釈明を求められ、ハッキングの非は認めたが、女の子たちが怒ったのは外見で格付けされたことだということが理解できなかった。処罰は「保護観察」

マークは、ウィンクルボス兄弟からのメールに応えることにする

 

第10章     電子版ファクトトラック

ハーバードが運営する近隣の女子大の間を行き来するバスをファットトラックと呼ぶが、ウィンクルボス兄弟の考えている「ハーバードコネクション」は、電子版のファットトラックともいうべき機能を持たせようとしている

「ハーバードコネクション」は、ハーバードの男女が知り合い、情報交換し、交流することが出来るネット上の出会いの場が基本コンセプト。すぐにマークは趣旨を理解し興味を示す

 

第11章     双方向のソーシャルネットワーク

エドゥアルドは晴れてフェニックスの正式メンバーになる

マークは、Facemashへの賛否両論の大反響を見て、自分のクラスメートについて知りたいと思っている学生が非常に多いことに気づき、ネット上でこっそりでき、しかも双方向のソーシャルネットワークThe Facebookというサイトの立ち上げを考える

ウィンクルボス兄弟のアイディアは、「出会い系サイト」に若干手を加えたもので、マークは筋肉馬鹿が何人か関心を示す程度でしかないと馬鹿にして取り合わなかった

マークは自分の考えをエドゥアルドに説明し、開発のための資金1,000ドルの提供を要請。会社を73に分け、エドゥアルドはCFO

 

第12章     マークの言い訳

ウィンクルボス兄弟はマークの動きが遅いのを懸念。更に言い訳がましい態度に不信を抱く

 

第13章     「ザ・フェイスブック」運用開始

「ザ・フェイスブック」の準備が大詰めに。核心は参加者の挙げるプロフィールにある。大学内のソーシャルネットワークを動かす最大の要因は、リアルと同じ「セックス」であり、それが「ザ・フェイスブック」でも出発点。Harvard.edueメールアドレスが必要というのがポイント

ウェブサイトが完成、facebook.comのドメインも登録済み、サーバは$85/dayでレンタル

メールに「ザ・フェイスブック」へのリンクをつけて友人たちに発信し、20042月運用を開始

 

第14章     寝耳に水

「ザ・フェイスブック」が立ち上がり、4日間で900人集めたのを知ってウィンクルボス兄弟は驚愕。人を探すサイトという点では、アイディアを盗まれたともいえる

兄弟は一代で財を成した父親に対抗措置を相談

 

第15章     警告状

「ザ・フェイスブック」はスタート2カ月で5,000人に達し、学部生の85%が加入

大学新聞には何度も記事が載る。一面識も接点もない人とちといきなり付き合おうというのではなく、一応どこかで接点のある人に「友達になろう」と呼びかける

エドゥアルドは金を稼ぐために広告の掲載を考える

ウィンクルボスからマーク宛に、損害賠償訴訟をちらつかせた警告状が届く

マークは、両者のサービスが全く異なることを説明し、依頼された仕事に対しては正直に難点を指摘したと主張。急拡大する業務への体制構築のため、ルームメートのダスティン・モスコヴィッツには技術上のメンテナンスの作業を、クリス・ヒューズには広報・宣伝を担当してもらい、4人でチームを組む。4人ともそろってギーク。最初の仕事が他の大学にも開放すること

業務拡大に伴い、収入の道も考えざるを得なくなる

 

第16章     学長への直訴

ウィンクルボス兄弟の申し立てに対し、寮のチューターも無視、大学の管理委員会も管轄外と退けられたため、伝手を頼って学長ラリー・サマーズ(元財務長官)への直談判に及ぶが、学生同士の問題だと言って相手にされない

 

第17章     「ナップスター」創業者の登場

ショーン・パーカーは、高校生で音楽ファイル共有サイト「ナップスター」を創業駿河、レコード会社との訴訟に負けて会社を追われた後、今度はオンラインの名刺管理ソフトを開発、プラソPlaxoを立ち上げる。セコイア・キャピタルの投資を受け入れたが、1年後にセコイアのマイケル・モーリッツに追い出される

パーカーが次に狙いを定めたのはソーシャルネットワークで、ペイパルの共同創業者ピーター・シェル等と共に、既存の「フレンドスター」に声を掛けたが、単なる「出会い系サイト」で彼らが関与するには既に発展し過ぎていた

「ザ・フェイスブック」のサイトを見て、大学生を相手に急速に拡散していることに興味を持ち、マークに接近

 

第18章     大金持ちの予感

エドゥアルドは広告主を探しに大企業を回るが、誰もインターネット広告に興味を示さず

マークは神と崇めるショーンと会ってすぐにお互い意気投合

 

第19章     マークの野望

徐々に収入の道が開け、法人化。さらにマークは高校時代の仲間アダム・ダンジェロやアンドリュー・マッカラムと、「ワイヤーホッグ」というソーシャルネットワーク風のファイル共有プログラムのサイトを立ち上げると宣言。それもあってシリコンバレーに数カ月滞在するという

 

第20章     タイラーたちの逆襲

2004年、ウィンクルボス兄弟たちは卒業し、2年かけて新たに開発したウェブサイト「コネクトU」を遅ればせながら立ち上げ挽回を期す

 

第21章     創業者の資質

マーク達が選んだパロアルトの家は、偶然にもショーンのすぐ近くで、一緒に住んで仕事をすることになる

企業において最も重要なのは、創業者のエネルギーと野心であり、牽引力とスタミナ、才能が必須だが、マークは明らかに天才であり、企業をやりとげるのに必要な並外れた集中力があり、ショーンはすぐにそれを見抜く。ショーンは、マークのチームにシリコンバレーでの革命の意義を教え込む

 

第22章     ショーン主催のパーティー

ショーンが頻繁に開くパーティーは、有力な企業家やシリコンバレーの大物たちと出会う絶好の機会

 

第23章     踏み潰されるライバルたち

ウィンクルボス兄弟のボート・チームは、ヘンリーレガッタに出場したがオランダに惜敗したが、終わった後の上流階級の観覧席でのパーティーで、フェイスブックを使っているのかと聞かれ、彼我の差に愕然とする

 

第24章     疎外されるエドゥアルド

ニューヨークで広告獲得に成功し始めたエドゥアルドに、マークはカリフォルニアに合流するよう勧め、エドゥアルドは経営面を取り仕切る自らの役割をマークに確認しようと手紙を出すが、マークはショーンの紹介する投資家との会合をエドゥアルドに断りなしにどんどん進める

エドゥアルドは、自らマークに渡した会社の白紙小切手の決済口座を凍結

 

第25章     「ペイパル」創業者への売り込み

マークはショーンに相談し、会社をデラウェアに再法人化

資金調達の問題に加えて、ウィンクルボス兄弟からの訴状も届く

ショーンの紹介でエンジェル・インベスターのピーター・シェルに会う。リンクドインのリード・ホフマンや、シリコンバレーのスター、マット・コーラーも一緒

50万ドルと引き換えに、7%の株式と、5人の取締役の1人を出し、社名から”the”を外す

 

第26章     フェイスブック株の行方

200410月、ロスアルトスに新本社設立

マークとエドゥアルドは、夏の口座凍結事件の後会社の将来について徹底的に話し合い、卒業するために大学に戻りたいエドゥアルドは、会社の一線から退くことに同意

新会社の株式持ち合い比率は、マーク51%、エドゥアルド34.4%、ダスティン6.81%、ショーン6.47%、シェルは結果的に6%となり、将来の希薄化が前提

 

第27章     エドゥアルドの油断

12月にはフェイスブック利用者100万人突破記念パーティー開催

 

第28章     株の売却

20054月、フェイスブックの会員は300万に向け増加し続け、500のキャンパスに拡大

 

第29章     弁護士からの通達

新会社は、053月に2,089万株の株式発行を決議、更にマークに330万ドル、ダスティンとショーンに各200万ドル以上の株式を追加発行することを決定。エドゥアルドの持分は希薄化でほとんどゼロになると聞かされる

 

第30章     ビリオンダラーベイビーの誕生

あらゆるベンチャー企業が関心を示し、秋波を送ってき始める

マークは『ワシントン・ポスト』のトップ、ドン・グラハムと頻繁に接触、互いに情報共有する仲に

ショーンは、自分に非道い仕打ちをしたセコイアを袖にして、アクセルパートナーズから130万ドルを受け入れ、企業価値は僅か14カ月で1億ドルになり、ビリオンダラーベイビー誕生を確信

 

第31章     訴訟

エドゥアルドは、マークに裏切られたとして訴訟を考える

 

第32章     ショーンのスキャンダル

スタンフォードのキャンパスの外でやっていたパーティー会場に警察が踏み込み、ショーンは逮捕

 

第33章     冷徹な決断

マークは、ショーンの逮捕がフェイスブックを傷つけることを懸念して解雇

 

第34章     パーティーは終わった

エドゥアルドは、ウィンクルボス兄弟に会って、我々はみんなマークに騙されていたと告げる

 

その後

ショーン・パーカー ――フェイスブックを辞めた後、シェルの創業した投資会社ファウンダーズ・ファンドにパートナーとして迎えられ、ハイテク企業への初期投資に携わる

ウィンクルボス兄弟――08年マークと和解したが、不満は残っているという。兄弟は08年の北京五輪に出場し入賞を果たす

エドゥアルド・サヴェリン――マークとの訴訟の結果は不明だが、09年エドゥアルドの名が「共同創業者」としてフェイスブックの会社沿革に掲載された

フェイスブックとザッカーバーグ――07年マイクロソフトがグーグルとの出資合戦に勝って2.4億ドルを出資、1.6%の株式を取得。103月には会員数4億人を超えた。ユーザーコンテンツの所有権の問題や、広告・宣伝目的での「個人情報」の流用など大失態にも拘らず、この「ソーシャル革命」の速度は全く衰えない。マークは一代で成功した史上最年少の億万長者

 

 

 

 

Wikipedia

1969 2 7 日生まれ) は、アメリカの作家です。

彼は、映画『ソーシャル・ネットワーク』『ダム・マネー』にもなったThe Accidental BillionairesThe Antisocial Networkを含む、よく知られたノンフィクション本を執筆している。彼の著書のいくつかは、ホールデン・スコットというペンネームで執筆されている。

幼少期と教育

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メズリックはニュージャージー州プリンストンで、弁護士のモリー・ニューマンとメリーランド大学医学部の放射線科長ルーベン・メズリック[ 4 ]の息子として生まれた。彼にはジョシュ・メズリックを含む2人の兄弟がいる。彼は保守派ユダヤ人の家庭で育ち、ニュージャージー州プリンストンのプリンストン・デイ・スクールに通った。彼は1991年に ハーバード大学社会学の学位を得て優秀な成績で卒業した。

キャリア

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メズリックは、初のノンフィクション作品『ブリング・ダウン・ザ・ハウス:ラスベガスで数百万ドルを稼いだMIT学生6人の裏話』で最もよく知られている。この本は、マサチューセッツ工科大学の学生グループが、洗練されたカードカウンティングシステムを使用してブラックジャックに賭け、ラスベガスのカジノや米国およびカリブ海の他のギャンブルセンターで数百万ドルを稼いだという話である。[ 5 ]この物語は、2008年に公開された映画21』の原作となった。 [ 6 ]ノンフィクションに分類されているにもかかわらず、『ブリング・ダウン・ザ・ハウス』登場人物の多くは架空の人物であり、描かれている出来事のいくつかは、登場人物のモデルとなった人々によって異議を唱えられている。[ 7 [ 8 [ 9 ]

2004年、メズリックは『醜いアメリカ人:アジア市場を襲撃して数百万ドルを稼いだアイビーリーグのカウボーイたちの真実の物語』を出版した。この本は、アメリカ人アシスタント証券トレーダー、ジョン・マルコムの功績を物語っている。[ 10 ]

2005年、メズリックはBusting Vegas : The MIT Whiz Kid Who Brought the Casinos to Their Knees』を出版した。これは『Bringing Down the House』の準続編である。この本は、同様のブラックジャックチームに参加していた別の学生の物語であるが、そのチームは最初の本で説明されたものよりも高度なテクニックを使用していた。『Bringing Down the House』と同様に、『 Busting Vegas』で描かれた多くの出来事は、後に主人公のセミョン・ドゥカチによって異議が唱えられ、彼はこの本を「半分くらいしか真実ではない」と述べた。[ 11 ]

2007年、メズリックはRigged: The True Story of a Wall Street Novice who Changed the World of Oil Foreverを出版した。この本では、ニューヨーク商品取引所ドバイ財務省にいた二人の若い先見の明のある人物によって、後にドバイ商品取引所となる組織が設立されるまでの過程が詳しく述べられている。

メズリックは20097月、フェイスブックの創設者マーク・ザッカーバーグに関する新著『偶然の億万長者:フェイスブックの設立、セックス、金、天才、そして裏切りの物語』を出版した。この本はニューヨーク・タイムズのノンフィクション・ベストセラーリストで第4位、ボストン・グローブのノンフィクション・ベストセラーリストで第1位を獲得した。[ 12 ] アーロン・ソーキンはこの本を映画『ソーシャル・ネットワーク』の脚本に採用し、2010101日に公開された。デヴィッド・フィンチャーが監督し、ジェシー・アイゼンバーグがマーク・ザッカーバーグ役、アンドリュー・ガーフィールドがエドゥアルド・サベリン役で主演した。10年後の20195月、メズリックはキャメロンタイラー・ウィンクルボス兄弟を主人公にした続編『ビットコイン億万長者:天才、裏切り、そして贖罪の真実の物語』を出版した。

2014年、メズリックは2001年の『The Carrier』以来初の小説となる『Seven Wonders』を出版した。Booklistによると、 Seven Wonders』は「殺人、陰謀、歴史ミステリー、そして世界の七不思議を扱ったスリラー小説」である [ 13 ] 14 ] Publishers Weekly「メズリックは世界で最も興味深いスポットの舞台裏を巡る素晴らしいツアーを盛り込んだ、楽しい冒険小説を書いた」と評した。 [ 15 ]

2021年に出版された彼の著書『アンチソーシャル・ネットワーク:ゲームストップの空売りとウォール街を屈服させたアマチュアトレーダーの寄せ集め集団』は、クレイグ・ギレスピー監督の映画『ダム・マネー』 [ 16 ]に採用された。

 

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