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戦国信濃と依田信蕃  志村平治  2025.6.25.

  2025.6.25.   戦国信濃と依田信蕃 ( のぶしげ )  徳川・北条を苦しめた不屈の国衆   著者 志村平治  1951 年、長野県中野市に生まれる。少年時代から歴史の研究に傾倒、現在も長野郷土史研究会、歴史研究会(全国歴史研究会)、日本古城友の会などで活動中。主な著書に『相模朝倉一族』『北信濃の武将・村上義清伝』など   発行日            2025.4.10.  初版初刷発行 発行所            戎光祥出版  ( 戎光祥郷土史叢書 )   カバー袖 郷土の歴史を知り日本人を知る 昭和初期に学問的な領域として成立を見た郷土史研究は、歴史学の研究成果の蓄積、デジタル技術の発展などにより、近年、飛躍的な進展を遂げている。各地で活躍する郷土史研究者たちは、地域に根差した研究・現地踏査・史料発掘など様々な形態で発表・発信を続けており、歴史学の深化にも大きく貢献。本叢書は、このような郷土史研究者の成果をまとめるべく発刊するもの。地域史研究への理解が深まると同時に、日本史ひいては日本人のあり方まで俯瞰できる構成となっている。日本史世界がひろがる一助となれば嬉しい   はしがき 信州上田の城主・真田昌幸に対し、「もう 1 人の真田」、「生きていれば真田を凌ぐ大物」と言われた猛将が、家康の信頼厚く、佐久の平定の夢半ばで斃れた武田旧臣の芦田依田信蕃 信蕃の先祖は信濃国小県郡依田庄 ( 上田市 ) を発祥とし、依田氏を名乗る。 1436 年佐久郡芦田郷 ( 立科町 ) に進出、芦田氏を名乗り、大井城 ( 佐久 ) の大井氏に仕える。 1484 年大井氏は村上氏に滅ぼされ、芦田氏は村上氏に属して自立、その後諏訪氏、武田氏に仕える 武田氏時代の信蕃は、遠江二俣城 ( 天竜区 ) 、田中城 ( 藤枝市 ) の城将となり、孤軍奮闘、徳川家康を苦しめたが、武田氏の指示により家康の城を明け渡す。その際家康が家臣に迎えようとしたが、信蕃は勝頼存命不詳のため断り、武田...