安曇野 2011.11.8. 臼井吉見
2011.11.8. 安曇野 第 1 部~第 5 部 著者 臼井吉見 1905 年長野県生まれ。編集者、評論家、小説家。松本高校を出て東京帝国大学文科卒。教員生活の後、古田晁、唐木順三、中村光夫らと 1941 年筑摩書房を創立。戦後『展望』を創刊して編集長として論壇に新風を送る一方、自らも評論、小説に健筆を振るう。主な評論・エッセイは『臼井吉見全集』 ( 全 5 巻、筑摩書房 ) に収録 発行日 1987.4.23. 第 1 刷発行 1988.7.15. 第 4 刷発行 発行所 筑摩書房 ( ちくま文庫 ) カバー装画 安野光雄「安曇野」 ( 文藝春秋 ) より「碌山美術館」 新宿・中村屋の創立者、相馬愛蔵・黒光夫妻、木下尚江、萩原守衛、井口喜源治ら信州安曇野に結ばれた若い群像を中心に、明治から現代までの激動する社会、文化、思想をダイナミックに描く本格大河小説、 5 部作 解説 井出孫六 原稿用紙 5600 枚の大作、明治以降の日本の長編小説の中でも五指に入る 完成まで 10 年の歳月、第 1 部は 1964 年 7 月号から『中央公論』に連載、終えたところで作者が病に ( 白内障に続いて脳血栓、肝臓では瀕死の瀬戸際まで、糖尿 ) 、第 2 部からは筑摩書房の『展望』に発表の場を移す 作者を動機つけたものは作品のモチーフと深く関わる 書き出し ⇒ 水車小屋のわきの榛 ( はんのき ) 林を終日さわがしていた風のほかにも、もの音といえば、鶫 ( つぐみ ) 撃ちの猟銃が朝から 1 度だけ。にわかに暗くなってきた軒さきに、白いものがちらつき出した 作者の生まれ故郷穂高村を舞台に、ウェストンによって命名された「日本アルプス」の名さえ知られていない飛騨の山脈が屏風のように取り巻く明治 31 年の山国のクリスマスに 5 人の登場人物がそろう ⇒ 在地の文化組織者井口喜源治を中心に荻原守衛、木下尚江、相馬愛蔵・黒光夫妻 島崎藤村の『夜明け前』を読むときに似た心のお...
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