教養としてのワイン 渡辺順子 2019.4.23.
2019.4.23. 世界のビジネスエリートが身につける 教養としてのワイン
著者 渡辺順子 プレミアムワイン代表取締役。1990年代に渡米。1本のプレミアムワインとの出会いをきっかけに、ワインの世界に足を踏み入れる。フランスへワイン留学を経て、01年から大手オークションハウスのクリスティーズのワイン部門に入社。NYクリスティーズで、アジア人初のワインスペシャリストとして活躍。オークションに参加する世界的な富豪や経営者へのワイン紹介・指南をはじめ、一流ビジネスパーソンへのワイン指導も行う。09年退社。現在は日本でプレミアムワイン社の代表として、欧米のワインオークション文化を日本に広める傍ら、アジア地域における富裕層や弁護士向けのワインセミナーも開催。16年にはニューヨーク、香港を拠点とする老舗のワインオークションハウスZachysの日本代表に就任。日本国内でのワインサテライトオークション開催を手掛け、ワインオークションへの出品・入札及び高級ワインに関するコンサルティングサービスを行う。著書に『日本のロマネ・コンティはなぜ「まずい」のか』
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発行日 2018.9.19. 第1刷発行 2018.10.18. 第3刷発行
発行所 ダイヤモンド社
みひらき
必ず押さえておきたい世界のワイン生産地
スペイン ⇒ 酒精強化ワインのシェリーや、発泡性ワインのカヴァなどが有名。また、ウニコ、テルマンシア、クネ・インペリアル・リオハ・グランレゼルバなどの、評価の高い名品も存在
ドイツ ⇒ リースリング種が主力。世界で最北のワイン生産地に属し、冷流な気候と土壌の性質を生かした辛口白ワインが生み出されている。凍ったブドウから作られるアイスワインも特産
ポルトガル ⇒ イギリスへの輸出用ワインで大きく発展。ポートワイン、マディラなどの酒精強化ワインが有名
中国 ⇒ アジアのワイン市場を牽引する存在。LVMHグループが手掛けるアオユンが話題に
日本 ⇒ワイン生産地としての環境が整いつつある。特に有名な産地としては甲州
オーストラリア ⇒ シラーズ種を使ったワインが主力。中国人に大人気のペンホールズや、世界的に有名なカジュアルワイン「イエローテイル」の産地
ニュージーランド ⇒ 白ワインで世界的に注目。赤ワインでもピノノワール種の有力な産地として注目
カリフォルニア ⇒ フランス、イタリアに並ぶ高級ワイン産地。フランスの銘醸シャトーがカリフォルニアで作るオーパスワンやドミナスを始め、カルトワインと呼ばれるスクリーミング・イーグルやハーラン・エステートも有名
チリ ⇒ 安くて美味しいワインの代名詞。自転車のマークでお馴染みのコノスルが有名。近年はフランスシャトーの進出も進む
アルゼンチン ⇒ メンドーサ地域でほとんどのワインが作られる。主力品種はマルベック種
フランス:
シャンパーニュ(北仏) ⇒ シャンパンの産地。細かい規模でブランドや品質を守り続ける
ロワール ⇒ ディディエ・ダグノーやオリビエ・クザンなど、イノベーティブな造り手たちで話題
ローヌ(南仏) ⇒ 長期熟成型で投資向きのワインを生産
ラングドックルション(南仏) ⇒ 素晴らしいテノワールを持つため、アメリカの企業などから注目される
アルザス(東仏) ⇒ 隣国ドイツの影響を色濃く受ける生産地。90%以上は白ワイン
プロヴァンス(南仏) ⇒ ロゼワインで有名な産地
ボルドー/メドック(西部) ⇒ 5大シャトーのうち4つ(ラフィット、マルゴー、ラトゥール、ムートン)がこの地域にある
ボルドー/グラーヴ(南部) ⇒ オー・ブリオンがある。赤白ともに良質なワインが生まれる世界的にも珍しい産地
ボルドー/ソーテルヌ(南部) ⇒ 貴腐ワインで有名。中でもシャトー・ディケムが有名
ボルドー/ポムロール(北東部) ⇒ ボルドーで1,2を争うペトリュスとルバンの産地
ボルドー/サンテミリオン(北東部) ⇒ 世界遺産に登録した美しい産地。シュバルブラン、オーゾンヌなどが有名
ブルゴーニュ/シャブリ(北西部) ⇒ 辛口白ワインで世界的に有名な産地
ブルゴーニュ/コート・ド・ニュイ(北部) ⇒ DRC社のロマネ・コンティ、アンリ・ジャイエ氏のクロ・パラントゥなど、超高級ワインが多数つくられる
ブルゴーニュ/コート・ド・ボーヌ(ニュイの南) ⇒ 超高級白ワインのモンラッシュ、コルトン・シャルルマーニュなどがつくられる。チャリティー・オークションで販売されるオスピス・ド・ボーヌも有名
ブルゴーニュ/ボジョレー(南部) ⇒ 日本でも馴染み深いボジョレー・ヌーボーの産地
イタリア:
イタリア/ピエモンテ ⇒ イタリアの高級ワインのほとんどがこの州で作られる。バローロとバルバレスコが有名で、世界的な造り手GAJAもこの地でワインをつくる
イタリア/トスカーナ ⇒ キャンティ、キャンティ・クラシコ、ブルネッロ、ディ・モルタルチーノなどが有名。最近では、イタリアの法に縛られないワイン造りから生まれる「スーパータスカン」が世界的に名を馳せている
イタリア/ヴェネト ⇒ スパークリングワインのプロセッコや、ガルタ湖の近くでつくられるソアーヴェ、最高級赤ワインのアマローネなどが有名
イタリア/ロンバルディア ⇒ シャンパンを凌ぐ実力を持つ発泡性ワイン「フランチャコルタ」がつくられている
はじめに
l 物議を醸した小泉元首相に出された白ワイン ⇒ 06年訪米時、ブッシュはプレスリーの大ファンである小泉をテネシー州メンフィスのエルビス邸に案内したが、その前日の小泉歓迎公式晩餐会では、クロ・ペガスがつくる白ワイン「ミツコズヴィンヤード」がサーヴされたが、クロ・ペガスは1984年にナパのカリストガ地区に設立されたワイナリー。オーナー夫人が日本人で、日本人がつくるワインということで歓迎の意を表したもので、最高のもてなしとされたが、ネットでは、日本人女性がオーナーを務めるダラ・ヴァレ・ヴィンヤーズの「マヤ」でなければ最高のもてなしではないとの中傷が載る。ロバート・パーカーも100点満点をつけたトップクラスのワイン
サルコジの晩餐会では、ペトリュスのオーナーがナパでつくる「ドミナス」がサーブされたのに比べると、クロ・ペガスでは格落ちと物議を醸す
14年訪米のオランド大統領の公式晩餐会でもワインが大きな議論の対象に。ヴァージニア州の無名のスパークリングワインがサーブされたことを知ったフランス国民がアメリカに大きなブーイング、当時オランドは、有名女優との不倫スキャンダルの最中で、夫人を伴わず単独で晩餐会に出席していたが、ゴシップ以上にフランス国民はワインに興味を示し、フランス国民のワインに対する関心の高さには驚かされる
l ゴールドマンサックスが「ワイン」を学ぶ理由 ⇒ 左脳を使ったビジネルスキルと右脳を使ったワインのセンスがビジネスには欠かせない
英国では、オックスフォードとケンブリッジが60年以上にわたって大学対抗のブラインド・テイスティング大会をしている
スイスのボーディングスクールでも、ワインが必須科目に組み込まれ、10代からワインを学ぶ場が提供されている
アメリカでも、グローバルに活躍するビジネスパーソンが身につけておくべき万国共通のソ-シャルマナーの1つとしてワインを捉えている ⇒ ワインの知識がビジネスの円滑な進行の重要なツールであり、高い文化水準を兼ね備えるエリートかどうかの「踏み絵」の役割も果たす
l ワインは最強のビジネスツール ⇒ ワインを嗜むことで豊かな国際的知識も得られるし、多種多様な知識はコミュニケーションツールとしての大きな武器
第1部
ワイン伝統国「フランス」を知る
l 世界を魅了する華麗なるボルドーワインの世界
ワインの起源は不詳
フランスにワインが伝わったのはローマ帝国時代で、シーザーが普及に貢献 ⇒ 勢力拡大に伴い、行く先々でブドウを植えさせ、ワイン造りを伝えた
キリストの登場で存在価値が変わる ⇒ キリストが最後の晩餐で、「ワインは私の血である」と言ったところから、「聖なる飲み物」となり貴重な飲み物として扱われる
キリストの布教と共にワインも広がり、宗教改革やルネサンスではさらに需要を増やす
発泡性ワインが偶然出来上がり、その収入が修道院や教会の運営を助け、多くの宗教芸術が生まれる
18世紀には、王侯貴族に愛され更に発展、華やかな宮廷文化をワインが彩る
熟成可能なコルク栓のワインボトルに保管されるのもこのころから始まる
1905年 フランスでは、生産地名の不当表示を取り締まる法律制定
1935年 同じく産地のブランドを守るためのAOC法(原産地統制呼称法)制定 ⇒ 気候条件に人為的に手を加えることを禁止
“Appellation XX(産地名/村名/畑名) Controlee” ⇒ 産地名は細かくなるほど価値が上がる
2008年 ヨーロッパのワイン法改正 ⇒ "AOP”との表記も
参考:古い樹から採れたものを”Vieille Vigne(ヴィエイユ ヴィーニュ)”と書くことあり
ボルドーワインの発祥は、ローマ帝国時代 ⇒ 土壌と気候に加えガロンヌ川を利用する運搬の容易さがボルドーを高級ワインの醸造地として発展させた
オランダ商人が伝えた灌漑技術も、ブドウ畑を広げることに役立ち、より質の高いワインを求める王侯貴族のためにシャトーごとにブランドが確立
ワイン取引を専門に請け負った会社を「ネゴシアン」という ⇒ シャトーは、契約したネゴシアンに独占権を与える。輸出・販売を手掛けたのがネゴシアンで、シャトーとネゴシアンを結ぶ仲介人をクルティエと呼んだ
現在ボルドーには約7500のシャトー、400のネゴシアン、130社のクルティエが存在し、ネゴシアンがワインを管理し、様々な国へ販売していく仕組みが出来た
1855年のパリ万博でナポレオンが「メドック格付け」を行ったことが、ボルドーを世界に知らしめることに ⇒ 1000近くあるメドックのシャトーを5等級に格付け
1級に選ばれたのがラフィット・ロートシルト、マルゴー、ラトゥール、オー・ブリオンの4シャトー
ロートシルトは、1670年代にはすでにブドウ栽培とワイン醸造を本格化。ルイ15世の愛妾ポンパドゥール夫人がブルゴーニュワインを宮廷で禁止した際、ヴェルサイユ宮殿で若返りドリンクとして大ブレークしたのもこのラフィット
アメリカ第3代大統領ジェファーソンもラフィット好きとして知られる
マルゴーは、12世紀ごろまだアキテーヌ(ボルドー周辺)がイングランドの領地だった時代に、歴代のイングランド王に愛され、品質を上げていった。熟成と共に柔らかな口当たりが特徴的
ラトゥールは、現在グッチやクリスティーズのオーナーのフランソワ・ピノーの所有。タンクによるばらつきを防止するため、特大のタンクで一度にブレンド
オー・ブリオンは、メドックではなくグラーヴ地区のペサックレオニャンに位置しているが、1500年代から醸造を行っていた由緒あるシャトーとして選ばれた。ルクセンブルクの王室所有。1423年にはブドウの栽培がおこなわれたとの記録発見、最古のシャトー
1973年ムートン・ロートシルトが2級から1級に昇格 ⇒ 1853年イギリス系ロスチャイルドが買収したため、パリ万博の格付けで1級を逃した。2004年クリスティーズのオークションで出品された1945年産のムートン木箱入り12本は、醸造以来シャトーで保管され来歴は申し分なく、30万ドルの過去最高で落札。同時にマグナムの6本木箱入りは35万ドルで落札、最高額を更新。当時はクレージーと言われたが、現在ではそれを上回る
5大シャトーの中でもレジェンドと呼ばれる傑作ワインが、1945年のムートンはじめ、1870年と1953年のラフィット、1900年のマルゴー、1961年のラトゥール、1945年と1989年のオー・ブリオン
2級には14シャトー ⇒ スーパーセカンドと呼ばれる1級に近いのは、シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド(1982年は評論家が絶賛、毎年10~20%落札額が上がっている)、シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ、シャトー・コス・デストリューネルなど
ジロンド川左岸に沿ってメドック地区があり、上流のガロンヌ川左岸にグラーヴ地区、バルザック地区、ソーテルヌ地区がある。別の上流のドルドーニュ川右岸に沿ってサンテミリオン地区とポムロール地区がある
ソーテルヌの貴腐ワイン ⇒ ブドウに付着した貴腐菌がブドウの水分を吸い取り糖分だけが残ったブドウを作り出す自然が生んだ奇跡の逸品。独自のシャトー格付けを持ち、シャトー・ディケムが唯一格付けされたプルミエ・クリュ・シュペリュールから、プルミエ・クリュ、ドゥジェム・クリュの順でランク付け
シャトー・ディケムは15世紀に始まり、英仏で主導権争いもあったが、100年戦争で仏が勝利したあと1453年にはフランス国王シャルル7世の所有、1711年共同管理を認められていたソヴァージュ家が権利を買い取り、その後リュ―ル・サリュース家の単独所有に。1999年にはLVMHグループ傘下に入り01年から表記を「Sauternesソーテルヌ」に変更。01年産は、1921年産以来の傑作とされている。1本のブドウの樹からグラス1杯分しか作れない希少性の高い貴腐ワインを年間10万本生産
サンテミリオン村は、1999年世界で初めてワイン産地として世界遺産に登録。聖都に向かう巡礼の宿場町として古くから栄えた村、人口わずか2800人なのに数百の生産者がひしめく。ワインの格付けはプルミエ・グラン・クリュ・クラッセとグラン・クリュ・クラッセがあり、最上級に位置するシュバル・ブランとオーゾンヌが有名。この2つとペトリュスを加えた8銘柄をビッグ・エイトとも呼ぶ
シュバル・ブラン ⇒ 1832年創業。LVMH傘下。カベルネフラン種を主体にメルロー種をブレンド。特に1947年産は伝統の1本で、11万本も生産されたが2005年のオークションでは落札予想価格が付けられないほどの熱狂を呼ぶ
シャトー・カノン ⇒ サンテミリオン村在。シャネルが所有。500年の歴史。シャトーを作るための石切が行われ、30㎞に亘る地下回廊が横たわり、そこから醸し出される厳かな空気も高品質を支える要因
ポムロール地区 ⇒ メルロー種を主体。人口1000人弱
ペトリュス(英語名:Peter、聖ペトロ) ⇒ ポムロールの最高峰。1878年パリ万博の金メダルで有名に。ラベルにはキリストから渡された天国へのカギを持つ聖ペトロの姿が。1961年以降現オーナーのJ.P.ムエックス社になってから飛躍。右岸にあるため、メドック地区での左岸優先を覆した。社長のクリスチャン・ムエックスは、醸造責任者でもあり、厳しい品質管理で有名。1991年ボルドーの右岸がオフヴィンテージ(ブドウの出来がよくない年)の年、ペトリュスは出荷を断念
ルパン ⇒ 右岸のワイン。メルロー種主体。少量生産のためオークションにもでない。1982年はパーカー・ポイント満点
ボルドー・プリムール ⇒ ボルドー特有のワイン先物取引の習慣のこと。前年の9~10月に収穫したブドウを醗酵させ樽熟成の過程で、翌3~4月に先行して買い取る方式。約60年前経営苦境に陥ったシャトー救済のため始まったものだが、2012年ラトゥールがこの方式から脱退して直販を始めたため、伝統に変化が現れてきている
ブルゴーニュでは生産者のことをドメーヌという
赤ワインで使われる品種:
カベルネ・ソーヴィニヨン ⇒ 世界で最も生産量が多い。タンニンを豊富に含み、若い時にはアルコール度数が高く、濃厚でしっかりした味わいが特徴
ピノノワール ⇒ ブルゴーニュ地方原産。栽培が難しく、繊細な品種だが、ポテンシャルも高い。多品種とのブレンドはせず単一で醸造されるため、ヴィンテージによって味が変わることでも有名
メルロー ⇒ 栽培面積は第2位。気候に対する柔軟性あり、産地を選ばない。カベルネ・ソーヴィニヨンとの相性が良く、ブレンドによって調和の取れた最高級ワインを生み出す
白ワインで使われる主な品種:
シャルドネ ⇒ ブルゴーニュが発祥の地。シャブリ、モンラッシェを始め、シャンパーニュ地方など幅広い地域で使われる白ワインの王道品種だが、産地によって味わいは異なり、ブルゴーニュやシャンパーニュ地方では冷涼な気候からミネラルと酸味が豊富な辛口となり、カリフォルニアやチリではふくよかに仕上がる
ソーヴィニヨンブラン ⇒ 原産地はボルドー。カジュアルから超高級まで幅広く使われる。環境への適応力が高いので、産地によって個性が目立ち、味わいの違いを楽しめる
リースリング ⇒ 冷涼な気候を好み、ヨーロッパ北部のドイツを始めアルザスなどで使われる。貴腐ワインや遅摘みワインにも使用
l 神に愛された土地ブルゴーニュの魅力
ブルゴーニュでは、フランス革命の後、教会や修道院が所有していた畑の大半が細分化されて農民たちに分け与えられたため、大きな醸造所は必要なかった
地区ごとのシャトー(生産者)の格付けもなく、畑に僅か4つの格付けがあるだけ ⇒ 上から、グラン・クリュ、プルミエ・クリュ、コミュナル(畑のある村)、レジョナル(地方)
グラン・クリュは全体の1%。ラベルのAOCに畑の名前が入るので、ロマネ・コンティの畑を使えるのはドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(通称DRC)だけなので希少価値も高くなる
最も高額で取引されるブルゴーニュワインの造り手故アンリ・ジャイエ(1922~2006)もプルミエ・クリュで生産を行いそのクロ・パラントゥ(通称クロパラ)もヴォ―ヌ・ロマネ村の1級畑であるクロ・パラントゥ畑で作られたもの
プルミエ・クリュのラベル表記は、「村名∔1er Cru(Premier
Cru)+畑名」
コミュナルは、同じ村の畑で取れたブドウのみを使ったワイン。質の劣るものは除外
ブドウの使用制限が「村」に広がっているため、同じ村であれば別の畑のブドウをブレンドしても問題はない。ラベルには村名が記載される
レジョナルは、最も広くはブルゴーニュ全域に広がる
ボルドーが赤白ともにブレンドが認められる ⇒ 赤は5品種(カベルネソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨンフラン、マルベック、プティヴェルドー)、白は3品種(ソーヴィニヨウンブラン、セミヨン、ミュスカデル)
ボルドーでは、シャトーが複数の畑を所有し、ブレンドの割合を変えることもあるし、畑の格付けがないので畑を増やして大量生産することも可能
ブルゴーニュではブレンドを認めないし、品種も限定 ⇒ 80%は白がシャルドネ、赤がピノノワールでつくられる
元々ブルゴーニュは海底にあって、土壌の養分や鉱物が土地によって大きく異なり、畑ごとに性質の違いが如実に表れる ⇒ テロワールが最も優れているのがロマネ・コンティの畑
最高のワインを生み出す地域「コート・ドール(黄金の丘)」があり、コート・ド・ニュイ地区とコート・ド・ボーヌ地区がある ⇒ ニュイにはナポレオンの愛したワインを生むジュヴレ・シャンベルタン村があり、9つのグランクリュがあり、約30の生産者がいる
コート・ド・ボーヌで有名なのがモンラッシェ村 ⇒ モンラッシェ、シェヴァリエ・モンラッシェ、バタール・モンラッシェ、ビアンヴニュ・バタール・モンラッシェ、クリオ・バタール・モンラッシェの5つの特級畑がある
生産者のトップはドメーヌ・ルフレーヴ ⇒ 300年の歴史を有し、保有する約25ヘクタールのブドウ畑の大半が特級か1級。17年には1本の平均価格が6698ドルとDRCを上回った。化学肥料や農薬を使わないビオディナミ農法の先駆者。04年からは下位の格付けの畑のマコン地区(ブルゴーニュの中央部辺り)でも醸造を始め、手ごろな価格で一流の味わえる土地として注目
名門ドメーヌ・コント・ラフォンも、ルフレーヴに刺激されてマコン地区に進出
コルトン・シャルルマーニュ ⇒ コート・ド・ボーヌのアロース・コルトン村の高級白ワイン。8世紀のフランク王国カール大帝が起源で、当初赤ワインが好みだったが、自慢の髭が汚れることに悩み白に変えたという
オスピス・ド・ボーヌ ⇒ ボーヌ村で16世紀貧困に悩む農民の病人救済のためブルゴーニュ公国が病院を設立、財務長官がブドウ畑を寄付してワインの利益で無料診療を行ったが、この慈善病院から生まれたワインはその後5大シャトーを上回る値で取引されるまでに発展。今でも地域全体が協力してオークションが成り立っている
ブルゴーニュの「La Pauleeラ・ポレー」の祭り ⇒ ドメーヌ・コント・ラフォンの創業者ジュール・ラフォン伯爵が1932年確立したイベント。ブドウ園の労働者を労う祭りから出発、毎年開催。アメリカでもニューヨークとサンフランシスコで2~3月に交互に開かれ、世界のブルゴーニュ好きが集まる
ボジョレー地区 ⇒ ブルゴーニュの南半分を占める。ガメイ種のブドウで作る熟成のいらない早飲みのワインで有名。乾燥した寒い冬と日射量の多い暑い夏という気候的に恵まれた土地。樽熟成期間は国が定め、ボルドーの赤では12~20か月、白は10~12か月に対し、ボジョレー・ヌーボーは数週間で出荷が可能。ヌーボーの大半は対日輸出
シャブリ ⇒ 離れた場所。グランクリュ、プルミエクリュ、シャブリ、プティシャブリの4つの格付けの畑。ジュラ紀に海底だった土壌は今でも牡蠣の貝殻の化石が出土する石灰質で、海のミネラルを豊富に含む特異な土壌で育つシャルドネが酸味の強くキレがいい白ワインを生む。冷やして飲むと魚介類の生臭さが消えミルキーな味わいが引き立つ
l 正しいテイスティング
ワインの味は、甘味、アルコール度数、酸味、タンニン、ボディの5要素からなり、それらの個性や特徴を見分けるのがテイスティング
発酵しきれずに残った糖分が「甘味」なので、糖分をほとんどアルコールに変えたワインが「辛口」。基本的には甘いワインほどアルコール度数も低い
「酸味」はブドウに含まれるリンゴ酸と酒石酸のこと。酸味の高いワインは冷やすほど美味しいとされるが、それは温度が低くなると甘味と酸味が混じって味がぼやけるため
「タンニン」は、ブドウの果皮と種からしょうじるポリフェノールの一種で、渋味を表す。ブドウの果皮を使わない白ワインにはほとんどタンニンは含まれない
「ボディ」はワインの骨格、強さ、重厚感、感覚など、飲んだ時の感触を表し、フルボディ、ミディアム、ライトと分類されるが、定義や基準はない
テイスティングは、The “S” Stepと言い、See、Swirl、Sniff & Smell、Sip & Swish、Swallow or Spitという手順
Seeでは、ワインの色合いや輝き、清澄度を確認。まずは色の濃淡の度合いを見る。赤は熟成と共に紫からレンガ色に変化。白は液面の縁の部分の色によってワインの特徴が分かる。年と共にグリーンがかった黄色から淡い黄色、レモンイエロー、ゴールド、麦わら色、琥珀色へと変化。濁りがないかも確認
Swirlでは、グラスを回し、粘着度を確認。粘着度が高いほどアルコール度数が高い
Sniff & Smellではグラスを傾け香りを嗅ぐ。香りは、ぶどう本来の香りと醗酵段階で生まれる香り(アロマ)と、発酵後樽や瓶内での熟成中に生まれる香り(ブーケ)に分かれる
Sip & SwishとSwallow or Spitでは、口に含んで口内全体で味わう。甘味は舌の前方で、酸味は舌の両サイドで、タンニンは歯茎で、アルコールは喉の奥で、ボディは後味の長さや飲んだ時の感触で感じる
l フランスワインの個性的な名脇役たち
①
シャンパーニュ ⇒ ブランドや品質管理が徹底。発泡は瓶内二次発酵に限定、瓶詰めしたワインに糖分や酵母を加えて再び発酵させ、炭酸を作り出す方法。使用品種も主にピノノワール、ピノムニエ、シャルドネに限定され、熟成期間、ブドウの収穫量、最低アルコール度数も規定
ナポレオン曰く、「シャンパンは戦いに勝った時には飲む価値があり、負けた時には飲む必要がある」
地下貯蔵庫で熟成 ⇒ 古代ローマ時代に大量の石が採掘され、地下に巨大な洞窟があり、年間を通じて12℃前後に保たれ、シャンパンの熟成に最適
ブドウの栽培業者は16千社、メゾンと呼ばれる醸造所は320社ほど
工程や製造方法をラベルに記載 ⇒ 自社の畑のぶどうが主であればRM、栽培業者から買い取りが多い場合はNM
ぶどうは収穫後すぐに圧搾、茎は取ってはいけない、一番搾りと2番搾りを峻別など、20項目以上の基準があり、土壌の保守にも取り組む
その年収穫のぶどうを100%使った場合のみヴィンテージを表示するが、いろいろな年に収穫されたぶどうをブレンドするためヴィンテージの記載のないものが多い
ドン・ペリニヨン ⇒ ピエール・ペリニヨン修道士(1683年生)が生みの親。貯蔵庫に入れ忘れたワインが春になって瓶内で二次発酵が起き泡が立ち上がっているのを見てヒントを得た。1794年ペリニヨンがいたオーヴィレール修道院とぶどう畑をモエ・エ・シャンドン社が買収、1930年「ドン・ペリニヨン」の商標権を獲得しブランドが誕生。最初のヴィンテージは1921年だが、熟成後に登場したのは36年
1987年ルイヴィトン社が、モエ・エ・シャンドンとヘネシーを吸収合併し、LVMHとなる
②
ローヌ・・ワイン ⇒ フランス南東部、南北に200㎞、東西100㎞の畑。フランスで最初にワインがつくられた土地。1309年教皇クレメンス5世がローヌ南部のアヴィニヨンにローマ法王庁を置き、ワイン産地としても大きく栄えた
シャトーヌフ・デュ・パプ ⇒ 法王にワインを捧げる村として発展。ここでつくられたワインを「神に愛されたワイン」と称した
熟成によって大きく変化するその表情が特徴。タンニンが豊富で長期熟成に適しているので投資対象としても人気
07年のオークションでローヌ北部のエルミタージュ産61年ものが1ケース123,750ポンドと、ロマネ・コンティの1978年もの93,500ポンドを超えて騒然
③
ロワール地区 ⇒ フランス最長の大河の流域に広がるぶどう畑
ディディエ・ダグノー ⇒ ロワールの異端児。天才醸造家。ソーヴィニヨンブラン種から世界最高峰の白ワインを産出。ぶどうはカジュアルワイン向けの品種とされたが、ビオディナミ農法により成功したが、08年飛行機事故死、享年52
アンジュ・ソミュール地区のオリビエ・クザン ⇒ 自然にこだわる生産者。酸化防止剤すら使用しないため、瓶内での発酵が進むリスクを抱える
④
ロゼレボリューション ⇒ ギリシャでは紀元前から作られたが、当時は黒ぶどうからうまく色素が抽出できない失敗作。製造法は3種類。赤ワイン同様黒ぶどうを基に作る方法で濃い色になる前に果皮を除く。2つ目は白ワインのように果皮を漬けない方法でぶどうを圧搾した際の果皮の色素が醸し出されて淡いピンクになる。3つ目が黒ぶどうと白ブドウを混ぜて作る方法
1990年代には「ブラッシュワイン」「ホワイトジン(白いジンファンデル種の意)」と呼ばれる安価なワインだったが、#yeswayroseというタグがSNSで流行するなど若いミレニアル世代の女性を中心に注目、ロゼレボリューションと呼ばれている
ロゼワインの生産地として有名なのがフランスのプロヴァンス地方 ⇒ フランス産の40%を占める。シャトー・デスクランのウィスパリング・エンジェルは18年に320万本リリース。アメリカが一大消費地に
⑤
ラングドックルション地方 ⇒ 長い歴史を誇るフランス最大のブドウ産地の1つで、ロバート・モンダヴィが欲しがった土地
モンダヴィはムートンとのコラボ作品オーパス・ワンの成功で、イタリアの老舗フレスコバルディ社ともジョイントでルーチェを生み出す。93年の株式公開で得た資金でこの地方のアニアーヌ村進出を図ったが、地元の反対で頓挫。地元のマス・ド・ドマ・ガサックが、南仏ワインの安価なイメージを一新
⑥
アルザス地方 ⇒ 冷涼な気候から90%は白ワイン。品種はリースリング、ゲヴェルツトラミネール、ピノグリ、ピノノワールなどで、ブレンドせず単品で使用
6世紀末から生産開始。グールメというワイン取引や品質管理、ワイン鑑定を請け負う業者が誕生し、ワイン取引を活発化、グルメの街としても発展したが、ドイツとフランスの所有権争いに巻き込まれ、ぶどう畑も細分化
ゲーテも、アルザス地方に下宿して、アルザスワインに魅了された一人
l ワイングラスの形の違い
グラスの形が異なるのは、形状により「香りの楽しみ方」、「空気と触れさせるレベル」、「適当な温度」、「口への含み方」などが変わるから
赤のグラスが白より大きいのは空気に触れさせてタンニンの渋味を和らげるためであり、白が小さいのは冷たいうちに飲みきれるようにしている
産地やぶどうの種類によっても適したグラスは変わる ⇒ カベルネソーヴィニヨンは楕円形で縦長だが、タンニンが豊富で空気に触れるほどワインが開くぶどうの特徴を生かし、口に入るまでの空気に触れる時間を長くし、より芳醇な味わいを表現するため
ピノノワール用のグラスは、丸味を帯びて飲み口の部分が狭まっているが、ピノが繊細で複雑な香りのニュアンスが特徴なので、ワインが空気に当る面積を広げつつ、その香りをと封じ込めるように飲み口が狭まっている
白のグラスは口がすぼまっていないが、口に含んだときにそのまました全体にワインが広がり、舌の両サイドでしっかり酸味を感じられるようにするため
モンラッシェのように酸味が柔らかく凝縮された味わいに白は口の広いグラスを選び、シャブリのように酸味やミネラルがしっかりしたシャルドネには酸味を感じる舌の両サイドに直接当たらないように口のすぼまったタイプのグラスを選ぶ
シャンパンはフルート形という細長いグラスが主流で、泡が奇麗に立ち上がるスタイルだが、クープという平べったいグラスもある
全てに共通するのが、薄手のグラスほどワインを美味しく飲める ⇒ 厚いグラスだと注いだワインの温度が変わる
第2部
食とワインとイタリア
l 食が先か? ワインが先か?
ワインが古代ローマ人によって各地に広がり、世界共通の飲み物となったという事実は、イタリア人の誇りであり、今(2017年)でも生産量は世界一、輸出量は世界2位
土着品種が2000種あると言われる(フランスは約100)
原産地統制呼称法があり、最上級がDOCG(統制保証付原産地呼称ワイン)、次いでDOC(統制原産地呼称ワイン)、IGT(地域特性表示ワイン)、VdT(テーブルワイン)の4段階の格付けがあり、DOCGは74か所、DOCは約330か所
09年から始まったヨーロッパの新ワイン法ではDOCG、DOCともDOPとして統合
フランスに比べて線引きが曖昧であり、品種管理にも問題あり
イタリアワインは庶民に溶け込み、質より量を重視した生産となり、郷土料理や地方色の強いイタリア料理との結びつきが濃い
サルディーニャ島(サーディンの語源)では、魚介料理が中心でそれに合う白として土着のヴェルメンティーノ種100%のワインが多い
南部ではアルコール度数の低めのワインが生産され、昼間から飲み食いするのに最適
北部では肉料理や煮込み料理が主流となり、バローロのような地元の赤ワインがよく合う
地域それぞれに独特のチーズがあり、それとのマリアージュも楽しい ⇒ パルメザンチーズで知られるエミリア=ロマーニャ州は、ランブルスコというアルコール度数の低い、半甘口の赤のスパークリングが特産で、よく冷やしたランブルスコと塩気の強いパルメザンチーズとの相性は抜群。ヴェネト州では地元のアジアーゴというセミハードタイプのチーズも地元のプロセッコというスパークリングとの相性がいい
ピエモンテ州 ⇒ イタリア随一の高級ワイン銘醸地。最多数のDOPが存在
ランゲ地区のバローロ村 ⇒ シーザーに愛されたが、品質が向上したのは19世紀で、イタリア統一の英雄カヴールがフランスのワイン学者を招いて改良に乗り出したのが契機。1787年ジェファーソンにより一気にその名がヨーロッパ中に拡散。地元のゴルゴンゾーラチーズにピッタリ。ぶどうは土着のネッビオーロ種100%とされ、熟成期間はバローロが38か月、バローロ・リゼルヴァは62か月。販売も熟成期間終了後に制限。最近ではバローロ・ボーイズという長期熟成を必要としない近代派の作るワインも出てきた
同地区のバルバレスコ村 ⇒ ネッビオーロ種100%。イタリアワインの帝王との異名を持つアンジェロ・ガヤの地元で、フランスに対抗するためにすべての畑をカベルネソーヴィニヨン種に替え、ダルマジ(残念の意)のブランとしたが、DOCGバルバレスコを名乗れずDOCランゲとしてリリース。以前にもバルベーラ種を10%加えたこともあり、ネッビオーロ種100%に拘泥しなかったが、ガヤを継いだ娘は2013年にすべてネッビオーロ種に戻し、格付けもDOCGにしている
トスカーナ州 ⇒ ピエモンテと並ぶイタリアワインの銘醸地。ブレンドが多い
キャンティ ⇒ 早くから国外で有名だったが、偽物の横行でブランドが失墜した過去があり、1716年トスカーナ大公コジモ3世により生産地域が限定された
1932年最初の境界線内をキャンティクラシコとし、拡大境界をキャンティとして区別
1996年キャンティクラシコがDOCGに認定、2012年には同地域内でのキャンティの生産が禁止され、差別化を明確にした
キャンティクラシコの「黒い鶏」のシンボルマーク ⇒ フィイレンツェがシエナとの国境を決める際、お互いの鶏が朝一番で鳴いた時点から走り出して出会った地点を国境にすることにしたが、その時フィレンツェが選んだのが黒い鶏。朝まで餌を与えず空腹で朝早く鳴くようにしてシエナ近くまで領土に収め、キャンティのエリアのほとんどがフィレンツェ共和国のものとなったところから、黒い鶏をキャンティクラシコだけがボトルにつけることになった
スーパータスカン ⇒ トスカーナ州の高級ワインで1992年代ごろから生産が始まった法に縛られないワインのこと。さきがけがサッシカイアで、1940年代当時タブーとされたフランス産ブドウを使用、ラフィット・ロートシルトからカベルネソーヴィニヨン種の苗を譲り受けて自社の畑で栽培、法に当てはまらないためにテーブルワインとランク付けされたが、海外で人気を博し1978年にイギリスの権威あるワイン雑誌『デキャンタ』が「べスト・カベルネソーヴィニヨンに選び、85年産はロバート・パーカーがイタリアワインとして初めて100点満点を与えた
そのブームに乗って87年に発表されたのがマセット ⇒ 新生ワイナリーのオルネライアがフランス産メルロー100%で作り、06年産はパーカー・ポイント100点
モンタルチーノ地区 ⇒ 14世紀から作られているが、近年目覚ましく発展
19世紀中頃フィロキセラの上陸で畑が壊滅する中、突然変異したサンジョベーゼ種を発見したのがビオンディ・サンティ社の当主フェルッチョで、ブルネッロ種と名付け、生産者も急激に増加し、世界的な銘醸地となった
カサノバ・ディ・ネリは、06年のアメリカのワイン雑誌『ワインスペクテーター』の行うブラインドテイスティングで01年産が1位を獲得、一夜にしてシンデレラワインとなる
カーゼ・バッセ ⇒ 1972年創業。大樽から熟成中のワインが流出したこともあって、残るワインは下位格付けのIGTトスカーナとして市場に出たが、品薄
ヴェネト州 ⇒ 発泡性ワインのプロセッコが有名。2010年に」DOCGに昇格
全生産量の70%が白で、ガルダ湖近くでつくられるソアーヴェが有名
アマローネは、ヴェローナ地区で限られた生産者によって少量生産される高級ワイン。熟成に2~6年、瓶熟成に1~3年を要す。ダンテの末裔がつくり始めたと言われ、トスカーナ大公国のメディチ家も愛したという
フランチャコルタ ⇒ 北イタリア・ロンバルディア州のフランチャコルタ地域で生産され、イタリアで初めてDOCGの認証を受けた発泡性ワイン。厳しく規制されていることもあって生産者も100社ほど。これからのワイン
l ワインボトルの形と大きさ
いかり肩のボルドータイプと、なで肩のブルゴニュタイプ ⇒ 産地ごとに規定があり、許可されていない形状のボトルで販売することは許されない
シャトー・オー・ブリオンだけは例外で、1958年産から首が長く、なで肩に近いボトル
サイズは10種類以上あって、通常サイズは750mlで仏語ではブテイユ、英語ではボトル
1500mlサイズはマグナム、6000mlはマチュザレム(ノアの祖先の長老の名で、初めてぶどうの木を植えた人とされる)、9000mlはサルマナザール(アッシリアの君主の名)、ジェロボアム、バルタザール、ナピュコドノゾール、最大は30l(ボトル40本分)
l ヨーロッパが誇る古豪たちの実力
スペイン ⇒ ワイン生産量世界3位
シェリー ⇒ 世界3大酒精強化ワイン(他はポルトガルのマデイラとポートワイン)。アンダルシア州産。暑い地方でワインの酸化・劣化を防止するため、ブランデーのようなアルコール度数の高い酒を入れ、糖分やアルコール分を上げている
サングリア ⇒ ワインにフルーツやスパイスを漬け込んだフレーバードワイン
ドイツ ⇒ ラベルの読み辛さが世界で有名になれなかった理由
18年央現在、パーカー・ポイント98点以上の銘柄が166種類に上るほど高品質
世界最北のワイン生産地で、辛口白が代表。リースリング種が主
アイスワイン ⇒ 凍った手摘みのぶどうでつくったワイン
イギリス ⇒ やせた土地のため、ぶどうが出来ないが、消費地としては最高級
近年温暖化の影響で、ワイン生産の高いポテンシャルが期待される
l 基本的なラベルの読み方
ボルドーの場合、シャトーやドメーヌ名がワイン名として記載
ヴィンテージ(その年収穫のぶどうを85%以上使用が条件)、アペラシオン(AOC)、瓶詰業者、アルコール度数、原産国、容量
ブルゴーニュの場合、AOC名がワイン名として記載。作り手より地域/畑名が優先
イタリアワインの場合、DOCG等の分類、ヴィンテージ、瓶詰会社がある町の名称、ぶどうの産地、国名、アルコール度数、容量の表示が義務付け。ワイン名には生産地区名(バローロ、キャンティなど)や作り手の名前(GAJA)など、商品名(サッシカイア)などがあり、熟成期間が長いことを示す「リゼルバ」やより上級のワインを示す「スペリオーレ」など細かい表示も
第3部
知られざる新興国ワインの世界
l アメリカが生んだ「ビジネスワイン」の実力
規制だらけのオールドワールドに対し、土地やぶどうの個性を重視する厳しい法律のないニューワールドでは、自由な発想でワイン造りが行われている
ヨーロッパのほとんどの地域ではブドウ畑の灌漑が禁止され、自然に任されているが、ニューワールドでは様々な灌漑法を使ってぶどう栽培がおこなわれる
アメリカは世界4位の生産国。西部3州とニューヨークが中心
1920年の禁酒法で一旦消滅しかかったが、33年の同法廃止でワイン生産が急増
60年代にロバート・モンダヴィの出現で大きく飛躍
76年アメリカ独立200年を記念して開催されたブラインドテイスティングで「パリの審判」と呼ばれる事件勃発 ⇒ アカデミー・デュ・ヴァン創立者のワインショップ経営者スティーブン・スパリュアがナパのワインを飲んで驚愕し思いついたイベントで、フランスのトップシャトー4銘柄を抑えてカリフォルニア産6銘柄が圧勝、世界を驚かせた
赤: 1位 スタッグス・リープ・ワインセラーズ アメリカ
2位 シャト-・ムートン・ロスチャイルド フランス
3位 シャトー・モンローズ フランス
4位 シャトー・オー・ブリオン フランス
5位 リッジ・モンテ・ベロ アメリカ
6位 シャトー・レオヴィル・ラスカーズ フランス
7位 ハイツ・マーサズ・ヴィンヤード アメリカ
8位 クロ・デュ・ヴァル アメリカ
9位 マヤカマス アメリカ
10位 フリーマーク・アビー アメリカ
白: 1位 シャトー・モンテレーナ アメリカ
2位 ムルソー・シャルム・ルロー フランス
3位 シャローン アメリカ
4位 スプリング・マウンテン アメリカ
5位 ボーヌ・クロデムシュ・ジョセフ・ドルーアン フランス
6位 フリーマーク・アベイ アメリカ
7位 バタール・モンラッシェ ラモネ・プルードン フランス
8位 ピュリニィ・モンラッシェ・レ・ピュセル・ルフレーヴ フランス
9位 ヴィーダークレスト アメリカ
10位 デイヴィッド・ブルース アメリカ
2006年のリターンマッチでも、カリフォルニアワインに軍配
1979年ムートン・ロスチャイルドがロバート・モンダヴィとのJVで、オーパス・ワン立ち上げ
1980年代にもペトリュスのオーナーのムエックス氏が、ナパのヨントヴィルで新たな巨大ワイナリー「ドミナス」を設立。設計者はヘルツォークとド・ムーロン
スクリーミング・イーグル ⇒ カリフォルニア州産の「カルトワイン」の一種。80年代半ばに富裕層がナパで高品質で小ロットの希少性の高いワインを作り出したものの総称。狂信的ワイン愛好者の意。年間500ケースしか作らず、06年産のインペリアルボトル(6000ml)は13年のオークションで35,850ドルで落札
他にもカルトワインとしては、ハーラン・エステート(1500ケース) 、ブライアント・ファミリー(500)、コルギン(350)
ヴァージニア州にも注目、オレゴン州にはブルゴーニュの造り手たちが進出(ピノノワールが主)、ニューヨーク州ではハドソンヴァレーとロングアイランドのハンプトンが2大産地
l ワインの評価を決める「パーカー・ポイント」
ヴィンテージチャートにより、地域ごとのヴィンテージ評価がわかる
テイスティングノート ⇒ ワインの銘柄ごとにコメントと点数が表示される
パーカー・ポイント ⇒ アメリカのワイン評論家ロバート・パーカーが発表するもので、世界中に影響力を持ち、消費者の選択の基準となった。基礎点50点、味わい20点、香り15点、全体的な質10点、外観5点の計100点で80点がボーダー、96点以上が最高級
18年7月現在100点満点は632銘柄 ⇒ 1900年のマルゴー、21年のディケム、29年のペトリュス、45年のムートンとオー・ブリオン、47年のシュバル・ブラン、61年のラトゥール、85年のロマネ・コンティなど。産地別ではカリフォルニアが圧倒的に多く、ローヌ、ボルドーと続く
l 進むワインのビジネス化
90年代以降ワインビジネスが興隆、オークションの売上もロンドンを上回り、アメリカ国内のワイン市場はどんどん巨大化
リーマンショックで低迷したワイン業界に代わって現れたのが中国 ⇒ 08年香港がワインの関税を40%から0に引き下げ、オークションハウスが香港に移動
2014年には、ネットスケープの創始者ジェームス・クラークが所有していたヴィンテージ違いのロマネ・コンティ114本を1ロットとして出品、中国人が世界最高の12.56百万HK$(180百万円→グラス1杯約20万円)で落札
投資の側面 ⇒ 2004年イギリスが自己投資型個人年金の税制優遇措置の対象にワインを加えた結果、欧米ではワインが投資対象として認識
中国人によるボルドーの銘醸シャトー買収が相次ぐ
カリフォルニアでも、カルトワインの名門シュレーダー・セラーズが大手飲料メーカーのコンステレーション・ブランズに60百万ドルで買収
2012年ルディーの偽造ワイン事件 ⇒ 01年ごろからアメリカのワイン愛好家でアジア系のルディーがオークションで派手に落札を繰り返しはじめ、偽造ワインを作ってオークションに出していたのが発覚、12年に逮捕されるまでに120億円を荒稼ぎしたが、この事件を契機としてオークションハウスの偽造防止体制が強化された。まだ600億円相当の偽造ワインが市中に出回っていると言われ、特に猜疑心の弱い日本が狙われている
l ワイン保存の7か条
①
13℃前後の温度を保つ ⇒ 低すぎると熟成が遅れ、高いとワインの成分や酸化防止剤が化学反応を起こして、ワインが変質
②
強い光を当てない ⇒ 蛍光灯の光にも注意
③
湿度60%以上を保つ ⇒ 低すぎるとコルクが乾燥して縮む
④
ボトルを横にする ⇒ コルクが乾燥しないよう、常にワインと接触させるため
⑤
風を当てない ⇒ 風でコルクが乾燥する
⑥
他の匂いを近づけない ⇒ コルクに匂いが移る
⑦
振動を与えない ⇒ 振動によりワインは劣化
l 未来を担う期待のワイン生産地
新興国の中で最近評価を上げているのがチリ ⇒ 19世紀後半ヨーロッパでのフィロキセラ発生を機に見直され、1990年代になるとフランスの銘醸シャトーが可能性に着眼
ラフィット・ロスチャイルドは、1750年創業のロス・ヴァスコスを傘下に収める
ムートンもチリ最大のワイナリーのコンチャ・イ・トロと組み、オーパス・ワンに次ぐ合作としてアルマヴィヴァを産出
日本でも、チリワインは07年発効のEPAにより関税が通常の15%から1.2%に軽減されているため輸入が急増、16年には1位に ⇒ サンタヘレナのアルパカやコンチャ・イ・トロのサンライズなどは安価なのに安定した品質を誇る
1993年設立のコノスルは、オーガニックも含め革新的ワイン造りを目指し、ぶどう畑を走り回る自転車をブランドマークに使用、その関連でツール・ド・フランスに着眼、14年にはワイン業界で唯一のスポンサーとなって、売り上げも急伸
アルゼンチンもワイン新興国 ⇒ チリ同様害虫が付きにくく、90年代に外資が参入し、大量生産可能な近代醸造施設を設立、17年には世界6位の生産量となる
最大の産地はメンドーサ地方で、2/3はここで生産 ⇒ マルベック種が主。通常より色が濃いが軽やかな味わいで、見た目とのギャップの大きい品種としても有名
ニュージーランドも新興国として注目 ⇒ 1840年代植民地となってぶどう畑が開墾され、1980年代にソーヴィニヨウンブラン種主体の白が世界のコンクールで優勝したのがきっかけとなって可能性が見直された。近年になって栽培が難しいとされるピノノワールもブルゴーニュ越えが期待されている
スクリューキャップが特徴で、短期であればある程度の空気との触れ合いで熟成は進む。元々はオーストラリアが起源
安物のコルクは、ブショネといわれるコルクに着くバクテリアによる酸化が3~7%は発生していると言われる
オーストラリア ⇒ ワイン造りが19世紀後半から本格化、近年は中国向けで生産量急増。シラーズ種が主力
最高峰はペンフォールズ社のグランジ ⇒ 1844年イギリスから移住した医師が創業。08年にパーカー・ポイント満点を獲得
イエローテイル ⇒ 1957年シチリアから移住したカセラ夫妻が創業。品種や熟成に拘らず、「シンプルに手軽に楽しむ」をコンセプトに、世界一速い生産ラインを導入、01年輸出開始したアメリカで輸入No.1を達成
中国産アオユン ⇒ ヴィンテージが2013年だが、早くもオークションで争奪戦の対象。雲南省にあるLVMH傘下のワイナリーが09年スタート
日本 ⇒ 15年に品質とブランドを守る基準制定、18年10月施行予定。国産を名乗るには国内のぶどう100%使用が義務付け、産地を記載する場合も85%以上使用に限定
最大の産地は山梨で30%を占め、土着品種甲州ぶどうの栽培技術や醸造法の改善で品質も向上
l ワインのビジネスマナー
乾杯ではグラスを当てな ⇒ 繊細な薄手のグラスは割れやすい
ワイングラスを汚さない ⇒ ステム(脚)を持ち、ボウルに指紋をつけない。食べ物が付かないよう留意
香りを楽しむ余裕を持つ ⇒ 2~3回グラスを回して香りを楽しんでから飲む
グラスいっぱいにワインを注がない ⇒ 注ぐのはホストの役目
急いで注ぎ足さない ⇒ 空気に触れさせながら変化を楽しむ赤ワインでは特に重要
お酒に強くない場合には、少な目に次いでもらい、注ぎ足しは断る
ワインのセレクトは皆の意見を聞きながら ⇒ 自信がない場合は新し目のヴィンテージを選んだ方が品質に差が少ないので無難
テイスティングは、味の確認ではなく品質のチェック ⇒ 状態をチェックするのが目的。新しいヴィンテージの場合は色と香りで素早く判断。古いヴィンテージの場合は酸化状況
ニューヨーククリスティーズ初のアジア人ワインスペシャリストが教える、ビジネスパーソンが教養として身につけたいワインの知識! ワインにまつわる歴史や豆知識、話題のトピック、ワイン投資の情報まで、幅広い知識を紹介します。これ一冊で、あなたもワインを語れる一流になれる!
書評 「世界のビジネスエリートが身につける教養としてのワイン」 渡辺順子著
投稿日2018-10-17 著者 Rickey(@tg677) and Instagram (rickey9.site)です。東京在住。33歳の二次の父親。サービス業をする傍ら、ライフハック情報や食レポを中心にアップ。大学からコツコツと独学で英語を学び続け、 現在は国際関係のお仕事。

人生で初めてワインに関する本を読みました!
赤ワインってオシャレだな〜。
そう思ってワインに接していました。
ワインを飲むことって一つのファッションというか、デザインというか、空間、時間を華やかにするというか、そういう感覚でワインを捉えています。
ただ美味しいっていうのも大事な要素なのですが、ワインを飲むまでのプロセスというか、ワクワクというか、匂いを楽しんだり、グラスを選んだり、フルボディーだったり、ライトだったり、、、そういう色々な要素の中で絡み合って演出されるワインのある空間ってすごく好きです。
以前、JALの機内エンターテイメントでナパバレーが紹介されていたり、X JAPANのYOSHIKIがオリジナルのワインを作っていたりするのを見て、ナパバレーにいつか行ってみたいなと西海岸にすっごく憧れがあります。
ハワイに行った時にはカリフォルニアのワインをいくつか飲みましたが、カリフォルニアワインはすっごく美味しいです。
実は、ブログを始めてから「飲んだワインアーカイブ」という名前でブログ記事をアップしています。

ワインを買って→飲んだワインをブログに記録してアーカイブしていくうちに、どういうワインが自分は好きなんだろう、もっとワインの事を詳しくなりたいな〜というのがこの本を買った動機です。
もっと知識を蓄えれば、自分が好きなタイプのワインを特定出来るのではないかと、そんなことを考えてこの本を手に取りました▼
この本で学べたこと
フランス、イタリア、アメリカのワインの生産地の歴史を学べます
各章の末に「初心者のためのワイン講義」というコーナーがあり、ワインの基礎的知識を学べます
ビジネス、投資としてのワインのあり方について学べます
フランスから始まって、イタリア、アメリカそしてチリ、オーストラリア、中国のワイン事情について詳しく書いてあるので、知識が深まりました。
各章の末に「初心者のためのワイン講座」が2〜4ページでまとめられていて、私のようなワインの初心者にとっては大変有益な情報でした。
初心者のためのワイン講義
講義としてまとめられていたのは以下の内容になります▼
必ずおさえておきたい6つのぶどう品種
正しいテイスティングの仕方
ワイングラスの形はなぜ違うのか?
ワインボトルの形と大きさ
基本的なラベルの読み方
ワインの評価を決める「パーカーポイント」
知っておきたいワイン保存の7か条
ワインのビジネスマナー
ワイン初心者のRickeyとしては、このワイン講義シリーズだけで、「なるほど!」が連発してました。
例えば、テイスティングについてもただ訳も分からずグラスを回していたことがあったのですが、これはワインの粘着度を確かめるプロセスで、ワインの滴跡がしっかり残るほど粘着性が高く、アルコール度数が高いのです。
テイスティングはSee (見る)→Swirl(グラスを回す)→Sniff and Smell(香りをかぐ)→Sip and Swish(ひとくち口に含む、口内をワインで覆う)→Swallow or Spit(飲む、もしくは口から出す)」
<86ページ>
という手順が正しいテイスティングの手順だそうです。
全然正しい手順なんて知らなかったですし、香りをかぐなんてことも忘れがち・・・
ワインのマナーについて勉強になる講義シリーズです。
ワインとイエス・キリスト
大変恥ずかしながら知らなかったワインの歴史。
その一つが、ワインとキリストの関係。
イエスは「最後の晩餐」の中で、「ワインは私の血である」という有名な言葉を残しました。
それによりワインは単なるぶどうからつくられたアルコール飲料ではなく「聖なる飲み物」として神聖で貴重なものとして扱われるようになったと解説されていました。
なるほど!ワインが広がった歴史的な背景としてイエスの言葉の存在があったのは非常に大きな要因です。
ボジョレー・ヌーヴォーで盛り上がっているのは日本だけだった!
この事実全然知りませんでした!
毎年盛り上がっているから、世界でも飲まれてるんだろう〜って勝手に思ってました。
Rickeyは無知でした〜。
ボジョレー・ヌーヴォーはボジョレーでつくられるヌーボー(新酒)という意味で、9月〜10月にかけて収穫をおこない、ぶどうを潰して発行させ、しばらく寝してから出荷されます。
ボルドーでは赤ワインで12〜20ヶ月樽熟成が定められていますがボジョレー・ヌーヴォーはわずか数週間の熟成期間で出荷していいと決められており、その最初の出荷日が「解禁日」と呼ばれる11月の第3木曜日なのです。
日本では時差の関係でフランスを差し置き、世界でいち早くボジョレーが飲めるということで、バブル時代はボジョレーに日本中が熱狂した
ボジョレーの大半が日本への輸出となっている
<81ページ>
フランスではボジョレー・ヌーヴォーで盛り上がることは無いそうです。。。
本当に日本だけみたいですね。
何なんだろう、あの毎年の賑わい!ボジョレー・ヌーヴォーは美味しいのは事実ですが、なんか騙されている気がしてなりません。。。
ワインの知識が身につく1冊でした
最初の方は歴史の事や全く知らない銘柄のことなどが多く、自分とはかけ離れたお金持ちの人たちの世界の話しのように感じられてしまったところも正直ありましたが、知っておいて損は無い豆知識、基礎知識がぎゅっと詰まった1冊でした。
特に各章の末にある「初心者のためのワイン講義」は大変分かりやすかったです。
ワインのことをざーっと知っておきたい時に読むべき1冊ではないでしょうか。
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