投稿

百年の預言  髙樹のぶ子  2013.8.21.

2013.8.21.  百年の預言 上下 髙樹 のぶ子   1946 年 4 月9 日 うまれ。 小説家 。 九州大学 アジア 総合政策センター特任教授(アジア現代文化研究部門)。本名は鶴田 信子 (つるた のぶこ)。 山口県 防府市 出身。 松崎小学校,国衙中学校 、 山口県立防府高等学校 、 東京女子大学短期大学部 教養科卒業。出版社勤務を経て、 1980 年 にデビュー作『その細き道』を「 文學界 」に発表。戦後生まれの女性で初の芥川賞。 2005 年 より 九州大学 アジア総合政策センター特任教授(アジア現代文化研究部門)を務める。また、 2012 年 現在は 芥川賞 、 日経小説大賞 の選考委員を務めている。かつては 野間文芸賞 、 大佛次郎賞 、 島清恋愛文学賞 、三島賞、朝日新人文学賞などの選考委員を務めていた。 児童文学者の 那須正幹 の二度目の妻は高樹の又従妹にあたる。また、実父は 山口大学 で生物学の教授を務めた。 ·          1984 年 、『光抱く友よ』で 芥川賞 ·          1994 年 、『蔦燃』で 島清恋愛文学賞 ·          1995 年 、『水脈』で 女流文学賞 ·          1999 年 、『透光の樹』で 谷崎潤一郎賞 ·          2006 年 、『 HOKKAI 』で 芸術選奨文部大臣賞 ·          2009 年 、 紫綬褒章 受勲 ·          2010 年 「トモスイ」で 川端康成文学賞 発行日     ...

周五郎伝 虚空巡礼  齋藤愼爾  2013.8.19.

イメージ
2013.8.19.   周五郎伝 虚空巡礼  著者 齋藤愼爾  1939 年京城市生まれ。俳人、深夜叢書社主宰。 2010 年『ひばり伝 蒼穹流謫』で芸術選奨文部大臣賞受賞。山本周五郎の少年少女小説集『春いくたび』『美少女一番乗り』の編集に携わる 発行日            2013.5.20.  印刷              6.10.  発行 発行所            白水社 序章 学恩 = 師と仰ぐ人から受けた学問上の恩 ⇒ 著者にとって周五郎の作品こそが学恩 60 年安保の挫折で、陰々滅々たる日々を過ごしていた時に出会って救われた 周五郎の最大の顕彰者は、木村久邇典 (1923 ~ 2010 、 47 ~ 67 年の 20 年間、著作の校訂、編集、考証、編纂を行う ) 。 99.9 %突き止めた 木村久邇典  1923 ~ 2010 。中大法卒。労働文化社 ( 編集担当者として初めて周五郎に会っている ) 、朝日新聞記者を経て別府大等の教授を歴任。 47 ~ 67 年の 20 年間、周五郎の著作の校訂、編集、考証、編纂を行う 『太宰治論』の奥野健男は、太宰と周五郎の読者は重なり合うと指摘 ⇒ 弱く、貧しい失意の人々への熱い眼差しを向け、無類の小説世界を作り上げ、その作品は読む者の心を洗い、人間に対する深い愛情と信頼を甦らせてくれるという共通点がある 長い支配秩序により馴致され形成された人間の精神の「上昇指向」の定型に対する反逆の倫理としての「下降指向」が原点で、絶えず自己を破壊し、自己の欠如感覚を決してごまかさず、かえって深化させていく、そうすることによって既成の社会の一切の秩序に反逆し、その秩序を内側から崩壊させる 周五郎曰く、「私は自分が見たもの、現実に感じることのできるもの以外は、殆ど書かないし、英雄、豪傑、権力者の類には全く関心がない。人間の人間らしさ、人間同士の共感といったも...